透明感の描き方(セロハン紙の作り方)

キューブ王 海永

最初の方の絵、気に入らない部分があったので、今回挿げ替えた(121225)。文章も、それに合わせて少し修正した。

 

[はじめに」

 透明感のある絵の描き方に挑戦。または、色付きセロハン紙の作り方に挑戦。

 パワーポイントで、色付けした矩形に透明度を指定できる。例えば透明度50%の矩形を作り別の絵の上に被せる。すると、絵が半分透けて見える。しかし、色付きセロハン紙を被せた場合のものとは全く違っている。率直にいうと、間抜けまたは頓珍漢な絵となる。

この絵は、イルカの絵の右半分に透明度50%の空色の矩形を被せたもの。右半分、元の絵が残っていて、しかも水色っぽくなっていて、狙い目通りという人もいよう(いないか)。しかし、水中らしさを狙い、透明感ある絵を狙っていたのだとすれば、最悪の絵になったともいえよう。

 今回、透明感のある絵を追求し、色付きセロハン紙に到達した。その成果を示す。難しそうな説明文もあるが、「説明文」は適当に眺めるだけでいい。一方、具体的に提示した「絵」は、熟読ください。セロハン紙を含む絵も、最終的にはPNG or JPEGにしてある。

 まず、具体例を示す。

 

イルカ

 

左は、イルカの絵。しかし、イルカが宇宙に浮かんでいる気がして、旨くない。右は、その絵に空色セロハン(小さい丸い穴が散在)を被せたもの。右の絵は、イルカが水中にいる気がする。

 

1つ上の右の絵と同様なもの、2つ。透明感の引き出しを図ったもの。

水面近くを泳ぐイルカをイメージしたもの。これは後から追加(141128)

 

 クジラ

 

今度はクジラ。イルカと同様。右は、空色のセロハンを水中部分に被せた。

 

赤富士。

 

左は、北斎の赤富士。右は、「空色から黄色」のグラデーションセロハンを被せたもの。

 

風景

 左は、昔描いていた風景画。右は、その絵の全面に黄色セロハンを被せたもの。

 

[]

 色とは何か。哲学的に問いかけたが、ここでは単に光の三原色、赤緑青(RGB)の3成分。それで発色されるものが色。 RGB=(1,0,0)は赤色の種、RGB=(255,0,0)は赤色。こういうのをまとめると、

   (1,0,0)=赤色の種 (255,0,0)=赤色 (0,1,0)=緑色の種 (0,255,0)=緑色、 (0,0,1)=青色の種 (0,0,255)=青色

   (0,0,0)=黒色    (255,255,255)=白色    (255,255,0)=黄色  (0,255,255)=空色  (255,0,255)=桃色

 絵画or図画では、普通、色の3原色というのが最初に出てくる。学校で習う順番では、色-->色の3原色-->光の3原色だったと思う。

 しかし、当方の今の結論では、特にデジタル絵画を主対象とするならば、光の3原色-->-->色成分透過フィルタ、となる。図画で習った色とは、実は色成分透過フィルタである。こういう点は、ここの記事を眺めていけばおいおい納得できよう。

 

 [混色or色フィルタ]

 「色彩検定公式テキスト3級編」というのを参考にして、混色について講釈しておく(参考にしてないかも?)

2つの色があるとする。この2つを混ぜ合わせる。すると別の色になる。混ぜ合わせることを混色という。絵の具の色を混ぜ合わせると、明るさが減少した別の色となる。この種の混色を減法混色という。2つのライトを壁に照射する。2つのライトが当たった部分は、明るい別の色となる。この種の混色を加法混色という。

(絵の具)は3原色を持つ。C(青緑、シアン)M(赤紫、マゼンタ)、Y(黄、イエロー)の3色である。光は3原色を持つ。R(赤、レッド)G(緑、グリーン)B(青、ブルー)の3色である。加法混色や減法混色により、理想論では人間が識別できる任意の色を実現できる。

以上、混色の「色彩検定風」講釈。

しかし当方の混色は、3原色ベクタ(255,0,0),(0,255,0),(0,0,255)[0,1]の係数を掛けて加算したもの。空間内の複数の点v1,v2,v3が選択されていたとし、凸結合とか凸錘結合というのが考えられる。

(1)   凸結合:           a*v1+b*v2+c*v3     ( a,b,c>=0, a+b+c=1 )

(2)   凸錘結合:       a*v1+b*v2+c*v3     ( a,b,c>=0         )

(3)   キューブ結合:  a*v1+b*v2+c*v3     ( a,b,c>=0, a,b,c<=1 )

3番目の「キューブ結合」、当方が急遽命名したものだが、(PC上の)可能な色の広がりと一致する。

「検定風」の減法混色、限られた数の絵の具を混ぜ合わせて望みの色を生成したい。そういうことから「混色」が問題となったのだろう。絵の具を混ぜ合わせると、別の色になる。しかし濁ってくる。なぜ濁るのか、濁りを回避するには印象派風のタッチで描けばいいのか。などと、探求や研究が進んでいったのだろう。だがしかし、PCでのデジタル絵画に限定していいのなら、混色は単に光の3原色の加算(キューブ結合)でいい。勿論、デジタル絵画でもプリンター出力した時点で色が問題となってくる。PCで見ると何も問題なかったこの茶色、とても茶色とはいえない。安いプリンタは駄目だ。100円の詰め替えインクは特に駄目。とかいう風に色が問題となる。

画家ではないのだが、プリンタのメーカーは、色の生成にこだわるのだろう。少ない数のインクで任意の色を再現する、ユーザが期待した通りの色を再現する。とかでこだわるのだろう。なお、インクは油性とか水性とかの分類があるが基本的に液体だろう。2種のインクを同時に吹きつければ混じり合う。混色で別の色になる。原色は、桃色空色黄色で、しかしそれだけでは黒が表現できないので黒色インクも使用される。この混色は減法混色である。ここでの「減法混色」とは、色セロハン紙での色の見え方で説明すれば分かりやすい。机がある。上面は真っ白である。そこに桃色セロハンを置く。セロハンは桃色に見える。次に黄色を置く。2枚のセロハンが重なった部分は赤色に見える。次にセロハンの下に黒色の紙を差し込む。すると黒色の紙の上のセロハン部分は黒色に見える。結局、セロハン紙は自分で発色している訳ではない、と納得する。机が発色した白色(255,255,255)から緑色(0,255,0)を遮断して桃色(255,0,255)に見え、さらに青色(0,0,255)を遮断して赤色(255,0,0)に見えたもの。こういう色透過フィルタの作用のことを減法混色という。桃色セロハンは発色しない、色を遮断するだけ。白い紙の上に置けば、緑色を遮断し桃色の紙に見える。そういうことである。

 

[メタファイル]

 ここでいうメタファイルの意味を明確にしておこう。ウインドウズメタファイルWMFをインターネットで調べると以下のような記事が見つかる。

-----------------------(

Microsoft社のWindowsが標準でサポートしているベクター画像のファイル形式。Windowsのグラフィック描画プログラムであるGDIを制御する描画命令が書き込まれており、線分や矩形、円弧、テキストの描画などが行える。Windows 1.0からサポートされている古い形式で、Windows 95以降ではこれを拡張したEMF(Enhanced Meta File)形式が採用されている。

-----------------------)

 PNG図を「ファイル->保存」する際にWMFEMFが指定できるので、ここでのメタファイルとはラスター画像もサポートできる「ベクター画像のファイル形式」で、GDI描画命令が書き込まれたもの、というのが正解か。

 赤い○のPNG(一般には透明部分を含むPNG)をパワーポイントで作り、それを「右クリック->図として保存」する。その際WMFEMFと指定しメタファイルとする。そのメタファイルをパワーポイントに放り込む。すると最初の図と同じに見える図が出現する。この図を選択し、「グループ化の解除」を試みる。いくつかの図群に分解されよう。これら図群の下に、(例えば)灰色の大きい矩形を置き、出現した図群をずらして配置すれば、どういうものが生成されたかがよくわかる。例えば以下のよう。桃色の○、空色の○、黄色の○の3つをまとめて1つのWMFファイルとして保存したものを、パワーポイントに取り込み、可能な限りグループ化を解除した際のもの。

桃色、空色、黄色のセロハン風の○が1個づつ、白色の○が3個となろう。この図群の数は、使うソフト(MS社、KingSoft)WMF/EMFによって変わってくる。場合により透明な矩形も出現する。今は、セロハン風の○に興味がある。例えば、「桃色の○」といったもの、自分が発光しているのではなく、背景色の一部の色(赤、青)を透過させ、残りの色()を阻止している。背景色が白色なら、桃色となる。ここには現れてないが背景が黒色なら、黒色となる。正に桃色セロハン紙である。

 なおこの絵、極端に透明感が感じられる。また背景の灰色、単に灰色でしかないのだが、透明感のある3つの○の影響だろうが、滑々の金属表面に感じられる。

 

[セロハンPNG]

 以上、何を言いたかったかというと、WMFEMFは、色を表現する際に色成分透過フィルタで表現する。セロハン風といったものである。これを今後、セロハンPNGセロハンフィルタなどと呼ぶことにする(PNGでなくBMPの方が正解だろう。しかしここはPNGで通す)。普通のPNG図は、個別のドット位置で個別の色を発色している(と解釈できる)。セロハンPNGは、個別のドット位置で自分では発色していない。背景の同じドット位置が白色に発色していれば、セロハンPNGのフィルタ処理で特定の色に見えることになる。

 なお、あるドット位置の背景色をRGB=(br,bg,bb)とし、セロハンPNGの色のRGB=(cr,cg,cb)とすれば、透過したRGBは以下となる(らしい)

    透過RGB = (br*cr/255,bg*cg/255,bb*cb/255)      or

           =  (min(br,cr),min(bg,cg),min(bb,cb))

この式が成立するならば、GIMPでこのフィルタ処理をシミュレートできる。背景の絵をまずGIMPに放り込む。次に手前の絵をGIMPに放り込む。GIMP内の絵は2層のレイヤーとなる。最初、手前のレイヤーモードは標準である。つまり上書きモードであるので、奥のレイヤーの大部分は上書きされてしまう。さて、手前のレイヤーのモードを乗算(orMIN)とする。つまり、ここでの言葉では手前のレイヤーを「セロハン」とする。これで望みの絵が得られることになる。

 

 セロハンPNG、「オブジェクトの書式設定-->色と線」を指定できる。この意味をテキストボックスと対比して説明しておく。パワーポイントで矩形を作り、その矩形を右クリックする。すると「テキストの追加」が可能となる。実際にテキストを追加したとする。こうした矩形で、入力されたテキストがオブジェクトの主体の立場になる。また矩形内の面はオブジェクトの背景という立場になる。MSオフィスでは「背景」という言葉はそういう意味で使用される。

 セロハンPNGに話を戻す。PNGに現れている絵(or)はオブジェクトの主体である。そして、「オブジェクトの書式設定-->色と線」を指定する対象が「背景」である。普通のPNGであれば、透明部分に色を付けたという感じなのだが、セロハンPNGであれば、背景部分の色(や絵)が主体部分のフィルタ機能によってドラスティックに変換されたという解釈になる。

 

これは、ある絵(シスラー?)をセロハンPNG化し、「オブジェクトの書式設定-->色と線」で背景に泡パターン()を置いたもの。左は、最終的にはぼかしたJPEG

 

 GIMPで、手前の(乗算モードの)レイヤーだけを取り出す(複写バッファへの複写)ことができればいいのだが、できないようである。従って、「セロハン紙」を作るのはパワーポイントの得意技ということになる。この得意技、どの程度知られているのかとインターネットでサーチしてみたが、そういう言及をしてる記事を見つけることは出来なかった。得意技ではなく、超裏技ということになった。当方、この「セロハン紙」を発見したとき、ビックリし、うれしくもあった。人に話したいとも思い、またタダで話すのはもったいないとも思った。しかし、描画プログラムGDIに関わっている人には、自明の事柄でしかないとの結論に達し、ここで説明したもの。無料での説明です。

 

 セロハンPNG、普通のPNGに変換できる。背景は透明のままとしてあるセロハンPNGでも普通のPNGに変換できる。これだけであると、個別のドットは発光しない。それにセロハンでのフィルタ処理を加えても色成分は全くないことになる。つまり完全な黒である。この点、注意。

 パワーポイントで作ったセロハンPNG(を含む絵)をワードなどに取り込むには、WMFとして張り付ければいい。セロハンPNGの背景を指定してなくて、さらにセロハンPNGの下に色付きの図や絵が置いてないならば、WMFとして張り付けた絵の該当部分は真っ黒になる。この点、注意。

 

 サイズの注意もしておくか。BMP系の絵部品を含む絵を気楽にWMFEMFに変換はできる。しかし、1MB程度のサイズに直ぐになるので注意要。

 

[具体例]

 以降、セロハンPNGの活用例をいくつか示す。

まず、ビー玉風のもの。赤色をある程度遮断したもの。

同様なもの。赤色を全面的に遮断。

 

色彩遠近法で得ていた模様、2つ。

 

上の2つをセロハン化後、重ねて、下の絵の背景として黄色を設定したもの、2つ。緑色が、蛍光らしく見えて満足。勿論、透明感は抜群。

 

色彩遠近法で得ていた2つ上の絵(右の絵)に調整(色相環での回転)を加えたもの、2つ。

 

同様なもの2つ。セロハン化後、背景を空色としたもの。

 

シニャックという印象派の画家の絵。左は、ほぼ原画、右はセロハン化後、背景を黄色としたもの。

 

左は、セロハン化後空色を置いたもの。右は、黄色と空色のグラデーション。透明感とは少し違うとは思うが、それなりに面白いとは思う。

 

左は、色彩遠近法で作った絵。右は、左の絵をセロハン化後、背景を黄色としたもの。右は、青色成分はないが、透明感は抜群。

 

左は、GIMPのフィルタで「下塗り->->プラズマ」し、「ノイズ->RGBノイズ」し、「芸術->キュービズム」して得た絵を何度か「シャープ化」したもの。右は、それをセロハンPNG化し、背景に黄色を置いて青色成分を除けたもの。

 

左は、セロハンPNGの背景に空色を置いて赤色成分を除けたもの。右は、セロハンPNGの背景に桃色を置いて緑色成分を除けたもの。

最初の「キュービズム」、透明感がある絵を獲得できるのだが、残りの3つ、1つの色成分を排除したことで透明感がさらに向上したといえよう。

 

サンゴ礁の写真2つ。コントラストを高め、その絵をセロハンPNGに、それから背景を「薄い空色から黄色まで」のグラデーション。透明感と遠近感、共に抜群といえよう。

 

 

おまけ。この2つは後から追加(141128)

 

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