2007年10月8日 温泉道の駅ツアー〜紋別〜2日目
感謝を述べ友人宅を後にした僕らは、北に道を進める。本日は道の駅を多くまわりスタンプラリーのスタンプをおしながら帰る予定。雄武の道の駅まで行き、そこから南に下がってくるプランである。雄武から興部、239号で内陸に入り西興部を目指す。
路肩に潜むパトカーをかわしながら滝上も制覇、再び紋別へ戻ってきた。ぐるっとまわる間に紋別の道の駅も開店したのでここも制覇である。
 
道の駅は営業時間や休日がそれぞれ異なり営業時間中しかスタンブ押せないため、このように営業時間に合わせてプランを練るのも道の駅の旅の醍醐味だ。
紋別から南下し、オホーツクラインの道の駅を次々斬っていく。なかなか順調な旅だ。
また、道の駅の旅の醍醐味は地方のおいしいものを食べることにもある。佐呂間の北勝水産で食べたホタテバーガー、北浜駅でのホタテカレー。どれも最高だった。
 
さて、ここまでは道の駅ばかりまわってきた僕らだが、やはり温泉に入らないと調子が出ない。
『やはりダメだ、さあ湯に行こう』
なにがダメなのか凡人にはわからないだろうが、とにかく遠出したからには湯に浸からなければならないのだ。
常呂にあるワッカの湯は雄大なサロマ湖をのぞむリゾートで宿泊がメインだが、日帰り入浴も可能だ。
通常、日帰り入浴には1000円かかるため、気軽には来れないが、「HO」を使用することによって無料入浴できた。
こういう温泉に関する情報は友人Tによるのだか、相変わらずその情報収集能力は計り知れない。またその情報の使い方も無駄がない。どこの温泉が無料で入れるのか、どのみちを通れば効率よく行けるのか…すべて彼の頭の中に入っていて、湯浴みを楽しんでいる間も次の温泉について緻密な計算が行われているのだ。
僕はTの絶対的な温泉能力に信頼をおいているからこそ、躊躇(ためら)う事なく、湯に全身を委ねることができるのである。
 
少し話しが脱線したが、早速この温泉について書きたいと思う。このワッカの湯は一言で言うなら優等生だ。ただそれは自らの努力で勝ち取ったと言うよりは、高い教育費をかけて私立の学校をスライドで進んだエリート学生のよう。つまり設備は素晴らしいのだが、入る前からそのことは予想しているため鮮烈な感動はない。
しかしもちろんこれは褒め言葉だ。期待を決して裏切らないこの温泉は本当に素晴らしい。
鉄分やマグネシウム、塩分を含むこの温泉は保温効果が非常に高く、他にもたくさんの効能がある。お湯をなめてみると苦みがマグネシウムの存在を物語る。
露天風呂からはサロマ湖を見渡せ、湯温も長湯にぴったりの温めとあって、かなりの時間をくってしまったのである。
★★★★★★★
温泉データ
サロマ温泉ワッカの湯
0152-54-2000
北見市常呂町栄浦306-1
12〜21時営業
入浴大人1000円
★★★★★★★

そういえば今日は今年出来たばかりのウトロ道の駅に寄るつもりである。ゴールデンウイークに羅臼まで来た際に、知床峠が雪崩のため通行止めで、ウトロまでは行けなかった。やっとリベンジできる。
しかし、今回の旅の残りの工程と時間を考えてみると少々長湯しすぎたみたいだ。最終目的地の道の駅あいおいの閉店時間午後5時まで着けるのだろうか…。
ここからはひたすら車を運転する。いくつか寄った道の駅もスタンプを押すだけでダッシュし、あいおいを目指す。しかし、美幌の市街地を越えたところで、ラジオから無情にも5時の時報が…。あいおいに着いたのは5時20分であった。
まだ店員がいてスタンブを押せることを期待していたのだが、すでに真っ暗。残念ながらスタンブ帳には空欄が残った。次回また来なければならない…

さて、日も暮れてしまったわけで、あとすることと言えば温泉に入る事しかないが(本当か?)、帰宅の移動時間を考えるとあまり遠回りするわけにはいかない。いろいろ考慮した結果、芽登温泉に決めた。以前わざわざ行って営業時間外だった経験から、電話で営業時間を確認。「8時半まで営業で8時まで受け付ける」とのこと。
ここからの距離を考えると8時少し前には着けそうだ。
「じゃあ、行きますか!」
あいおいの道の駅を逃して生気を失っていたTの瞳は、「銘湯芽登温泉」の言葉で輝きを取り戻すのであった。
国道から道道へ、最後の数キロは砂利道。あやうく鹿にぶつかりそうになる。
そして予定通り、8時10分前に到着した。湯守のオジさんにはさっき電話した奴らだとばれていて「間に合ったね」と言葉をかけられた。なんかその言葉が妙に暖かく感じた。
 
芽登温泉は1904年の開湯だという。今でさえ車で砂利道を含め、かなりの道のりを来なければならないのだから、当時の温泉客は泊まりがけで訪ねたのだろう。しかし、ここまで来るのにそれほど苦労しようとも、この銘湯は決して期待を裏切らない。中途半端な温泉であれば、100年以上の老舗にはならなかっただろう。入る人に尊いとさえ感じさせる湯の輝きは、ここまで来た人だけが経験出来る特権である。
施設自体はいたってシンプル。古びた廊下脱衣所は、子供の頃、夏休みに遊びに行った田舎のおじいちゃんの家の雰囲気を醸しだし、すごく懐かしい。そして、露天風呂から見える満天の星空、小川のせせらぎ、湯を飲泉するとコクがある。人間の持つ五感全てに訴えるのである。
しかしさすがTは温泉マスター。これほど上質な湯に浸かりながらも、決して自分を見失わない。いたって冷静沈着だ。気付けば浴槽から溢れる湯で「尻湯」を楽しんでいた。マイッタぜ。
★★★★★★★
温泉データ
芽登温泉
0156−26−2119
〒089-3872 北海道 足寄郡 足寄町 芽登 2979番地
9〜21時営業
入浴大人310円、小学生100円
★★★★★★★
たっぷりと湯浴みし、帰りは運転交代。ふと空を見上げると一面の星空が広がっていた。僕は星を見るのも大好きだ。しばし車を停めて、その素晴らしい大自然に見入るのであった。
来た道を戻り国道を士幌方面へ向かう頃には少々お腹が減り、疲れも出て来た。一日温泉も楽しんだことだし、帰路につく事にしよう、飯はどこで食べて帰ろうか…そんなことを考えていた矢先、Tは恐れていたあの言葉を呟く。
「さあ、湯に行こう」
どんなに疲れていようとも、入ったことのない温泉に一カ所でも多く入りたいという果てしない向上心、その情熱はどこから来るのか…。
「今日、自分はよくやった!それだけやれば十分だ!明日の事を考えて今日はもう休もうじゃないか!」
心の中でそう呟き、消極的な守りに入っていた自分が急に恥ずかしくなった。
「そうだ、僕は何をやっているのだ!何を弱気になっているのだ!燃え尽きるまで湯に身を委ねてみろ!」
僕の運転するマーチは躊躇う事なく士幌温泉へと向かった。
市街地にあり、町の保養施設でもある士幌温泉は380円という安価な入浴料なため、かなり混んでいた。作りとしては綺麗な銭湯といった感じ。なのであまり泉質には期待は出来ないように見える。Tも「まあ、あくまで制覇が目的で」と気軽に入浴。
だが、ここの温泉はそれほどナメた気持ちで入るところではない。源泉かけ流しではないものの、お湯は柔らかく、温泉ファンを喜ばせるに十分なポテンシャルを秘めている。まさに嬉しい誤算だった。期待していなかった分、印象は鮮烈で、感動はワッカの湯以上かもしれない。

★★★★★★★
温泉データ
ふれあいプラザ
01564-2-4126
北海道河東郡上士幌町字上士幌東3線236
14〜22時営業(夏期は30分遅い)
入浴大人380円、小学生140円
★★★★★★★
その後はさすがに帰路に着いた僕らだったが、散々迷ったあげく、晩飯を山岡屋のラーメンで済ましてしまうあたりが僕ららしい。まったくいつまでも進歩のない自分たちだ。しかし、いつか来るかも知れない冒険心を失ってしまう時を考えると淋しく感じる今日この頃である。

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