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Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies (RIJS, ハーバード大学ライシャワー日本研究所)
Military Powers(総合,相互リンク)
「朝目新聞」●日本に敵の攻撃が迫るか,武力攻撃が発生した時のサイレン
ギャラリーらいとうぃんぐ(自衛隊各種装備細部詳細写真集)
ゴルディロックス戦略(英語)
日本の戦略はこれだ!と指摘しているアメリカ人の論文です.
なるほど,ゴルディロックスねぇ・・・フリーライダーとはちょっと違うところが味噌ですな(kbk)
これでわかる日米安保 (元統幕議長・西元徹也、江畑謙介の識者談話もあり)(リンク切れ)
◆◆◆書籍
『教科書・日本の安全保障』(田村重信・杉之尾宜生編著,芙蓉書房出版,2004.3)
『教科書・日本の防衛政策』(田村重信・佐藤正久編著,芙蓉書房出版,2008年4月10日)
〔略〕
本著は『教科書・日本の安全保障』(田村重信・杉之尾宜生編著,芙蓉書房出版,)の後継書とされます.
しかし,ひげの隊長こと参議院議員の佐藤正久退役1佐をはじめとする軍人が編集に参画されたせいか,前著とは比較にならないくらい完成度が上がっています.
内容も無味乾燥な法律論議に終わらず,養分を吸収しやすい具体的かつ有機的な内容です.
図表が多く読みやすい.読んでいて面白いです.
あわせて,わが自衛隊の歴史,背景,政治とのかかわりをここまで総合的かつコンパクトに記述した本を,わたしは知りません
これまでずっと
「何故わが国には権威ある自衛隊史が存在しないのだろう?」
と疑問に思ってきましたが,本著は十分その役割を果たすことができるでしょう.
「自衛隊なるものの本質を国民が知るため最も有益な本」といってよいかもしれません.
「自衛隊なるものの特殊性」を学ぶ教科書としてもお薦めできます.
それともうひとつ感じるのは,海外諸国との比較がふんだんに出てくることです.
たとえば情報保全に関することでも,これまではおそらく専門家でないと把握していなかった各国制度の比較があり,大変ありがたいですね.
この点は従来の類書に例を見ない,画期的なところで,「そうそう,こういう話を知りたかったんだよ」と思う箇所に私は多々出会いました.
〔略〕
本著の目的は,国防に関わる政府の公式見解を事実を通じて正確に理解・把握するという点にあります.
文面は,簡潔明瞭に事実と説明を短文で記載したものです.
この種の本は普通,読んでいて眠くなり「つまらないけど大切だからがんばって読む」ところがあるものです.
でも本著からはそういう印象を受けません.
これは実に不思議です.
理由としてあげられるのは,わたしが思うに,要所要所に差し込まれている<参考>の存在と,先ほどもあげましたが「海外との比較」です.
特に,「海外との比較」は大きいように感じます.
一般国民が普通の生活をしている限り,海外の国防政策について知るところはほとんどありません.
でも,たとえば,ドイツの非常事態法案(1968年)に関し,当時の西ドイツ政府が国会に提出した「提案理由書」の一部,
<(前略)平時における国家組織が必然的に担っている鈍重性は,非常事態においては国家存立の危険を招きかねない.(後略)>(P149)
といった言葉に出会うと,それだけで読む意欲がもりもり湧いてきませんか?
こういう体験を繰り返しできる本なんですよね.
〔略〕
―――おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)4月18日
『国防の論点 日本人が知らない本当の国家危機』(森本敏・石破茂・長島昭久著,PHP研究所,2007.3)
〔略〕
読んで感じたことは,森本さんと現役政治家お二人との明白な温度差でした.
国防に関する政治の実態は,我々が想像する以上の「トンデモ」世界みたいです.
森本さんなど「防衛当局が説明資料を持っていっても,それを読んで誰も理解できない.資料の最後に別添している図表類もよく理解できない.基礎がないからです・・」と述べておられるほどです.
問題なのは,そういう状態で公人として話をすることなんですよね.
これは政治のみならず背広官僚でも同じことです.
そういえば,ある元幹部[退役将校]の方は「知ったかぶりする内局の連中の言葉で,何度煮え湯を飲まされたことか・・」とおっしゃってましたね.
森本さんに比べて政治家のお二方は,「現行法」の枠内でしか話せない限界でしょうか,分析は立派ですが,「で,どうするの?」という点でいまいち迫力に欠けます.
〔略〕
こういう政治を作ったのは我々ですね.
国民の軍事への無知・無関心が,政治のこういう体たらくを生み出した元凶といえると思います.
ですから,国民レベルで軍事を理解・把握する必要が,いま求められているのだと考えます.
〔略〕
いろいろ書きましたが,大変貴重な内容を,当事者がホンネで語っている,
記録としても価値あるほんとに素晴らしい本です.
それでいて全ページ数が200ページに満たないコンパクトさも,おすすめできる大きな理由です.
〔略〕
エンリケ航海王子 in おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)3月2日
『知っておきたい!! 自衛隊100科』(防衛弘済会,2007/12/14)
〔略〕
本著は,現在のわが自衛隊に関する基礎知識を一冊の本に凝縮したもので,「わが自衛隊事典」といって差し支えない内容です.
メルマガをお読みになっておられる方の中には,
「大きな声ではいえませんが,実はわが自衛隊のことをあまり知りません.もっと知っておきたいです」
という方も多いかと存じます.
そういう方には,基礎知識がなくても理解できる少しオシャレな教科書として役立つでしょう.
「一家に一冊」ぜひ置いていただきたいですね.
副題にもあるとおり,本著は「防衛省・自衛隊の「今」を知る100項目をこ,の一冊に網羅」というコンセプトの下で創られています.
各項目は書き手が異なり,完全に独立しています.
どの項目から読んでも構いません.
正直申し上げて,「もう一歩突っ込んで書いて欲しかったなあ」という項目はあります.
しかし,お茶の間でニュースを見ているご家族が,本著の周りでわいわい言いながらわが自衛隊を話題にできる「安心感と総合性」を持つ内容に仕上がっているとの印象を持ちます.
ここまで総合的にわが自衛隊の現況把握ができる本が出たのは,本邦初と思います.
資料としても大変貴重な本だと思います.
たとえば「広報・イベント」の「092 広報施設」では,陸海空の施設が見開きで一覧できます.
俸給表もありますし,防衛記念賞や徽章の写真つき解説もすべて一冊の中に収められています.
こういう網羅性・総合性に基いたわが自衛隊紹介って意外にないんですよね.
読み手には実に便利です.
〔略〕
・これ一冊でOKという総合性
・見たい項目を自分で選べる自由度の高さ
・信頼できる執筆者の解説
という三点で,「現在の」わが自衛隊を理解したい方すべてにお薦めできます.
本著の発行元の防衛弘済会は,自衛隊の広報誌『セキュリタリアン』を製作発行していたところです.
本著の作成に当たったライターとカメラマンは長年にわたって『セキュリタリアン』に関わってきたベテランの方々です.
おススメです.
―――おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)3月22日
『日本の防衛戦略』(江畑謙介著,ダイヤモンド社,2007.7)
『日本はこのままでは生き残れない』(志方俊之著,PHP研究所,2007.8)
『日本防衛のあり方』(江畑謙介著,ベストセラーズ,2004.9)
『防壁』(真保裕一著,講談社文庫,2000.6)
『無防備列島』(志方俊之著,海竜社,2006-06)
『森本敏の眼』(森本敏著,グラフ社,2005.4)
『有事に備える 元グリーンベレーの実戦的提言』(三島瑞穂著,かや書房,1998.1)
◆◆総記
【質問】
たかじんの番組で志方さんが言ってた,自衛隊が世界の軍隊でも6位くらいに強いってのは本当ですか?
何か,戦争になってもみんなちりぢりに逃げちゃいそうなイメージがあるんだが.
【回答】
志方氏自身が,自己の著作(現代の軍事学入門)や軍事研究の冒頭コラムで,ランキングは無意味だと記しております.
そして,素人がしつこく聞いてくるので,「あえて言えば」的に答えている,とも.
以下引用.
大学のゼミで国の安全保障について講義をしていると,よく学生から単純な質問を受ける.
「自衛隊は強いのですか,弱いのですか」
「北朝鮮は弾道ミサイルを撃ってくるのでしょうか,自衛隊はそれを撃ち落せるのでしょうか」,
などと様々だ.
どれも素直で単純な質問だが,答えるのは難しい.
防衛白書を精読すれば,それらしい答えは見つけられるのだが防衛問題を勉強している学生でも,白書を精読することは稀だ.
そのせいか,何事においても「前提」や「尺度」や「分析」よりも,強いか弱いか,勝つか負けるかなどと「結果」を聞きたがる.
そんな若者たちには,まず国と国との軍事力を比較する時の「尺度」から教える事にしている.
自分なりに考えさせるためのヒントである.
in 『軍事研究』2005年12月号,「軍事力を比較するときの尺度」p.27
講義中に学生から,「日本と韓国の軍隊では,どっちが強いのですか」という質問によく出くわす.
しかし,この単純な質問に答えるのは難しい.
ある国とある国との軍事力を比較するためには,まず第一に,軍事力を「比較するための要素」は何かを明らかにする必要がある.
これは軍事力がどんな「構成要素」から成り立っているかを明らかにすることでもある.
第二に,それぞれの構成要素について二つの国のデーターを入れて計算するための計算式(モデル)がなければならない.
また,いくつもの計算式を比較して最終的な「総合的な判断」をしなければならない.
この段階は第一段階よりもっと難しい.
妥当性のある計算式(モデル)をつくること自体が難しいし,これができたとしても,この式に入れるデーターが国によっては公表されない場合が多いからだ.
また,総合的な判断というのは最終的に計数的な比較ができないことを意味している.
志方俊之著『現代の軍事学入門』(PHP出版,1998.6),p.154
一方,江畑謙介は,「戦ってみなければ分からない」
小川和久は,「メチャメチャ強い部分と,メチャメチャ弱い部分とがあっていびつなので,他国と比較なんてできねーよ」
という主旨の事を,それぞれ自著で述べています.
自衛隊はどのくらい強いのですか」という質問をされることが多い.
非常に漠然とした質問ではあるが,また誰もが知りたい話であろう.
実際,この質問をされると非常に困る.
「私にも分かりません」
と正直に答えているが,その答えが知りたいから私にたずねているのだから,訊いた相手は非常にがっかりする.
申し訳なく思うものの,おそらく誰にも答えは分からないはずである.
「強くあって欲しい」とは日本国民,そして納税者として誰もが思うであろうが,願望と実体とは違う.
だいたい「強い」の定義が不明瞭である.
戦争をやって敵に勝つのが強いという定義なら,答えは簡単である.「やってみなければわからない」
江畑謙介著『軍事力とは何か』(光文社,1994/12)
軍事力に関する世界のランキングは,基本的のどのぐらい強いかということでランクをつけるわけですが,実を言えば,自衛隊は世界ランキングに入れない「特殊な構造」を持った軍隊なのです.
これは,鉄人レースとも言われるトライアスロンに例えると分かるかもしれません.
トライアスロンは,遊泳3.9km,自転車180.2km,マラソン42.195kmの3種目を連続して行って,そのタイムを競う耐久競技です.
しかし,水泳だけは世界記録保持者だとしても,自転車やマラソンが平凡な記録では,メダルはおろか入賞すら望めず,20位か30位に入るのがやっとという話になるはずですね.
日本の自衛隊は,水泳だけが世界トップクラスのトライアスロン選手のようなものです.
どうしてそうなるのかは,防衛費の内訳を見れば明らかでしょう.
05年度の防衛費は,人権・糧食費は2兆1562億円で全体の44.6%にあたります.給料と食費で半分近くが消えてしまっているのです.
さらに,
施設整備費1386億円(構成比2.9%).
営舎費・被服費等1080億円(構成比2.2%)
基地対策費4973億円(構成比10.3%)
その他の支出887億円(構成比1.8%)
が加わり,純粋に軍事力の整備に使うことができるのは
装備品等購入費9000億円(構成比18.6%)
研究開発費1316億円(構成比2.7%)
訓練活動経費8097億円(構成比16.8%)
の合計
1兆8413億円(構成比38.4%)
に過ぎません.
この限られた防衛費で整備できるのは,「中ぐらいの国」の軍事力がせいぜいなのです.
自衛隊の場合,問題はそれだけではありません.
ここで押さえなければならないのは,戦力の中身です.
実は,日本の自衛隊は軍隊として均整のとれた総合力を備えているとは言えず,大変バランスの悪い軍隊と言わなければなりません.
一部が大学院生のレベルまで高められているかと思えば,違う部分は幼稚園年少組や新生児のレベルだったりするわけです.
例えば海上自衛隊は「単能海軍」と呼んでよいほど,単一の機能が突出しています.それは対潜水艦戦(ASW)能力で,その部分こそ世界トップクラスですが,それ以外の能力は備わっていないに等しいし,もちろん空母も戦艦も巡洋艦も原子力潜水艦も強襲揚陸艦もありません.
航空自衛隊も「単能空軍」の色彩が強く,防空戦闘能力は世界でトップクラスの実力です.
しかし,長距離の航空攻撃が可能な本格的な戦略爆撃機などはありません.
それは,あとで述べるように対潜水艦戦と防空の能力を世界最高レベルに持っていくことで同盟関係における役割分担をするように,というアメリカの希望だったからです.
といっても,対潜水艦戦に必要な護衛艦や潜水艦,(対潜)哨戒機はハイテクの塊で極めて高価です.
防空能力に必要な邀撃戦闘機,地対空ミサイルなども高額兵器の代表です.
それだけで,軍事力の整備に回せる防衛費の大部分を食われてしまい,他には何もできないというのが実情です.
小川和久著『日本の戦争力』(アスコム,2005.12.5),p.41-44
2007/2/20の小川和久氏の講演行ってまいりました.いずれ,主催者団体の雑誌にその内容が載ると思います.
北朝鮮の戦略,とそれに対して日本はどういう戦略をとるべきかという話で,なかなか興味深かったです.
ちょうどこの話をした部分があるので,自分用のメモに内容を書き起こしたものから抜粋します.
ただし,細かい数字の間違いや解釈違いがあったら私の責に帰します.
タイムリーなので先行してこういう話があったよ,という事で紹介しておきます.
---------------
・構造的に見た日本の防衛力
それを一言で言うと→国としての戦力投射能力なき軍事力+日米同盟
ここでいう国としての戦力投射能力とは,外国を叩き潰す能力,と言ってもいい.よく日本の軍事力は世界第三位と言う話があるが,もし世界の戦力をランキングするとすれば,日本の強さは3位どころかランキング外といえる.それは,ドイツも同じ.
そもそも,そういうランキングにエントリーするには,その戦力に自立構造と,バランスが必要である.
日本とドイツは,第二次大戦で勝者側に相当な能力をみせつけたので,アメリカはこのまま放っておけなかった.だから,日本とドイツは,自立構造を持たない軍事力→たとえるなら,走るにしてもアメリカに肩を支えないと走れない構造になった.
・戦力投射能力
自立的に戦力投射能力をもつなら,
・核武装
・外国を占領し,戦争目的を達成できる陸海軍の構造
が必要.日本は当然そのどちらもない.(この後で,日本がそれらを持つのにどれくらいコストがかかって非現実的であるか,それ故に日本としては日米同盟の堅持と発展(による平和,安定の追及)がいかに一番現実的政策であるかを述べている)
・自立できない自衛隊の構造
軍事力整備に使えるのは,防衛費の30〜35%だが,ご存知の様に現代戦の装備は高額で,その高額の装備を大量に導入するのでバランスのとれた構造を目指すのには限界がある.
→それなら,米軍と役割分担して,日本側でしかできない部分に集中するのが道理
→突出部分
・突出部分
先ほど自衛隊はランキング外と書いたが,二つの能力だけは世界レベルと言える.
・海自の対潜水艦戦(ASW)能力
・空自の防空能力
雑談:一昨年の中国の潜水艦領海侵犯事件で,潜水艦が青島から侵入してグアム近海まできて青島まで戻る過程で,P-3Cはペアで追跡しつつ潜水艦戦訓練をしていた.
そこで,その時の司令に何回くらい「沈めた?」と聞いたら,「数えられないくらい」と答えが帰ってきた.(この前に,中国脅威論の中身(軍事費が突出しているとか)を良く吟味して無用に脅威論におどらされてはならない,という話をしたのでその文脈で話したのだと思われる)
・講演の後で,アジア諸国は日本を脅威だと思っているのではないか,という指摘があり,それに対して,
→上記の様に,自衛隊は自立できない構造(外征能力のある装備を持っていない)事,その上で平和を望んでいる事をきちんと説明する事によって,そうした無根拠な脅威論もなくしていかなければならない.
『日本の戦争力』の見解に対する編者の私見だが,アメリカの希望だけではなく,大東亜戦争で潜水艦とB-29とに痛めつけられた教訓が,過度に作用しているせいでもあるのではないかと思うのだが.
それにしても,「幼稚園年少組や新生児のレベル」とは,具体的にはどの部分なのか,非常に気になる.
海上自衛隊については,それについての説明があるが,陸空についても知りたいところだ.
【質問】
以下のような,自衛隊の戦力は見せ掛けだけのもので,実質戦力はゼロに等しい,とする見解についてはどうですか?
まず陸上装備だが,対戦車機動攻撃力で見ると,戦車の数こそ日本が上回っているが,攻撃ヘリコプターは英国の3分の1しかない.
仮に戦車と攻撃ヘリコプターの戦力比が価格比とイコールであると言う,いささか乱暴な仮定を置けば,日本の対戦車攻撃力は英国の4分の3にしかならない(計算方法は次の通り).
(1) 日本が調達している最新の戦車である90式戦車の1997年度単価は935,741万円であり,最新の対戦車ヘリコプターAH-1Sの1998年度単価は486,600万円である.
(2) この価格で,日本および英国の現有戦車と対戦車ヘリコプターを買いかえるとしたら,それぞれいくらかかるかを計算する.
日本: 90機×4866+1050両×935.741=1420468.050(単位:百万円)
英国:269機×4866+ 627両×935.741=1895663.607
(3) 最後に,この経費の額と戦力が比例するものとして,両国の比率を計算する.
1420468.05/1895673.607=0.75
他方,装甲機動防御力を見てみると,装甲偵察車,装甲歩兵戦闘車,装甲車の合計が日本は940両であるのに対し,英国は2907両と3倍も保有している.(15)
結局,日本の陸上兵力は,攻撃力はそこそこあるが,兵員の損耗を防止する努力をハナから怠っていることになる.「見せ金」たる自衛隊の面目躍如というところか.
次に海上装備である.
人目見て分かることは,日本が,空母や揚陸強襲艦〔原文ママ〕を潜水艦等の攻撃から守ることを主眼とする駆逐艦や,警戒監視ないし警察行動を担うフリゲート艦の隻数だけはやたら多いが,肝心の空母や揚陸強襲艦といった攻撃用の艦艇を全く持っていないことである.
しかも,「航空」の中の対潜ヘリコプターのところを見ると,対潜ヘリコプターの数も英国より少ない.
対潜ヘリコプターの大部分は艦艇(駆逐艦やフリゲート艦艇)に搭載されて運用されるが,対潜ヘリコプターの数が少ないということは,駆逐艦とフリゲート艦の隻数は多くても,その対潜水艦作戦能力ないし哨戒能力が英国よりも劣っているということを物語っている.
つまるところ,日本の海上兵力は,船の数だけは揃えているが,蜃気楼のようなもので,実態は殆ど何もないと言っても過言ではない.
最後に航空装備である.
日本の戦闘機の数は,英国の2.5分の1しかない.(16)
しかも,日本の戦闘機パイロットは,燃料費を節約するため(!),英国の3分の2の時間しか訓練していない.
まことにお粗末な限りである.
他方,英国の軍人が決まって嗤(わら)うのが,日本の保有する固定翼対潜機の80機(かつては100機だった!)という数の多さだ.
なんと英国の4倍近い.
この数は,米海軍の固定翼対潜機(空母搭載の小型固定翼対潜機を除く)244機の3分の1にもなり,堂々世界第2位である.(17)
固定翼対潜機は陸上の飛行場から運用するが,いかに日本が排他的経済水域を設定できる沿岸200海里水域が広い海洋大国だとは言っても,明らかに固定翼対潜機の持ち過ぎである.
攻撃ヘリコプターや対潜ヘリコプターの少なさについてはすでに触れた.
要するに,現代の軍事力の中心が航空兵力であることに思いをいたせば,日本の航空兵力は,(突出している固定翼対潜機は別として)あまりにも弱体であると言わざるをえまい.
以上は,あくまでも数だけの議論である.
輸出もできず,国内でも競争に晒されていない日本の装備品は,価格が高いだけでなく,米国等の装備をライセンス生産しているものはともかくとして,日本で独自開発した装備品の大部分の性能に疑問符がついていること――すなわち,仮に輸出が解禁され,それともあいまった価格を下げることができたとしても,他国に買ってもらえるものはほとんどないこと――も忘れてはなるまい.
〔略〕
統幕をいくら強化しても,所与の防衛力の運用が,より効率的・効果的に行われるだけのことであり,最初から陸・海・空防衛力の統合的部分,共同部分に手抜きがあればどうしようもない.
陸・海・空の共通部分(人事制度等)に欠陥があっても同様である.
内局は,これら統合的部分,共同部分および共通部分のあり方を所管しており,内局キャリアが仕事を全くと言っていいほどしていないため,統合的・共同的側面において,自衛隊では徹底的に手抜きが行われており,トータル・システムとしては,自衛隊の能力はゼロに等しいと思ったほうがよかろう
(このことを説明することは,防衛上の秘密のベールがあって容易ではないが,2節の「非常識がまかり通る防衛庁」中の「ITをめぐるドタバタ劇」から推察いただけるだろう).
太田述正著『防衛庁再生宣言』(日本評論社,2001/7/5),p.38-42
なお,同書によれば兵器機材の数字は「ミリタリー・バランス 2000/2001」からのものだとのこと.
【回答】
まず陸上自衛隊について.
>攻撃ヘリコプターは英国の3分の1しかない.
英陸軍の攻撃ヘリの数は,TOW搭載可能なものの兵員輸送用にも使われるリンクスや観測用のガゼルを全部ひっくるめた数字ですな.
それに対して陸自はコブラだけの数を比較している.
1999年発行の英雑誌Air Force Monthly別冊
"NATO Air Power"のUKの部分によれば,攻撃ヘリとしても使われるリンクスは124機に過ぎず,269機がどこから来ているのか不明です.
ガゼル162機を足せばその数に近づきますが,これは意味がありません.
なお2000年7月の同誌記事によると,記事執筆時点で英軍に引き渡されているアパッチはわずか9機.うち飛行隊配備はたったの4機です.
2001年の「英軍の攻撃ヘリ」にアパッチはせいぜい1個飛行隊10機ていどしか入れられません.
当時の英軍攻撃専用ヘリはたったこれだけです.
BMP in FAQ BBS
リンクスというのは本来汎用ヘリです.正確には武装ヘリというと思います.
攻撃ヘリ並にTOWを搭載してもスペック的に同じでも,実戦的な強さという意味では攻撃ヘリの方が圧倒的に上です.
そういう武装へりと攻撃ヘリを単純比較というのは??という感じがします.
この文章の中で日本の攻撃ヘリの数が少ないという記述がありますが,世界中でアメリカ,ロシアを除いた場合,AH1Sを90機装備してるのは決して少なくなく先進国レベルでは平均的な数だと思います.
ヒロ in FAQ BBS
この人によると,英国の攻撃ヘリ269機,とのこと.
手元の『戦闘機年間2005-2006 イカロス出版』をあたって内訳を見てみる.
アパッチAH1(AH64D) 67機(予定)
リンクスAH7 89機
ガゼルAH1 120機
計 276機
端数は違うが,だいたいこんなところを想定してるんでしょう.
ここでマズイのは,ガゼルAH1を戦闘ヘリとして計上してること.
英国陸軍に納入されたタイプのガゼルAH1は,ATM運用能力を持たず,武装はロケット弾と機関砲のみ.
そのため,現在は偵察・観測ヘリとして運用されており,通常は兵装を搭載していない.
すると,攻撃ヘリといえるのは,156機.(これは調達予定の67機を含んでの数字)
引き渡されたアパッチは,まだそれほど多くないので,戦闘ヘリの合計は100〜120機程度だろう.
では自衛隊の攻撃・観測ヘリを見てみる.
アパッチAH-64D 若干(60機調達予定)※
コブラAH-1S 86機程度
計 150機(調達予定を含む)
加えて (観測ヘリ)
OH-6D 145機
0H-1 25機(対空攻撃能力を有する)
戦闘ヘリは,調達予定を含め150機.アパッチは2002年に8機が予算化されているが,調達は進んでいない.
実質,戦闘ヘリは90機と見てよい.
これは英国と比べて,大幅に劣るとはいえない.
また,観測ヘリの数は英国よりもずっと多い(機数で比べれば40%多い)
次,陸上戦力.
戦車の保有数は,英国の二倍(陸自約1000 英国約550)は,まあ良いとして,英国の装甲車の保有数が,日本より多いのは当たり前.
イギリス軍の防衛計画は,フォークランドのような大きな一つの紛争に対処,あるいは,コソボなどの中規模な紛争二つを同時に対処することを目的としている.
簡単に言うと,外征型軍隊ということ.
したがって,仮に主力戦車の数を削ることになっても,より展開しやすく,紛争地域の治安維持に使いやすい装甲車をそろえるのは当然だろう.
加えて,90年代始めまで北アイルランド紛争を抱えていたので,装甲車の数が必要だったことも考えると良い.
しかし,陸上自衛隊は,基本的に本土決戦のための部隊であり,英国とは質が違う.
(最近は対テロにも乗り出してるけど)
ここでは,展開性や治安維持に使える装甲車よりも,より重武装・重防御で敵を正面から打ち破る力を持つ主力戦車の方が重要となる.
それで主力戦車に比重が置かれる.
これをして,陸自が劣っているというのは,間違いだろう.
(まず,外征型の英軍と本土決戦型の陸自と比べるのが,間違いのもとだろう)
(それから英の主用小銃は,欠陥銃ということも,付け加えておかねばなるまい)
次,海上自衛隊について
>肝心の空母や揚陸強襲艦といった攻撃用の艦艇を全く持っていないことである.
海上自衛隊のドクトリン上,空母も揚陸艦も必要ないのではないだろうか.
英国のように,大洋の向こう側に植民地を持っているわけでもなく,アメリカと共同して,紛争に介入するわけでもないのだから.
簡単に比べると以下の通り.
海上自衛隊
人員約4万4000名
イージス艦4隻,護衛艦8隻,汎用護衛艦約20隻,潜水艦16隻等(ディーゼル潜)
英海軍
人員4万600人
軽空母3隻,揚陸艦4隻,駆逐艦8隻,フリゲート18隻,潜水艦15隻等(ミサイル原潜4隻を含む)
まぁ,互角と言ったところ.
日本近海防衛を目的とする海自と,外征型である英海軍の特徴を表している,くらいのものだろう.
>しかも,「航空」の中の対潜ヘリコプターのところを見ると,
>対潜ヘリコプターの数も英国より少ない.
外征型の軍隊である英国海軍は,陸上機の支援が期待できない場合があるので,艦載の対潜ヘリを多く持つ.
しかし,近海作戦主眼の海自は,P-3Cのカバーがあるので問題ない.
というより,だから海自の対潜ヘリが少なく,逆にP-3Cが多いと考えるのが自然である.
極東の名無し三等兵 (協力:ハリアーに関して:井上@Koji.net,JSF)in mixi支隊
>イージス艦4隻,護衛艦8隻,汎用護衛艦約20隻,潜水艦16隻等(ディーゼル潜)
正確にはヘリ無しのDDG(こんごう・はたかぜ・たちかぜ)が8(あたごが就役すれば+1)ヘリ3搭載のDDH(はるな・しらね)が4,ヘリ1搭載のDD(なみ・あめ・きり・ゆき)が31(練習艦3隻除く)
で,対潜ヘリ枠はSH-60換算で都合43となる訳だ(あたごはどうせ乗せないから無視)
一方の王立海軍
ヘリ1搭載の42型が8,同じくヘリ1搭載の23型が14,ヘリ2搭載の22型が4,ヘリ6搭載のインヴィンシブル級が3,ヘリ12+6搭載のオーシャンが1.
以上,対潜ヘリ枠はリンクス換算で54とシーキング/マーリン換算で12となる.(23型はマーリン搭載可22型はマーリン搭載時定数半減42型は搭載不可インヴィンシブルとオーシャンは不明)
ただし,オーシャンを純然たる対潜戦力に加えるのはどうかと思うし,インヴィンシブルとて既述のように陸軍と空軍の運び屋と化してるので,これを除外した数も一応示してくとたったの30.
インヴィンシブルを加えても48と,対潜プラットフォームの数は実は大したことないんだよね.
ま,22型が多数現役だった頃はもっと多かったんだけど.
それと卵とバスケット論というのがあって,英軍は見ての通りインヴィンシブル一隻を沈められたらそれだけで対潜戦力がガタ落ちする(対潜だけじゃないが)リスクを抱えている.
この点,海自の場合はきり型以降の汎用DD20隻でヘリ格納庫のスペースを2機分確保しているので,仮にDDHが沈められたとしても,対潜プラットフォームを残ったDDだけで最低限確保することが出来る.(あたご型が就役すればマーリンクラスの大型ヘリプラットフォームも確保可能)
も一つ指摘しておくと,22型も23型も42型も新型の45型もUSMの類を全く装備していない,
海自は地方隊のDEはおろか,ヘリ空母然とした16DDHにまでアスロック標準装備なのにだ.
排水量に余裕がないのは分からんでもないが,ちょっとそれはどうかと思うぞと.
以上を勘案すれば,海自とロイヤルネイビーのASWに対する姿勢がどのようなものであるのかは自ずと見えてくる筈.
まぁそもそも,リンクス/シーキング/マーリンとシーホークを一緒くたに対潜ヘリなんて纏めちゃうのもどうかと思うが.(マーリン>シーキング≒シーホーク>リンクスの順でそれぞれ5トンぐらいの重量差がある)
英軍の対潜ヘリ現存数について,最新のものではありませんが,ミリタリーバランス2004-2005が手元にありますので書きます.
ちょっと数字の読み方がいまいちわかんないのでそのまま写します.
88 seaking(42 HAS-5/6, 33 HC-4,13 AEW[2Mk7,11Mk2])
36 Lynx Mk3
6 Lynx Mk7(inclin Marinesentry)
23 Lynx Mk8
38 EH-101 Merlin Mk1
8 Gazelle AH-1(inclin Marinesentry)
あと,空軍にもMerlinHC4が22機,seaking
HAR3が23機あります.
参考になればと思います.
上記の中から,とりあえず対潜型だけ抜き出すと
シーキングが42機
リンクスが36+23機
マーリンが38機
合計139機か?
連中のタイプ分けはいまいちハッキリしない.
もひとつの70機という数字で思い当たったのが,SH-60J陸上型の存在.
しかし陸上型な筈のシリアルナンバーを付けた機体が護衛艦のRAST上に鎮座してたり,明らかにRAST用拘束具が付いてたりと更に混乱.
陸上型=RAST未対応がガセなのか,シリアルナンバーが間違ってるのか.
シーキングのうちHC.4は輸送型だから,ASW戦力からは除外していいでしょう.
ガゼルも攻撃ヘリの代用品でASWヘリじゃないですね.
他にもいろいろ混ざっているので,純粋にASW戦力といえるのは,
・シーキングHAS.5
・リンクス(海軍型のみ)
・マーリンHM.1
だけでしょう.
最後に航空装備である.
>日本の戦闘機の数は,英国の2.5分の1しかない
とりあえず,作戦機を比べてみる.
英国航空兵力(海軍航空隊を含む)
トーネードF3 113機
ハリアーGR7/9 72機
トーネードGR4 145機
ジャギュア 60機
計 390機
(簡略化のため,2003年より引渡しが始まったタイフーンは無視します)
(まだ,大した数は揃ってないだろうし)
航空自衛隊
F-15J/DJ 203機
F-2A/B 94機
F-4EJ改 90機
計 387機
ここで,トーネードGR4とジャギュア,ハリアーGR7/9は攻撃機であり,制空戦闘機と言えるのは,トーネードF3 113機
と,まだほとんど数が揃っていないタイフーンのみである.
しかし,空自の機体387機は,すべて戦闘機として使用できる.
F-4EJ改は古いので除く――といっても電子機材などはF-16級にアップグレードされているので侮れないのだが――としても,約300機の戦闘機(F-2支援戦闘機を含む)がある.
攻撃面に関しては英国は充実しており,トーネードGR4 145機を中核とし,ハリアーGR7/9
72機,ジャギュア 60機がこれを補完する.
計277機である.
自衛隊は,F-2A/B 94機,F-4EJ改 90機,が攻撃機として用いられる.
計180機であり,やや少ない.したがって,対地攻撃能力は英国に比べ劣っている.
しかしながら,F-2A/BはASM4発の搭載が可能であり,F-4EJ改にも複数のASMが搭載できため,対艦攻撃能力は英国に比べ圧倒的に高い.
そして,空自の存在意義の一つは,敵の着上陸を阻止することであり,対艦攻撃である.
以上より,航空戦力に関しても,優劣つけがたく,それぞれ,国の環境に合致した戦力を整備している.
全体的に,ドクトリンの違いにより,編成や装備に違いが見られるが,自衛隊は英軍と比べ,大幅に勝っているわけではないが,劣っているとは言えない.
極東の名無し三等兵 (協力:ハリアーに関して:井上@Koji.net,JSF)in mixi支隊
1999年発行の英雑誌Air Force Monthly別冊"NATO
Air Power"のUKの部分から引用します.
戦闘機は
トーネードGR1/4が173機,
F.3が112機,
ジャガーが74機,
ハリアーGR.7/T.1が85機の計444機.
これの1/2.5ということは177機しか空自は戦闘機を持っていないと主張していることになります.
英海軍のシーハリアーFA2,35機を入れてもF-4EJやF-1,F-2を計算に入れず,F-15しか勘定に入れていないことになります.
BMP in FAQ BBS
というか,これは寧ろロイヤルネイビーのASW戦力が回転翼機に偏重してるのでは?と思い始めた.
そんでもってプラットフォームも大型のキャリアに偏重している,と.
CVSを守るため,あるいは広大なチョークポイント一個(GIUKギャップ)を押さえるためのASW戦力なら,これで正解だろうけど,こんじゃ海自の要求とは合致するわけ無かろう,と.
卵の入ったバスケットを二つに引き裂いて使うことは出来ない訳で,今後CVF二隻態勢に移行するロイヤルネイビーのASW戦力構成がどうなるかはある意味,見もの.
ジリジリと予算を削られて定数をジワジワと削る羽目になってる海自のASW戦力もまた見もの.
つーか,「しらね」と「はたかぜ」の代艦どーすんだ?,マジで,
あと地方隊に"保存"してる「はつゆき」も.
だって,固定翼ASW機は空軍の所属ですから.
まあ,統合的・共同的側面における欠陥の指摘に対しては,異論を差し挟む向きはないようだし,これはけっこう重要であることから,この点は考える必要があるのではないかと愚考します.
※ ちなみに
米AH-64Dはデータパス2
日AH-64Dはデータパス3
日本物はAH-64D改とも言うべき代物だそうな.
名無しさん by mailform
【質問】
「ITをめぐるドタバタ劇」とは,どんなこと?
【回答】
グループウェアを巡る統一する/しないで,「統一反対」派から珍妙な反論が出たという.
しかも,システム通が殆どおらず,統一の重要性が理解されなかったという.
以下引用.
私が官房審議官(IT(11)も担当していた)から仙台防衛施設局長に転じる直前の1999年7月,目にしたエッセイに,
「ワープロ,パソコン,電子メールは他人任せと決めている人がいる.
このようにコンピューター・リテラシー(コンピューターによる読み書きの能力)の低い人は本質的に能力主義と相容れないハンディを抱えていることを自覚すべきである.
『自分はそれくらいできなくても,もっと本質的な仕事ができるのだ』
と考えてタカをくくっている人がいる.
けれども,コンピュータを覚えるくらいの自己変革から逃げる人の人格には,本質的な消極性や怠惰が存在しており,現時点で有能な人であっても,やがて発想に独特の消極性や無理が生じてくる(12)」
というくだりがあり,思わず膝を叩いてそのとおりだと思った記憶がある.
これから紹介するのは,ITに関する私の前任の担当審議官,後任の担当審議官,後任の担当審議官,そして私がIT問題に本格的に取り組みだした1998年の秋以降の時点の事務次官,官房長(担当局長),担当課長が(他官庁キャリア出身の一人を除いて全員防衛庁キャリアだったが)揃いも揃ってコンピュータ「音痴」の人々ばかりだったことが,どんなに深刻な悲喜劇を生んだかの話である.
ITに関する1998年当時の防衛庁の最大の課題は,庁OAを持っていなかった(という悲惨な状況にあった)防衛庁中央組織の六本木から市ヶ谷への移転を2000年春に控え,市ヶ谷でいかなる庁OAを整備するかであった.
計画に従い市ヶ谷に移転することとなる内局,統幕,陸海空幕僚監部(以下,「陸海空幕」),施設庁,調達実施本部(当時),技術研究本部の各中央組織をネットワークで結び,パソコンの一人一台体制が整備されれば,この市ヶ谷における庁OAが,遅かれ早かれ,全国の部隊・機関に広がっていくはずであった.
当時(現在もそうだが),ハードはバラバラでも相互連接が可能であれば問題はなく,いかにソフトの統一ないし互換性の確保を図るかがポイントであった.
ところが,信じ難いことに,グループウェア(13)は,上記内局,統幕,陸幕,海幕等々において,それぞれ自由に選択できるとの方針が,前年1997年の秋にすでに決定されているという(私の前任者には,このような決定がなされようとし,実際なされたということが知らされていなかった.「音痴」であると,そのような扱いを受けてしまう).
私は,グローバル・スタンダードに近いAという外国製グループウェアによる統一へと方針を転換しようとした.
しかし,内局以外の全ての機関の積極的・消極的同意をとりつけたにもかかわらず,内局(事務次官―官房長―担当課長―担当室―担当プロジェクト・チーム)の反対を最後まで突き崩せず,後ろ髪を引かれるような思いで1999年8月,仙台に赴任した(その時点ではITに関する後任はまだ指定されていなかったので,引継ぎもできなかった).
この問題の背景を,もう少し説明しておこう.
1998年秋現在,ある幕僚監部と調達実施本部はそれぞれAの採用を予定しており,また(市ヶ谷に移転する機関ではなかったが)防衛大学校はすでにAを採用していた.
その幕僚監部は,兵站系のネットワークのグループウェアとしてAを採用していたので,蓄積されたAのもとでのノウハウやファイル系といった資源の有効活用の観点から,庁OAでのAの採用に拘っていた.
防衛大学校は,柔軟性・発展性に限界のあった国産のBというグループウェアからAに,苦労して転換したばかりだった.
他方,内局では1998年2月からすでに庁OAの「試行」を行っており,このBを採用していた.
内局が「試行」に当たってBを採用したのは,担当部局すら「音痴」ばかりで判断能力がなかったため,担当プロジェクト・チーム発足時に,先ほど触れたある幕僚監部からチーム員として派遣されてきたネットワークのプロの自衛官が,
「コストが安いだけでなく,ユーザーにとっても管理者にとっても扱い易いグループウェアである」
としてBを推薦したためである.
彼は,自分の派遣元の自衛隊の意向を受け,その自衛隊と内局とのネットワークを介した情報交換を困難にする意図をもって,あえてBを推薦したと思われるフシがあった.
施設庁は内局と同じシステム構成にすることとしていたし,統幕は内局のシステムに加入することとしていた.
グループウェアをAに統一するということは,内局にとってはBをAに切り替えることを意味した.
Bを提供できる会社は事実上そのメーカーたるb社しかなかったので,Bを採用する機関のシステムの管理は自動的にb社が担当することとなるのに対し,Aはどのコンピュータ・メーカ(通常,グループウェアも取り扱う)でも提供できたので,グループウェアの採択と管理会社の決定とを切り離すことができた.
私がITを担当していた時点で,内局の担当室には防衛庁キャリアが室長以下3名いた.
うち「音痴」でなかったのは1名のみ.
また,担当プロジェクト・チームのチーフは着任時「音痴」のノンキャリア.
チーム員の自衛官3名はさすがに着任前から「音痴」ではなかったが,ネットワークの知識は極めて貧弱だった.
チーム発足時のようなネットワークのプロは一人もいなかった.
むろん,彼らには何の咎もない.任免権者が悪いのである.
BをAに切り替えるべきではないとして,担当課の主張した主な反対理由は次の通りであった(この他,ここに再掲することが憚られるような恥ずかしい内容のものを含め,ありとあらゆる反対理由が並べ立てられた).
(1) コストが安いだけでなく,ユーザーにとっても管理者にとっても扱い易いグループウェアであることからBに決めたのであり,いまさらAに切り替えることは問題.
(2) いずれにせよAに切り替えるとなれば,当時の担当者の判断が適切でなかったという事になり,責任問題が生ずる.
(3) すでに内局でBの使用を始めてから時間が経過しており,これまでのBの使用・管理に関するノウハウの蓄積が無駄になるばかりでなく,Bのもとで蓄積した(メール,掲示板・会議室,ライブラリ,グループ・スケジューリング,ワークフロー等の)ファイル/データ系を切り替えることに(BとAに互換性がないことから)多大のコストと労力を要する.
(4) 近い将来,グループウェアそのものが必要でなくなる時代が来るとも言われており,グループウェアをどれにするかなどは重要な問題ではない.いわんやグループウェアの統一を図る必要などない.
(5) 異なったグループウェアのもとで,それぞれの機関が独自のファイル/でーた系を擁することで,各機関が情報面での独立性を維持できる.
各機関とも情報面での独立性を欲しているからこそ,グループウェアを統一しない方針に同意している.
各機関の希望に反する政策はとるべきではない.
反論はこうなる.
(1)はどうしてAが淳グローバル・スタンダードになったかを説明できない.
コストの高さやメンテナンスの困難さを上回る価値があったと言うことであろうし,何よりも淳グローバル・スタンダードであることが,応用ソフトの豊富さなど運用の柔軟性や発展性をもたらしてくれることを忘れている.
(2)は反論するまでもあるまい.
不適切な意思決定が行われていたのだとすれば,できるだけ早くこれを改めるべきであろう.
(3)は時間が経てば経つほど改めるのが困難になると言っているに等しい.だからこそ,早く改める必要があるという事になる.
(4)のような主張をすると,いったん決めたグループウェアを変えたくないと頑張ること自体がおかしいということになりそうである.
(5)は許し難い主張である.
私は何も各機関の間の情報の垣根を廃止せよと主張していたわけではない.機関ごとに庁OAシステムが独立し,その各システムの間が単に連接されているという基本構想は,所与のものとして受け入れていた.
他方,各機関において作成されるパソコン文書のデータ形式は,統一するか互換性を確保しておかないと,データのやり取りが困難になるので,アプリケーション・ソフトについては,ワープロ・ソフトはワードまたは一太郎,表計算ソフトはエクセルと決定されていた.
また,パソコンを動かす基本ソフトであるOSもWindows NT(当時)一種類に決定されていた.
アプリケーション・ソフトとOSの間に入って働くグループウェアについても,望むらくは統一,それがだめでもせめて互換性を確保しておかないと,特定の分野(メール,掲示板・会議室,ライブラリ,グループ・スケジューリング,ワークフロー等のうちの一つまたは複数)に関する陸海空自衛隊のファイル/データを急遽集める必要が生じたとき,陸海空それぞれのグループウェアの下で整序された(例えばメールの)ファイル/データ系を,いったん素ファイル/データ(この場合は個々のメール・ファイル)のレベルまで分解した上で陸海空分をドッキングし,整序しなおすか,あるいは非互換性を乗り越えるソフトを新たに開発して,異なったファイル/データ系を単一のファイル/データ系に変換する必要がある.
それでは時間とコストがかかり,緊急時に対応することが困難になってしまう.
平素から,突然新たな事態が生じたときに陸海空が連携して速やかに対応できる様目配りをしておくのが,防衛庁の中央組織中の中央組織たる内局のはずなのに,その役割を自ら放棄するようなことを主張するのでは,内局などないほうがましであるし,防衛庁は自ら解体して,陸・海・空自衛隊が別個に並存する体制にしたほうがすっきりするというものである.
〔略〕
しかし,どれだけ分かり易い説明をしても,内局のお歴々の「音痴」ぶりと事なかれ主義(あるいは不祥事に関する態度のにぶさ)はすさまじく,ついにご理解,ご賛同を得ることはできなかった.
少しは訳の分かっていそうな防衛庁キャリアの関係局長,課長クラスに賢明に説明して支援を頼んだが,彼らもまた事勿れ主義者ばかりで何もしてくれようとはしなかった.
陸海空各幕僚監部の上層部は,表向きは私の主張に賛意を示してくれたが,実務レベルでのホンネは必ずしもそうではないため,積極的には私を支援してはくれなかった.
統幕は予想通り右往左往するばかりで何の役にも立たなかった.
太田述正著『防衛庁再生宣言』(日本評論社,2001/7/5),p.21-28
【質問】
これってホントですか? 自衛隊ってそんなにつおいの?
64 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2005/06/26(日) 19:04:16 ID:9cwnlAEO
総括すれば、自衛隊にとって朝鮮半島での作戦は、国内戦のノウハウの延長で戦えるってこと。
北海道に「逆上陸」に近い状況で、ロシアの機械化師団と戦うことを想定していた自衛隊にとって、それほど 難事業ではない。民政を除けばね。
自衛隊には対空レーダー網を破壊するワイルド・ウィーズルもできなければ,ステルス機も持ってないので,対空火器のエサになっちまいます。
米軍の制空権をあてにしている韓国軍の防空能力はたいしたことはない。
軍事は何事も相対性により決まる。半島を空爆するのにストライク・パッケージは不要。
敵の基地や滑走路レーダーサイトなどを破壊する能力はほぼないです。
北朝鮮はともかく、韓国の対爆施設はたいしたことは無い。
今、空自が持っている航空爆弾で十分だと思うが?
それに、新型のJDAMも開発中だよ。白書参照。
少なさってレベルではありません。陸自は日本以外で戦うことを想定されていませんから、 補給能力がないです。
つまり,勝てないどころか戦うことすらできないってことです。
そもそも、半島自体が日本から近い。
冷戦期間中、そして今も九州の部隊を北海道に緊急展開する訓練をやっているが、北九州を起点にすれば、それよりもはるかに近いよ。
【回答】
例示されている方の物言いは、
「韓国軍の実力を以てすれば,日本なんか一ひねり」
などと言っては軍板住人の微笑を浴びている韓国人軍オタの裏返しでしかありません。
この手の人たちの主張というものは,国家や洋の東西を問わず似通ったものになる様ですね。
僭越ながら各個にツッコミを入れると
>自衛隊にとって朝鮮半島での作戦は、国内戦のノウハウの延長で戦えるってこと。
戦えません。そもそも韓国軍に対抗しうる戦力を揚陸し、更にその後の戦闘で消費する物資を補給し続けるだけの輸送力が海自にはありません。
>北海道に「逆上陸」に近い状況で、ロシアの機械化師団と戦うことを
>想定していた自衛隊にとって、それほど難事業ではない
そんな「想定」は存在してません。理由は上述。
>民政を除けばね。
これが最大の問題なんですが、この方は「瑣末な問題」と考えているか、あるいはその様に印象操作したいのかもしれませんね。
>米軍の制空権をあてにしている韓国軍の防空能力はたいしたことはない。
米軍の制空権に依存しているのは自衛隊も同じです。
>軍事は何事も相対性により決まる。
>半島を空爆するのにストライク・パッケージは不要。
「相対性」が何を指すのか不明ですし、なぜストライクパッケージが不要なのかも不明です。
>北朝鮮はともかく、韓国の対爆施設はたいしたことは無い。
>今、空自が持っている航空爆弾で十分だと思うが?
「たいしたことは無い」と断ずる根拠がありませんし、韓国より北の抗湛性が勝っているという主張には笑うしかありません。
>それに、新型のJDAMも開発中だよ。白書参照。
「開発中」の装備を以て「これで連中より優位に立った!」と勝ち誇るのは、韓国の軍オタに良く見られる行動パターンの筈なんですが…(苦笑).
その開発が終わる頃には,相手も何らかの装備の開発を終えている,と考えるのが普通です.
>北九州を起点にすれば、それよりもはるかに近いよ。
国内の機動演習と,敵前での着上陸戦を同列に語られても…
どうもこの人は、上陸戦を「浜辺にフネで乗りつける」だけだと思っている様ですね。
……とまあこんな感じです。
軍隊にはそれぞれ固有のドクトリンがあります。
そして、自衛隊がそもそも他国への侵攻を考慮せず、その様な装備も持たないのですから、この様な想定は妄想の域を出ません。
そして、ドクトリンとは「強い弱い」とは次元の違う問題なのです。
ちなみに,妹の知り合いに韓国海軍士官がいるんだが,そいつが流暢な日本語で言うには,
「日本に攻め込む? ははは.韓国海軍は弱いから絶対無理ですよ.
ところで今度アルクェイドのピンキーが出たそうですね.ぜひ送ってください」
ということだ.
【質問】
最近,日本の右傾化が進んでいるのが気がかりです.
そのうち,自衛隊が旧日本軍みたいに世界各地で残虐行為を行わないか不安です.
そうならないために,自衛隊はどんな工夫がされているのでしょうか?
また,自衛隊は軍になっても大丈夫なんでしょうか?
【回答】
あなたが何をもって「右傾化」と呼んでいるのかわかりませんが,
「政府の行動=政治家の判断」
というものは
「政治家を選出した選挙民=日本国民の判断」
である事に気付いてください.
闇雲に「不安だ,不安だ」と騒ぎまわるより,国際環境や政治の実際の機構,特に文民統制について勉強されたほうが建設的というものです.
自衛隊が軍になっても大丈夫なのかどうか,世界中で残虐行為をしないかどうか,それは国民一人一人の認識次第.つまり前段で述べた様に,あなたを含む日本人自身にかかっています.
軍隊とは,国家にとってある意味道具に過ぎません.
道具がどの様に扱われるかは,道具を持っている本人次第です.
そして,責任ある人間は自分にどんな道具が必要で,持っている道具をどの様に使うのかを理解しているものです.
「ボクの持っている道具が勝手に人殺しをしないか心配です.これって安全なんですか?」
と言う前に,もっと理解を深めましょう.
【質問】
日本の地下鉄って軍事利用を想定して作られているんですか?
たとえば,高速道路は戦車が通っても壊れないような頑丈な規格とか、高速道路を滑走路として使えるようにしてあると聞いたことがあるんですが。
【回答】
日本の地下鉄は軍事利用を想定して建設されてはいません。
文字通りアンダーグラウンドな匂いがするからでしょうか。東京の地下の話題にはその手の都市伝説が絶えません。
有事における有楽町線とか国会議事堂前駅核シェルター説とか。
しかし,それらは妄想または都市伝説です。
高速道路の強度に関しても同様です。
戦車が通っても多分壊れませんが、そんなことまで意識して作ってません。
まあ,有事に備えて強度を調査している可能性は否定できませんが。
また,日本においては,滑走路として使用できるようには高速道路はできていません。
戦闘機の場合でも着陸に1500m程度の直線が必要ですし、発着の管制もより複雑なものになってしまうでしょう。
仮に降りた所で,整備や補給が可能な施設が付随してないので無意味です。
そもそも、アスファルト舗装の路面では,高温のジェット・ブラストで路面が溶解してしまいます。
スウェーデンや台湾なんかだと,高速道路を滑走路として使用することも想定し,その目的での使用に耐えられるよう作られていますが,日本では,そんな面倒臭いことしないといけないほどには、空港は不足してはいません。
【質問】
仮に自衛隊の一部の兵が,平成維新と称して決起した場合,首都制圧は可能ですか?
【回答】
クーデターなどというものは,それを容認し,待ち望む社会情勢がなければ,只の道化です.
真昼間の往来に現れた幽霊など,恐怖どころか指差されて笑われるだけです.
また,暴力的手段がなにより嫌いなマスコミの皆様に「クーデター=悪」という世論を構築されるだけでしょう.
マスコミって,本社の機能がもし壊滅しても,大阪支社が本社機能を代替する能力があるところが多いし‥
社会背景を置くとしても,首都圏に配置されている自衛隊の部隊で建造物を占拠できるような部隊,というと陸上自衛隊第1師団の一部部隊か習志野の第1空挺団くらいしかなく,それ以外の部隊が反乱行為であれなんであれ東京都心に展開できるとは思えない.
例え第1師団であっても,今は東京都内に実戦部隊の駐屯地がない(ちょっと前までは市ヶ谷にあったが)ので,"決起"しても都心に入る前に阻止されるのではないかと思う.
まぁ,創作のネタとして「第1師団が”決起”と称して反乱を起こした」のであれば,第1空挺団と富士の教導団が鎮圧に投入されるのではないかと思う.
ただし,その場合も決起側には戦車などの重装備はないだろう.
第1師団の戦車部隊は富士山の近くの駒門というところにいるので,例え部隊の長が決起側についても,都心まで内密に戦車部隊を移動させる事はできないだろうから.
奇跡的な幸運によって首都に入ることができたならば,永田町とNHKは一個普通科連隊があれば占領するだけはできるだろうね.
占領する以上のことは出来ないだろうけど.
というか1個連隊でも,計画の秘密を守る事はできないだろうけど(笑
陸幕の情報室や保安隊だって,そこまでバカじゃないだろうし.
実施にクーデター起こそうとするなら,陸幕監部までグルになってないと不可能だろな.
それにしたって,防衛庁に”出向”している警察幹部の目を逃れられるとは思えないが.
981名前:一等自営業 ◆JYO8gZHKO.[sage]投稿日:2005/09/13(火)07:33:17ID:???
当たり前のお話じゃ,誰も見ないから,ここで思いきって逆説的に設定してみる(笑).
ある日,総理と防衛庁長官が統幕議長の前で土下座して,クーデターを起こすようお願いして,自衛隊はしぶしぶ表向きは軍事革命を起こし,在日米軍に撤収を促す.
そして在日米軍兵士を捕虜にして,身代金として米国国債を全部買い取ってもらう.
で,世界に冠たる大日本帝国になる.
毎日4〜5時間の睡眠でナチョナルハイだと,頭が良く回るわ(笑).
984名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2005/09/13(火)07:44:29ID:???
閣下が壊れた(笑)
【質問】
クーデター詐欺事件について教えてください.
【回答】
1983/3/5,詐欺師が現職自衛官を名乗って「クーデター計画」なるものを証言,東京新聞や楢崎代議士をペテンにかけた事件.
以下引用.
■幻の自衛隊クーデター計画(東京新聞 昭和58年3/5)
http://www.geocities.jp/showahistory/history4/27a.html
現職自衛官を名乗る男が,自衛隊によるクーデター計画を証言したと,東京新聞は連日,大々的に報道を繰り返した。
これは2月に,国会で楢崎弥之助代議士が追及して大問題となったものを裏付けるという趣旨の報道であったが,4月,当の現職自衛官が実は板金の仕事を本業とする詐欺師であった事を「週刊新潮」が報道,
東京新聞は幹部以下,一斉に更迭され連日,謝罪紙面を組む羽目になり,楢崎代議士の政治生命まで危うくなった。
そんなにリアリティある,よく練られた仮想戦記顔負けの「計画」だったのか,それとも,「自衛隊を叩ければ何でもよかった.今は反省している」レベルの話なのか,その「計画」の詳細を知りたいところ.
【質問】
(日本語の)軍事用語では「特殊」と「特別」は意味が微妙に違うのでしょうか?
「特殊」では陸自特殊作戦群,警察特殊急襲部隊.
「特別」では海自特別警備隊. あと旧軍では特別陸戦隊とか特別攻撃隊とか.
これが特別作戦群とか特殊警備隊とか名乗っていたら,また意味が少し変わってくるものなのでしょうか?
それと,いわゆる特殊部隊のことは「特殊」部隊と言い,「特別」部隊とは言わないと思います.
まあどちらも,英語に訳せば同じ単語になってしまいますが,日本語では何か違いがあるのかな?と思いました.
【回答】
昭和初期の内務省の規定では,特別は特殊の上位概念として語句を用いていた.
つまりもともと行政語句,役所言葉だ.
国語審議会の遙か前身の国字院だかっつうのが,そういう言葉を開発する専門の部署だった(後にその辺は全部興亜院に統合).
本当はフランスのように,今もそのような機関が無いと困るのだが.
【質問】
「反戦自衛官」って何?
【回答】
ヴェトナム戦争の頃にいた,各地の『反戦』集会に参加し,ビラを配り,一躍マスコミの寵児になり,記者会見等で反自衛隊発言を繰り返した自衛官.
メンバーは(表面的には)5〜7名だったと記憶している.
不屈の旗を大日本印刷のあたりと佐内坂のあたりで配ったりしていた.
あのうちの何名かは某連隊に勤務していた連中で,転属拒否とかいろいろしていたね.
ベ平連の,ベトナム脱走米兵の支援活動にも関係していたような・・・
まあ,志願制なのに・・不思議な奴等だと思っていた.
どうやら,思想的に凝り固まって極左セクトと結びついて,「内部改革を目指す」ことを目的に自衛隊に入隊してきた,というのがその正体である模様.
やがて,1970年安保闘争を前にして,自衛隊が治安出動態勢を取ったとき,反戦自衛官の一人,航空自衛隊佐渡レーダー基地所属の小西誠三曹が基地内に「治安出動訓練拒否」などのビラ百数十枚を貼りだし,1969/10/18,治安出動訓練を拒否.
11/1,政治的活動を禁じた自衛隊法に違反しているとして,自衛隊警務隊よって逮捕.
11/22,新潟地裁にて起訴されたが,自衛隊は憲法違反だと裁判で主張.
1975/3 検察官の証明不充分という理由で無罪に.
その後,小西は「社会批評社」という出版社を開いて執筆活動したり,中核派と仲たがいしたりしていますとさ.
通行人(青文字部分)他 in 軍事板
修正部分:黄文字
【関連リンク】
「反戦自衛官」(元反戦自衛官・小西誠のサイト)
【質問】
福島瑞穂って本当に,空母から重爆撃機が飛びだってるって言ったんですか?
【回答】
正確には「空母」ではない.
平成13年11月15日参議院予算委員会での発言.
国会会議録検索システムで検索可能なので調べてみるといい.
会議名は参議院の予算委員会,検索語は「艦船」でヒットします.
以下,平成13年,参議院予算委員会議事録より引用.
――――――
○福島瑞穂君 よくわからないんですね.
そこでB52が,実際に艦船から飛び立ち,攻撃をするわけです.直接に攻撃をするわけです.
ですから,そこは相手方から見て十分攻撃される場所ですから,アメリカは戦闘地域と考えているわけです.
日本がいつまでも,日本は戦闘地域と考えないと日本だけが言って,だから自衛隊は行けるのだとすることは極めて問題だと思います.
――――――
軍事板
青文字:加筆部分
【質問】
日曜日の「たかじんのそこまで言って委員会」に太田述正氏が出演し,
「冷戦時代の対ソ連脅威論は幻だった」
と言って,志方氏が絶句する場面がありました.
(当時の防衛白書は,対ソ連の脅威がメインだったため)
志方氏に対して,太田氏は当時の防衛白書を作る側で
「当時からソ連の脅威は嘘だった」
「行間を読めばわかったはず」
と言っていましたが,これはどれくらい信憑性あるんでしょうか?
これは「吹かし」の可能性が高いということなんでしょうか?
ソ連が日本への大規模な上陸は無理であっただろうという説は見たことあるのですが・・・.
ますたーあじあ
【回答】
後知恵で「幻だった」というなら正解でしょう.
ただ,当時はソ連海軍の中でも太平洋艦隊は最強でしたし,ソ連軍自体も過大評価される傾向がありましたので(日本に限らず,アメリカでも)
当方はその番組を見ておりませんし,また,どのような分析を経て太田氏がそのような結論にたどり着いたかが問題の焦点ではないかと存じます.
もし,情報を複眼的に総合・分析し,ソ連軍の実力を極めて正確に掴んだ上での結論であるとするならば,それは太田氏の大金星だったと言うことになります.
ただ,太田氏の経歴(主として施設畑)から考えるに,本職の自衛隊の情報分析セクションを凌駕するような,そうしたことがあった可能性は低いと思われますし,先のJSF氏との論争や,先日upした「レッド計画」についての記述を見ましても,結論が先にありきで,そのための我田引水な「分析」をする傾向が強い人物であることから推測しますに,単なる「たまたま当たった」以上のものではないだろうと愚考いたします.
消印所沢
まだ二回目は見てないのですが,太田先生,ちょっと飛ばし気味な感じがします.
本人は「防衛白書の行間を読めばわかったはず」と言いたかったのではなく,「春秋の筆法で」と言いたかったんだそうです.
http://blog.ohtan.net/archives/2007-11.html#20071105
バグってハニー
その白書も読まずに,他所の国の機関が編纂した本から自衛隊のデータを丸引きしてたくせに,何を言う>太の田
悪い冗談にしか聞こえんぞ.
メッサー=ハルゼー
…ていうかさぁ,ベレンコ中尉亡命事件であんだけ蜂の巣突いたような状況になってさぁ,確かに画像を投稿したときにCap.higeさんのおっしゃったように,アメリカの技術将校さんだとかが酒盛りしてて,現場ではすぐ帰れると空気も流れていたとの話もあるけどさぁ,いろいろあったけど,函館在住の人間だったら旧ソ連の特殊部隊が機体を奪還しにくるとか,(ギャラクシーで百里基地に)輸送する際に撃墜しにくるとか噂が流れてビビっていたはずだよ…
まだ私は生まれて間もなくだったので,あくまで伝聞ではありますが.
あくまで参考程度に,ウィキペディアより.
ぎんなんそう
たまに古本屋で,私の幼少期(80年後半〜90年前半)刊行のソ連脅威本って結構あるなぁ.
志方先生は北部方面時代,夜中に電話が鳴ると
「ソ連軍が上陸したか!」
といつも思ってたそうだ.
島の人
つか,同時代を生きてきた中年軍ヲタにとっては,論ずるまでも無い事.
→ソ連の脅威
海自は80年代半ばまで対潜専門部隊で,対水上艦戦闘能力は,実質「無」に近い物であったし,対空戦闘能力も「無いよりはマシ」程度.
空自は実質「対爆撃機要撃部隊」に近い物が有り,戦術戦闘機による低高度侵入には打つ手が無い事は,Mig-25亡命事件で証明された通りだし,対艦,対地戦闘能力は,80年代初頭までF-86Fを使っていたくらいの寒さ.
陸自はもっと悲惨で,主力は500両程度しか無い,61式MBTと言うMBTとは名ばかりの実質駆逐戦車で,74式はようやく戦力化しつつあったと言う現状だったんですがね.
歩兵の装甲化は,今も昔も手付かずだし…
全く「アメリカの増援頼み」だった訳ですが,80年代初頭の国土防衛は.
実際,米ソが激突まで行かないにしても,緊張が高まった段階で,
「オホーツク海を原潜の聖域にする為の北海道への限定上陸→占領」
の危険性は常に言われていましたよ.
90年代半ばに明らかになりましたが,実際,役所に入り込んだ工作員の尽力で,当時のソ連は北海道の全住民の最新の住民票を入手していたくらいですから.
(北海道や沖縄のマスコミが左掛かっているのは,その当時の下準備のお陰と言う説も有ります)
新所沢の三等兵◆Uk
「ソ連脅威論は嘘」
というのは
「ソ連は日本にとって脅威ではなかった」
という意味ではなくて,日本の防衛力整備計画がソ連という脅威から日本を守るためだ,という説明が嘘だったという意味だと思いますが.
むしろ,自衛隊(特に海上自衛隊)は米軍のグローバルな戦略に組み込まれており,「自衛」というよりも積極的な攻撃的役割が期待されていた,俺はそれに気付いていたがそんなことを防衛白書に書くわけにもいかなかった,それでも行間を読んでもらえば分かるようにはしといた,というような意味だと思います.
太田コラム#2161から引用
―――
<たかじん視聴者>
ソ連の脅威論が嘘だということについてブログで解説をお願いできませんか?
<太田>
ソ連脅威論が嘘だと知っていて白書で脅威論をぶったのかと「たかじん・・」で常連出場者達から突っ込まれた時,
「行間を読んでもらえば(ソ連脅威論が嘘であることが)分かるようにした」
という趣旨の発言をしましたが,これは「春秋の筆法で」と言おうとして,むつかしい言い回しをし過ぎるという批判が起きるかもしれないと思い直し,
「行間を読んでもらえば」
と発言したものです.
結構私も色々考えながら出演していたのですよ.
さて,ご要望についてですが,コラム#30と58をお読み下さい.
それだけでは身も蓋もないので,ちょっとサービスしましょう.(国家機密をバラしたと逮捕されない方に賭けましょう.)
私がかつて防衛庁防衛局防衛課(当時)で防衛政策を担当していた1980年代初頭,初めての(日本がソ連の侵攻を受けた場合に発動される)日米共同作戦計画案が統幕から私の所に回付されてきた時のことです.
「自衛隊は,無制限対潜水艦戦を発動する」
というセンテンスを発見した私は,
「大変です」
と言って防衛課長室に飛び込んだことを今でもはっきり覚えています.
この一見何の変哲もないセンテンスの行間を読むことで,私は極東における対ソ戦での米国の大きなねらいの一つが,ソ連の戦略核搭載原子力潜水艦の撃破にあることに気付いたのです.
その後今度は,この共同作戦計画において,米軍が異常に大きな兵力を日本列島に展開することになっているのも気になり始めました.
その頃,海幕防衛課のスタッフ達と議論をしている中で,私は,米軍の大兵力の日本展開目的が,日本防衛というよりは対ソ侵攻を目的としているに違いないという心証を得,自分で様々な米国の公刊資料を読み,米国が,欧州や中東でソ連軍が侵攻してきた時に,極東というソ連にとって最も軍事的に脆弱な地域で反攻作戦を行う計画を持っていることを「発見」したのです.
ご参考になりましたか?
―――
テレビなんて,思ってることだいぶはしょらなきゃならんでしょう.
言葉尻だけを捕らえて批判するのではなくて,#30と#58を読まなきゃ仕方ないと思うのですが....
私が調べた限りでは,「水平エスカレーション戦略」という言葉は太田先生だけの発明ではないです.
プラウダなどの当時のソ連の新聞に,日本の対潜哨戒機整備計画を脅威と受け止めている論説があったことも確かです.
昔,私が言及したレシェク・ブシンスキー(Leszek
Buszynski)オーストラリア国立大学(当時)日本国際大学教授(現,名前からしてロシアの研究者?)の
International Linkages and Regional Interests
in Soviet Asia-Pacific Policy
(Pacific Affairs, Vol. 61, No. 2. (Summer,
1988), pp. 213-234.)
という論文には,以下の記述があります(pp.216-217).
[quote]
Japan's role is to assist the imposition of a blockade in time of conflict by closing the Tsushima, Tsugaru and Soya straits, to cooperate in anti-submarine warfare (ASW) and to intercept Soviet bombers.lO
The Reagan administration's efforts to induce Japan to shoulder some of the burdens of maintaining Northeast Asian security have borne fruit under Nakasone's government as a response to external factors, notably the per-ceived threat from the Soviet Union.11
(中略)
In December 1986 the Japanese cabinet formally endorsed the decision to increase defence spending from 0.997 percent to 1.004 percent of GNP, a 5 percent increase for the 1987 defence budget.13 Projected force deployments under the fifth defence plan included an ASW and air interdiction capability which would significantly enhance Japan's defence cooperation with the United States.14
(めんどくさいから意訳)
米ソ衝突の際の日本の役割は三海峡封鎖,ASW,ソビエト爆撃機の迎撃であった.
レーガン政権は日本に応分の負担を要求し,中曽根政権はソ連脅威論を利用してこの要求に応えた.
1987年には防衛予算がGNP比1%を突破し,第五次中期防に従いASW力が整備された.
[/quote]
これに対するソ連の反応.
イズベスチヤからの引用(1986年の解説記事).
[quote]
Computer maneuvers of combined American-Japanese forces, based on the scenario of a conflict in Europe, were seen as evidence of a desire to launch a preemptive strike against Soviet naval forces in the Far East. According to this commentary, such maneuv-ers indicated a significant transformation of Japan's role from a defensive posture to an obviously offensive one in line with the dictates of the maritime strategy.17
日米共同のシミュレーション演習は極東のソ連海軍に対する先制攻撃とソ連では受け止められた.これは,日本を防御的役割から攻撃的役割へと変貌させるものだと解説記事で批判された.
[/quote]
前のページ(p.215)には「水平エスカレーション戦略」という言葉が出てきます.
[quote]
The American answer to Soviet preponderance in Europe was to formulate a strategy for a response to any conflict in Europe in the Asia-Pacific region in which the United States could claim primacy. This strategy, known as "horizontal escalation," was to serve as a deterrent against any Soviet attempt to unleash war in Europe.
[/quote]
当たり前ですけど,ソ連に侵攻するのは米軍です.
自衛隊にはそんな能力はないですから.
ただ,海上自衛隊のASW力がそのお先棒を担ぐ(戦略原潜,ソ連の第二撃能力を叩く)ということですね.
太田コラム#30とブシンスキーの論文には80年代にソ連侵攻のための兵力(三沢のF-16など)を米軍が着々と整備していくさまが描写されています.
日本のP3C配備もその一環だと.
欧州正面で戦端が開かれた際には,極東では日米が協同してオホーツク海の戦略原潜とその基地に先制攻撃をかける.
こういう自衛隊の役割は,大方の日本人が想定していた,純粋に防御的な役割からずいぶんと逸脱しているのと違いますかねえ.
バグってハニー
> こういう自衛隊の役割は,大方の日本人が想定していた,
>純粋に防御的な役割からずいぶんと逸脱しているのと違いますかねえ.
当時,リアルタイムで「丸」やら「世界の艦船」や「航空情報」を読んでましたが,軍事マニアの間では想定されてましたよ.一般国民はともかくとして.
防衛庁は否定も肯定もしませんでしたが.
>極東では日米が協同してオホーツク海の戦略原潜とその基地に先制攻撃をかける.
上段で御自身が述べられている通り,あくまでも日本はディフェンスオンリーで,先制攻撃は掛けません.
やるとしたら米軍な訳で.
その際は日本は三海峡を閉鎖してASWを行うのですが,あくまで本土防衛として自国の領域内で行うと言うのが,当時の防衛庁の見解でした.
三海峡の内,津軽海峡と宗谷海峡に面している北海道防衛の保障占領を防ぐ意味での第七師団の機甲化と90式MBT,89式IFVの開発だったり,海上で迎え撃つ為,松島からでも宗谷海峡まで行動できるF-2の開発だったりする訳です.
両者とも,80年代前半に開発がスタートしていますね.
新所沢の三等兵◆Uk
解説どうもありがとうございます.
これはあくまでも抑止戦略なんで,本当に起きる必要は全然ないんで,日本が実際に先制攻撃できるかどうかで悩む必要はあまりないかなあと.
それよりもソビエトがどう知覚したのかが大事かなあと.
「日本は平和憲法だから,攻撃力がいくら高まっても心配する必要はない」
というふうには考えんでしょう.
そういった意味でブシンスキー教授が引用していた,イズベスチヤやプラウダの記事が興味深かったです.
どっちみち米軍がオホーツクの制空権を握るまでは,日本のP3Cには出番はなくて,それまでには日本の領土に対しても何らかの攻撃があるでしょうから,
「日本が先制攻撃する」
という言い方は語弊があったかもしれないです.
バグってハニー
ベレンコ中尉亡命事件時の模様



【質問】
函館空港に強制着陸したMig-25を百里基地に輸送する時,自衛隊は最大限の警戒態勢を敷いたはずだが,その辺に関するエピソードをご存知の方がいらしたら,書き込みお願いします.
【回答】
有名な話だが北部方面隊,東北・東部方面隊の部隊には「現場の判断」という名目で実弾が配られた.
陸自の高射特科は実弾装填状態で24時間体制を取り,空自も東日本の全高射隊に即応体制を取らせ,スクランブル待機する機数を増やした.
あとは,この本を買って自分で読んでください.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4059010723/503-5418367-5068713
【珍説】
日本は,東アジア世界から離脱して近代世界に参加することによって,その解体を積極的に進めたのである.
いわば日本は,東アジア世界が産み落とした鬼子であり,この鬼子は自己の母胎を食い破ることによって,東アジア世界を解体させながら,近代世界の一員となったのである.
西嶋定生著「古代東アジア世界と日本」(岩波現代文庫)
日本国際ボランティアセンター著『NGOの選択』(めこん,2005.11.6),p.161より孫引き
【事実】
……絶句.
ええと,近代日本の歴史を,そない単純に纏められるものなら,日本史の試験は誰でも満点を取れるでしょうね,としか…….
【質問】
日本で国防上,欠けているものは何か?
【回答】
松村劭によれば,
「国防の基本方針」に戦略も目標もなく,
「防衛戦争計画」がなく,
戦闘消耗に基く「戦力動員計画」もない
ことだという.
以下引用.
では,いったい何が不足していて,どこが問題なのか.
まず第1に,「国防の基本方針」の改正に事実上全く手がつけられていないこと.
今回の大綱も1957年に制定された「戦略も目標もない国防の基本方針」の枠を出ず,現状変化に対応する政策が羅列されただけだ.
第2に,「防衛戦争計画」がなく,戦闘消耗に基く「戦力動員計画」もない.
過去の防衛大綱は,不測事態を除いて実際に戦う事は「いっさい考えなかった」のだ.
例えば,作戦機のパイロット数は保有機数の3倍以上を,現役で確保しておくのが世界の常識だが,これまでの防衛大綱では1機につき1.5人未満,
現実の戦闘を全く想定しない,「日本が戦うことはない.なぜなら憲法によれば,すべての諸外国は友好国であり,日本に侵略する可能世はないのですから」という特殊な常識に基いていた.
〔略〕
実は,今回の防衛大綱改定は,米国の北朝鮮作戦計画から大きな影響を受けている.
米軍は「米韓合同作戦計画5027」として,「1週間以内の北朝鮮の核戦力破壊」を明記している.
イージス艦4隻にSM3を搭載,陸上自衛隊にPAC3ミサイルを装備という戦略ミサイル迎撃(MD)システムの導入や自衛隊単独の対ゲリラ・テロ作戦は,これらに対応したものだ.
〔略〕
国防とは国益を前提に考えるものであるが,米国と日本の国益は,それぞれ当然別物である.
また,脅威に対しては,可能性と公算の2つを峻別して考えなければならないが,北朝鮮によるミサイル攻撃は,可能性はあるが公算は非常に低い※.
MD以前に,脅威対応型ではない国防戦略を根底から考え直す必要がある.
では,必要な戦略とは何か.
まず第一に「国防線」の明示である.
国土を戦場にしないために,どこの国でも国境線の外側に「国防線」を引き,そこと国境線の間の地帯を戦場と想定した戦略を考える.
これは世界の常識であり,国防線という概念をいまだ持たないのは日本くらいなものだ.
例えば中国の国防線は,日本列島から琉球諸島外側に引かれた第1列島線と,マリアナ諸島外側に引かれた第2列島線である.
領海侵犯をした中国原潜の航路と比較すれば明白だが,中国の国防線ははっきりと対米戦を想定したものだ.
むろん,「うちの国防線はここですよ」と対外的に発表するバカな国などないが,各国の国防線の存在は,暗黙の了解として互いに認識し合うものである.
では,日本の国防線はどこか.
同じく海洋国家である英国では,16世紀末にスペイン無敵艦隊を破ったドレイク提督が,
「英国の国防線は,英国の海岸でもなければ,海峡の真ん中でもない.それは大陸側の港の背中にある」
との発言をしている.
港の背中とは,港を陸上から攻撃するため,戦術的に最小限必要とする地域である.
日本の場合も同様だ.
第2に,広く応用性がある基本的な戦闘形式としての「戦闘ドクトリン」に基いて軍事力を整備する.
戦闘ドクトリンとは,わかり易く言えば「得意技」である.
「海洋国家」としての得意技を発揮するには,まず制海権の確保が第1義となる.基地と海・空軍力を強化し,周辺海域の制空・制海権の支配と対岸を封鎖した上で,遠征陸軍による「ヒット・エンド・ラン」作戦で対応する.
これが海洋国家の軍事戦略の基本である.
英国では,戦時陸軍の正式名称は「イギリス陸軍遠征軍」であるが,これは本土を戦場にするのではなく,遠征することが陸軍の前提であるからだ.
遠征部隊が沿岸で攻撃して退却する「ヒット・エンド・ラン」は,古代ギリシアでアテネがスパルタに使用した戦法だが,今日の米軍の「フロム・シー戦略」はまさにこのとおりである.
松村劭 in 「SAPIO」 2005/1/19-2/2合併号,p.37-38
◆◆◆自衛隊無用論
【質問】
自衛隊は廃止したほうがいいの?
【回答】
「自衛隊を完全に廃止」なんて言ってるのは、脳にウジ沸いてる人。
または,何にも知らないのに知ったかぶりして口を挟んでくる人.
そういう人って、良くテレビとかに出てますもんね。
今時、共産党や社民党だって組織そのものを廃止とは言ってない。
だいたい,廃止して、現在自衛隊が行っている領空&領海侵犯への措置や情報収集活動、大規模災害への対応、南極観測支援や流氷観測はどこがやるの?
千歳空港など一部空港では自衛官が民間機を含めた航空管制を行っているし、政府専用機の運航・整備・操縦全て自衛隊が行っている。
それらを考えたら、廃止なんて即「政治家として知識が足りない」とバカにされるだけ。
共産党は現在の自衛隊を縮小しようと言っているのであって、廃止とはいってない。
社民党は「防衛部門」「治安維持部門」「(人道目的に限った)海外派遣部門」の3つに組織を分割しようと言っているだけで、廃止とは言ってない。
但し、どちらの党も「自民党の自衛隊」の印象が強い自衛隊を快く思っていないのは確か。
自分達の政党の為に活動する兵隊サンが欲しいのが本音。
ついでに言っとくと,共産党はごく最近まで
「自衛隊はアメリカに追従する政府の軍隊だからなくてもいい。
外国が侵略してきたら、国民一人一人が武器を手に取って抵抗運動をすればいい。
民主主義国家に必要なのは『人民軍』であって『政府の軍隊』ではない」
と主張していた。
・・・今は,そんな主張をしていたことはキレイさっぱり「なかったこと」になっているが。
【質問】
今日、自衛隊の存在意義について友人と議論になったのですが、友人は自衛隊など必要なく、国連軍に頼ればいいと主張するのです…。
軍縮が世界の流れだとも…。
本当に自衛隊は必要ないのでしょうか?
国家にとって必ずしも武力は必要ないということでしょうか?
【回答】
国連軍は常に存在するわけではない.
何かあった時に初めて色んな国の軍隊の寄せ集めて編成するわけだから,編成から行動開始までに結構な時間がかかるわけだ.
それまでの数日(と予想される)日本はやられ放題、荒らされまくり.
全く無抵抗状態になるから、どれだけ被害が出るか予想もつかん.
それに国連は様々な国家の政治的駆け引きの場となっているので,それらの国の都合が優先され易い.
国連軍に頼るような国防では,日本の命運が,他国の都合でいいように振り回される状態になることも,十分予想される.
コスタリカなんかは常備軍はないけど、軍隊並みの装備をした警備隊やらコマンド部隊がわんさかいる.有事の際にすぐ軍隊が編成できるようにね.
結局「軍隊はなくても(日本の場合は自衛隊)なんとかなる」つーのは妄想.
どんなに軍縮が進んでも、外部からの侵略から国を守る最低限の抵抗力は残しとかなきゃならん.
今は平和でも、20年後40年後どうなるかはわかんないんだから.
【珍説】
日本が無くなろうが,自分が生き延びられればOKネ。
しかも今と代わらぬ生活水準があればサハリン州でも構わんよ。
【事実】
同じ生活水準、思想の自由、信仰の自由、民族不差別が可能であれば,確かにそうであろう。
現実にそれは可能か?いや、それは空論にすぎない。
どの国でも下のような事が行われている。
・自国の主要民族を優遇(教育面・就職面)
・主要文化をもって少数文化を排除
・主要宗教を優遇
・少数民族居住地域への投資/開発差別
貴殿には海外で長期生活される事をお勧めする。
何故、人は国家と民族を大切にするのか?
個人の自由とは何か? 自由は何によって守られているのか?
日本国という殻を外側から見れば理解できるはずである。
【珍説】
個人の自由を守るのに,国家意識、民族意識の強調はチョットと思う。
軍備で国家意識は守れるかもしれんが、必ずしも個人を守れるわけでない。
【事実】
それは貴殿が今まで日本国・日本民族・日本文化という殻で守られ、他国・他民族・他文化からの干渉を受けた経験が無かったからである。
貴殿が今の環境のまま日本国内にいる限り、殻で守られていることは意識できないだろうが、それに気づけない事は幸運といえば幸運であるし、無知といえば無知である。
個人の集団が同じ民族や同じ思想や同じ文化を基準に国家を形成しているのですよ。その個人一人一人にボディガードが付くわけにはいかないでしょ。
ある集団が自己を守るために自衛の組織を持つことは当然でしょ。
国民一人一人が応仁の乱の時代の「武装農民」のように武装したり,国民一人に対してボディガードを一人付けることの方がよっぽど金がかかり,マンパワーがロスするじゃない。
「個人を守る」ことの合理的選択として世界各国は「ある集団が自己を守るために自衛の組織を持つ」という方法を選択しているんですよ。
それから「軍備で国家意識は守れるかも」などと偏見に満ちたことを書いているけど、国民の生命財産を守る議論をしているときに,こういう混同は極めて迷惑です。
【質問】
自衛隊を廃止し,敵が攻めてきたら市民達よ,武器を取れというのは,防衛方法として一番優れていると思うのですが,外国でこの方法を取っている国がありますか?
【回答】
「防衛組織」以外の一般市民が武器を取って戦う事は国際法違反です.
ジュネーブ条約の保護を受けませんので,捕虜となってもその場で略式裁判した後に処刑されても文句を言えません.
ちなみに「防衛組織」というのは国家かそれに準ずる組織に所属したものを指します.
つまり,いい加減な団体が,勝手に防衛組織を作って抵抗運動をした場合,テロリストと見なされて皆殺しにされるでしょう.
実際,外国でそんな方法を取っている国など一つも在りません.
スイスは徴兵制を採用し,有事の際に50万人の兵力を揃えられます.
コスタリカは有事の際に徴兵制を復活できると憲法に書かれています.
平時は軍隊並みの火力を有する警察が治安を維持しています.
ちなみに平時でも隣国ニカラグアよりも強力な防衛力を有しています.
仮にそのような方法をとったとしますと,以下の可能性が多いに考えられます.
A国の空軍がB国に攻めてきました
→空軍は高い専門性が必要なので,生業の片手間に訓練を積めるようなものではありません.
A国はB国に爆弾落としたりミサイル撃ち込んだり空挺降下したり,やりたい放題です.
A国の海軍がB国に攻め込んできました
→海軍も高い専門性が必要なので,生業の片手間に訓練を積めるようなものではありません.
A国はB国に艦砲射撃したりミサイル撃ち込んだり陸戦部隊を揚陸したり,やりたい放題です.
A国の陸軍がB国に攻め込んできました
→これならなんとかなると思い,B国国民は銃を取り,ゲリラっぽく精一杯抗戦しました.
しかしB国は空も海もがら空きなので,A国は機甲部隊を上陸させまくりです.
戦車砲やロケット砲や榴弾砲で,まるでドミノのごとく,ゲリラは倒されまくります.
B国ゲリラが捕虜に取られた場合も,国際法で保護されないので,民族が消滅しそうな勢いで処刑されます.
……と,こうなるのがオチ.
あと,
・平時における領空・領海侵犯にはどう対処するの?
とか,
・B国は国防に真面目に取り組んでいないと見なされて外資が撤退,たぶん経済は滅茶苦茶になるだろう
とか,無数に問題があります.
◆◆◆戦略
【質問】
今後,日本が重視すべき戦略は?
【回答】
田中明彦は「欧米と友好関係を保ちつつ,新たな枠組み形成に力を注げ」と述べる.総花的だが.
二〇〇五年は、対北韓,対中,対露の懸案処理に加えて、新たな枠組み形成のための外交に大きな力を注ぐべきであろう。その一つは、国連安保理改革であって、この秋までに日本が常任理事国になるような改革が進むことを目指して、さまざまな外交活動を行うべきである。※
とりわけ重視すべきは、東アジアにおける地域協力の枠組みの進展である。小泉首相みずから「東アジア共同体」の形成に日本が役割を果たすといっている通り、この地域の大きな政治経済のフレームワーク作りが、二〇〇五年の大きな外交課題となろう。
シンガポールとの自由貿易協定(FTA)に続き、二〇〇四年にはフィリピンとのFTA交渉が合意に達し、現在、マレーシアやタイとの交渉が進んでいる。このような二国間FTAを次々に締結していくことにより、中期的には東アジア全域が、日本との間で自由貿易の地域となるようにしていく必要がある。〔略〕
東アジアにおける地域協力で日本がリーダーシップを執るとすれば、やはり、その最大の手段は、技術協力も含めた経済援助であろう。とくに地域内の経済格差を縮小するためカンボジア、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどへの経済協力を戦略的に実施していく必要があろう。
ミャンマーに対しては、民主化に向けた説得を試みることで、本格的な援助が再開できる道を探る必要があろう。
中国への経済援助は徐々に削減し、被援助国から「卒業」してもらい、援助する側として日中協力ができるような環境ができると良いと思う。
東アジアの協力に関しては、このような経済面での協力が重要であるが、枠組み作りという政治面の外交も重要になってくる。昨年十一月のビエンチャンのASEAN(東南アジア諸国連合)+3の首脳会議で、二〇〇五年には「東アジア・サミット」を開催することが合意された。
今後は、これまでのASEAN+3首脳会議と東アジア・サミットの関連を適切に定義していかなければならない。単に名前を変えるだけでないとすれば、日中韓という北の主要国に圧倒されてしまうのではないかというASEAN諸国の懸念に答えるために、どのような仕組みを作るかが検討されなければならない。
また、エネルギー、環境、その他多くの分野の協力を巡り、現在ASEAN+3の枠組みで五十近くの会議が存在するという。
これらの「機能的協力」は、今後もASEAN+3の枠組みでいくのか、それとも新たな事務局的なものを作っていくのか。これらのことが、今年は検討されなければならない。日本として、積極的な具体策を提示していくべきであろう。
さらに、このような東アジアの協力が、米国や欧州にとっても歓迎されるものとなるように努力することも、日本の役割である。東アジア共同体が成立するにしても、米国と友好的な共同体でなければならない。
そして、そのような形で東アジアの協力を進めていけるのは、米国の最も親密な同盟国である日本が、リーダーシップを執る場合に限られるであろう。
最近、米国の中で、東アジア協力のあり方に若干の懸念が表明されることがある。米国にとって、望ましくない東アジアができるのを防ぐためにも、日本がリーダーシップを執ることが重要だとの観点を米国に対しては強く指摘すべきであろう。
東アジアを超えた外交も、世界秩序の中での日本の影響力を維持するために必要である。
イラク戦争開始以来、ぎくしゃくしている米欧関係を再び緊密なものとして再建するため、G8(主要八カ国)やその他の枠組みで、日本は米欧双方に積極的に働きかけるべきである。
また、アジアといっても、インドとの関係は依然として疎遠である。二〇〇五年にはインドとの関係の緊密化を課題とすべきであろう。
中東でも、イラク情勢が好転する方向に向かえば、単に自衛隊のみにとどまらない幅広い経済協力を展開し、今後の日本と中東との友好関係の基礎を築く必要がある。
このような新しい枠組みの整備のための努力を進める一方、突発事態にも適切に対処できる危機管理能力が外交にとっては不可欠である。イラク情勢が不透明ななか、テロの脅威に注意を払って払いすぎることはない。
北朝鮮において、いかなる事態が突発するかは、予測しがたい。北朝鮮に対して「対話と圧力」という姿勢を断固として貫くためには、突発事態への備えが整っていなくてはならない。
昨年十二月に新しい「防衛計画の大綱」が閣議決定されたが、安全保障会議を中心とした安全保障のための意思決定の仕組みが効果的に発揮できるように準備しておく必要がある。
(田中明彦〔国際関係論MIT博士〕 from 日本経済新聞,p. 31,2005/01/07)
※常任理事国入りについては異論も多い.
また,こんな意見もあります.
まず現状を把握しましょう.
日本の仮想敵はどこか? これは明白に中国と北朝鮮でしょう?現在の日本外交は,「中国と北朝鮮をどうするか?という一点にかかっているのです.
次に決めなければならないのは優先順位です.これは,
1,アメリカ
2,ロシア
3,中国.
1,アメリカ
日本はアメリカの天領ですから,アメリカの外交戦略と一致して,事を進めるのです.
さて,アメリカ外交の目標は何か?世界の覇権国家でい続けること.そのために,次の覇権国家候補中国を封じ込め,民主化すること.
2,ロシア
アメリカが困っています.軍事力世界2位のロシアが,どんどん中国よりになっている.
そして,ロシアの政権にいるKGB軍団はアメリカが「大嫌い」なのです.
ここに日本の役割があります.日本は,ロシアを懐柔することで,中国とロシアを分断させなければなりません.
軍事力1位アメリカ・軍事力2位ロシア(石油大国でもある)・そして,軍事力世界5位の日本が一体化する.
中国は軍事費2位・軍事力3位.
考えてみましょう.軍事力1位アメリカ・5位日本 対 軍事力2位ロシア・3位中国.危なっかしいです.
しかし,軍事力1位アメリカ・2位ロシア・5位日本 対 軍事力3位中国.この構図では,日本の防衛は磐石であります.
そして,戦争前に,アメリカが中東→中国の石油の流れをカット.また,日本とアメリカがロシアの石油を買い取ることを約束し,中国への石油の流れをカットすれば,中国に完勝することができます.(だから東シベリア〜ナホトカのパイプラインが必要なんですよ〜!)
うまくいけば,戦争をせずに中国に親米親日民主政権を樹立させることができるかもしれません.(ラーメン革命)
ここで皆さんにいいニュースを二つ.
一つは,プーチンさんは,中ロ合同軍事演習などを行いつつも,,,絶対親日であるという事実.
もう一つ,アメリカ共和党は,,,「日ロ接近に反対ではない」という事実.(外務省のスーパーエリートから聞きました)
3,中国
そうはいっても,いたずらに日中関係を損なう意味はありません.日本は中国に対し多少のうらみはありますが,別に原爆を落とされたわけでもなく,領土を奪われたわけでもありません.
むしろ中国の方が日本に対するうらみは強いでしょう.
ですから,ケンカはアメリカと中国にさせておいたらいいのです.
日本は,アメリカが一番なのはあたりまえですが,ロシアとも中国とも仲良くしておけばいい.
考えてみると,EU・ロシア・インド等はそういう立場です.
「覇権国家アメリカと候補の中国を戦わせ,両国を疲弊させよう!」
すると,国際社会における彼らの地位が高まりますから.日本も同じようにギリギリまで平和外交をし,ケンカはアメリカと中国にさせる.(させるっていうか,勝手にしてもらう)
もちろんいざ開戦になったら,アメリカにつくしかなくなりますが...(なんといっても米軍は日本から発進するので)
〔略〕
日本政府は,今すぐ目標を立てましょう.そして,計画を立てましょう.
「何かを立派にやりとげたいと思ったら,あなたは確固とした目標を打ち立てればよいだけです」(マスターの教え ジョン・マクドナルド 飛鳥新社)
北野幸伯(ロシア専門家) 【ロシア政治経済ジャーナル】NO339
【珍説】
ネット右翼は,ありもしない幻の「中朝の脅威」をアジっている.
タリバン警護隊
【事実】
どこがありもしない脅威なのか?
北朝鮮は日本の隣国であり,しかも独裁国家で,とどめに核保有を宣言した国で,おまけに日本との正式な国交が無い.
これだけの条件が整って「脅威でない」というなら笑い話だよ.
実際の脅威として拉致された人もいるわけだし.どこがどう脅威でないか教えてくれ.
中国についてだが,毎年10パーセント以上の軍拡.隣国な上に領土問題まで抱えており,これまた一党独裁の核保有国家.
フィリピンなんて小さな岩礁を二つも中国にいきなり軍事占領されたし,南沙諸島でもきなくさい.
チベットや,中越戦争,中印紛争,とどめに台湾が独立したら攻撃するというほどの国家に対して,「幻の脅威」とは楽観的すぎる.
現実に武器満載の原子力潜水艦で領海侵犯したことは,「現実の脅威」以外のなにものでもありません.
しっかしタリバン警護隊さんって,名前を「中国共産党紅兵」に変えたほうがいいんでないの?
すくなくともフィリピンに岩礁を帰して中越戦争の敗北をちゃんと教科書に書いて,ある程度民主化して,大軍拡をやめなきゃ話にならんよ.脅威以外のなにものでもない.
ただ救いは,昔の脅威であったソビエトと違い,中国と日本は経済的な結びつきが強いし,イデオロギーで,牽制しあっているわけでもない.
まともな民主国家になって共産党が崩壊してくれれば,よい付き合いはできると思うよ.
中国の人々も中産階級が力をつけてきた.生活に余裕ができると政治的権利をもとめだすのは必然で,その時に共産党がどう動くかだね.
期待はしてるのよ.中国には.
【珍説】
つまり,「虚無」の瘴気がこの列島を包んでいるように感じる.
この瘴気の発生源をたずねていくと,生命そのものにこだわる戦後的な気分,態度,思想の固まりにぶつかる.
つまり,生き延びること以外に大切なことはないと構えたとたんに,生命は一切の価値を打ち砕く石臼に変じたのである.
それもそのはず,延命のためには卑劣も狡猾も,横柄も野蛮も,臆病も怯懦も,裏切りも背信も,卑屈も屈服も必要になることが多い.
自分がそのような人間に過ぎないと内心で思っているものが,どうして,明朗闊達に振舞えるであろうか
.
(西部邁)
【事実】
犯罪取り締まる警官や,災害による被害を極限する消防士,訓練レベルでも死と向かい合わせの自衛官や海上保安官,そして,一命を賭して大事なモノを救わんと行動した名も無き人たち.
戦後日本でも,西部の意見への反証など溢れている.
そういう人間たちを全く無視しようとする人間は,一握りの変人だけだ
日本社会でも言える.
ワールドワイドに暗躍するテロリストやテロ支援国との明確な対決を選択した政治家と,それを支持した国民ってのは,未来を守るために生命を危険に晒す覚悟をしたという事だ.
そういう日本を裏切ってテロリストにおべんちゃらを言う卑屈な背信者の臆病西部は,天に唾を吐く言動にさっさと気がつけ,ボケ.
そもそも生命が大切ではないなら,誰かを見殺しにしようが,裏切りの結果で他人がいくら無残に死のうが関係ないだろ.
つまり,テロリストの発想だ.
ついでに言うなら,戦時中のどの国とて,無謀とも呼べる勇気を振るって抗戦を継続した部隊ってのは,自らの命が犠牲になる事によって,祖国と同胞,そして戦友たちが少しでも生命を永らえる事を望み,自らの行為がそれにつながると信じたが故の選択と呼べる.
「我は死すとも生きん」
生命を大切に思っていないなら,そんな勇気を奮う必要がそもそも発生し得ないし,そういう一命を賭した人間を賞賛する社会的な反応もおきない.
西部の言動が明朗闊達とは程遠く感じてしまうのは,この手の倒錯故なんだろうか.
【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
岡本〔太郎〕はこう言っている.
「近代資本主義の集中化,そのインターナショナルな編成が高度に進むにつれて,種族防禦のモチーフは鈍ってくる.
そんなものを感じなくなった人間が,支配層を占めるのだ」
まさにそうではないか!
今の自民党の従米路線,自主防衛・放棄路線は,種族防禦を他国に委ねてしまった哀れな近代日本のカリカチュアそのものである.
小林よしのり in 『SAPIO』 2005/3/23号,p.66
【事実】
種族防禦を別に放棄しているようには見えませんが.
だからこその,たとえばMDであり,自衛隊なんですけどね.
また,事実は岡本の言葉に反し,グローバリゼーションはグローバリゼーション・ギャップを生み出し,かえって争いの種になる場合もあります.
ゆえに必ずしも,種族防禦のモチーフは鈍ってくるとは限りません.
この号の「ゴー宣」は,他にも多く岡本太郎を「論拠」として引用していますが,国家安全保障問題の専門家ではない人間が,その人自身の感想を述べているに過ぎない文章を,どれだけ引用してきたところで,それが確たる事実に昇格するわけではありません.
小林じいさんは,論を述べる前にまず,「論拠とは何か?」を学び直すことをお勧めします.
それとも,学んだことを片っ端から忘れちゃって,学習が済む前に老衰で死んじゃうかな?(冗談)
それから,核武装論者の小林は,岡本太郎が「明日の神話」という反核壁画を製作していることはご存じなんでしょうか?
反米のためなら誰彼構わず恣意的な情報選択を行う姿勢は,失笑を買うだけですよ.
岡本太郎的種族防禦

(うそ)
【珍説】
あくまでも、攻撃されてから、反撃するです。これが、諸外国の信頼を得る原点です。
【事実】
・・・恐ろしい。自国民を盾にする軍隊や政府がどこにある?
独裁国家じゃあるまいし。
攻撃により損害を受けても自分の所有物でなかったら問題がないと。
攻撃により死者が出ても自分が巻き込まれなければ問題ないと。
つまりはそういうことですかな?
【珍説】
安全保障の基本理念にしてきた「専守防衛」は間違っていない.
シーレーン防衛,在外邦人の安全確保,災害救助などは軍隊の仕事ではない.
また,敵基地攻撃能力は持つべきでない.
一切対外攻撃能力の無い国防軍を組織する〔べきである〕.
タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
攻撃力と防御力は一体だ.
要は使う側の意思の問題に過ぎない.
在外邦人の安全確保?
外国の軍隊相手に何が邦人を守るんだ?
外交は失敗している段階だから「在外邦人の危機」なのに,得体の知れない組織で守れと?
それに必要な装備を持った集団を一般には軍隊というんだがな.
自己矛盾もはなはだしい.
シーレーンもしかり.
外国海軍等の攻撃から民間船を守るだけの力を持つ船を,一般には「軍艦」というんだ.
武装民間船でも作るのか?
それは一般には海賊船というんだ.
>一切対外攻撃能力の無い国防軍を組織する.
については,保護すべきシーレーンと作戦海面域があまりにも広大なため,法で縛る事は出来ても,科学技術的に不可能ですね.
また,そもそも『攻撃力』とは何か,と言えばつまり『物理法則を用いて相手に危害を加える能力』のことですので,それこそ投石や刃物鈍器による危害も『攻撃力』になろうかと(ギリシャ時代かよ).
なので,対話の促進と経済交流の活発化によって,お互いの先制攻撃によって発生する様々なリスク(いやそもそも自衛隊は外征能力を持っていない訳ですが)を認識させた上で,互いに監視しながら段階的に軍縮を推進させる.のが良いかと思われ.
んまぁやろうとしても,『中国イラネ』『日本は核武装しろ!』とかいっちゃう一寸アレな人たちとか,反日本発言を水に流したい中国の中の一部意向を無視して『アジアに謝れ!』と叫び続けるマスコミとかが足引っ張ってる,という見方も有り居り侍り.
ぉ拓さんとほぼ同意見です.
自国民は基本的に自国の軍隊が守るという建前がなければ,国として成り立ちません.
特に,自由貿易体制の世の中で,その上自主防衛を目指そうと言うのであれば.
更に言うと,専守防衛は「本土決戦」を覚悟しなければならない,
これは国のあり方としては,ちょっと不健全ですね.(私は,アメリカを利用して,相手に対する核の傘による抑止力を達成している日本外交を,それなりに評価しているのですよ)
故に,もし「自主防衛」を目指すのなら,抑止効果の意味からでも,相手に対する打撃力が必要です.
それが原子力潜水艦になるのか,空母になるのか,弾道ミサイルになるのかという,枝葉な議論は置くとしても,自主防衛では,アメリカとも利害が対立したときは,軍事抑止力で相手の恫喝を跳ね返す意味でも,打撃力は必須だと思います.
私は,昨日からのタケルさんには,一定の評価をしています.
私も勉強中ですので,お互いに知識を深められればいいですね.
【質問】
>自国民は基本的に自国の軍隊が守るという建前がなければ,国として成り立ちません.
ここで領海外の「自国民」については,シーレーン防衛,在外邦人・企業の保護の2点に絞っても良かろうと思います.
これって本当に自衛権の範囲と考えることが可能なのでしょうか?
タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【回答】
では,「日本が守るべきもの」とは何でしょうか?
現在,世界は自由貿易体制であり,外で商売することは避けられませんし,
そもそも,日本というのはそれで発展してきた国です.
「商売はすれば? でも,外で何かあってもシラネ」
こういう考えで,誰がリスクを背負ってまで外に行きます?
それに,その考えは,却って世論の反発を招きますよ.
「指導者」は口が裂けても,そういうことは言えますまい.
ならば「建前」としてでも,在外邦人の保護は必須なるわけで.
そこで,抑止力である「軍事力」の行使オプションが出てくるわけです.
ここで言う軍事力は,あくまで「実力行使の可能性を避けるため」という意味合いです.
抑止力であるからには,「使われるかも知れない」と相手に思わせるのが一番.
もう一度繰り返します,
在外邦人を守るという建前がなければ,自由貿易体制ひいては日本という国が成り立たない,
自主防衛を考えるなら,必須というのはこういう意味です.
「領土・領空の防衛」はまた別問題ですね.
【珍説】
>在外邦人を守るという建前
これは良いのです.
外交の重要な任務の一つです.
しかしそれは
>自国の軍隊が守るという建前
であってはならんと思います.
在外邦人・企業は,自国の軍事力によらずに守るべきです.
タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
ちょっと,認識の違いがあるようですので,再考してください.
「戦争とは異なる手段で継続される外交」
であり,最悪の手段ではありますが,それでも「外交の一環」に過ぎません.
強制手段(軍事力)に寄らない外交は大事です,それに異論はありません,
ですが,同時に最悪の解決手段である軍事力のオプション無しでは,相手にその最悪の手段に出られたときに,対抗するオプションがありません(あるというのであれば具体的に)
ゆえに
>在外邦人・企業は,自国の軍事力によらずに守るべきです.
ではなく
「在外邦人・企業は,自国の軍事力で守るオプションを持つべきだが,最大限避けるべきです」
でしょう.
【質問】
以下にあるような,「中共が,日本政府の承認の下,米ウェスチングハウスから改良型加圧水型炉(APWR)技術を導入」するという話は本当なのか?
太田述正コラム#1588(2006.12.25)
<進展のなかった六カ国協議>
-----------------------------------------------------------------
(中略)
3 より大きなできごと
(中略)
中共が,米ウェスチングハウスから改良型加圧水型炉(APWR)技術を導入して,原発4基を建設するための覚書を米国政府と取り交わしたのです
(http://www.nikkeibp.co.jp/news/china06q4/521033/.12月24日アクセス).
しかし,ウェスチングハウスは日本の東芝の子会社であり,上記覚え書きの締結は,日本政府の承認の下に行われたはずです.
中共側は,上記できごとの実質的な相手方が日本であることに一切言及していませんが,上記覚え書きの締結は,9月の安倍新首相の中共訪問によって大いに改善された日中関係を戦略的レベルで固める,という中共当局の強い決意の表れであると私は見ています.
(以上,
http://www.ft.com/cms/s/2cd1aec4-9161-11db-b71a-0000779e2340.html,12月23日アクセス
を参考にした.)
【回答】
「米ウェスチングハウスから改良型加圧水型炉(APWR)」というのは非常に間違いやすいのですが,完全に間違いです.
記事には「中国が米ウェスチングハウスから改良型加圧水型炉(APWR)「AP1000」技術を導入」とありますが,正確には「中国が米ウェスチングハウスから改良型加圧水型炉「AP
1000」技術を導入」とすべきです.
(これは引用文献の側の間違い.)
改良型加圧水型炉というと,日本国内では三菱重工業開発のAPWR
のことを指しますが,今回中国が導入を決定したのは米ウェスチングハウス設計・開発のAP1000です.
AP1000については
http://sta-atm.jst.go.jp/atomica/dic_1904_01.html
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/07020111_1.html
を,APWRについては
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/02080204_1.html
を参照願います.
ぶっちゃけた話,APWRは旧来のWH設計,三菱重工が改良を続けてきたPWRの,主に経済性を向上させたもの(もちろん安全性も向上させていますが).
AP1000は主に安全性の向上に主眼がおかれたAP600の経済性を向上させたもの,との違いがあります.
また,原子炉に関わる主要機器周りでも,主に物量面で大きな違いがあります.
なお,AP1000の設計・開発にあたっては,当初クロスライセンス契約を結んでいた三菱重工業も参加していましたが,今般の東芝による米ウェスチングハウスの買収による契約解消等に伴い,三菱重工業はAP1000の設計・開発から手を引いています.
そのため,AP1000の主要技術はあくまでも米ウェスチングハウスにあるため,いくら米ウェスチングハウスが東芝の子会社にあると言っても,日本政府は行政指導等による東芝等に対する口先だけの介入しかできません.
よって,実態は
>上記覚え書きの締結は,日本政府の承認の下に行われたはずです.
というより
「日本政府の黙認,もしくは手の届かないところで行われた.」
と考えるのが妥当です.
事実,中国から日本にウランを輸入したりする際に適用される「日中原子力協定」がありますが,これに基づき手続きが行われたとか,日本から原子力関係機器を輸出するにあたって,同協定が改定されたとか,改定される動きがあるとは寡聞にして聞いていません.
(ただし,今後日本から中国に本格的に原子力関係機器が輸出される状態になれば,「日中原子力協定」他において,何らかの動きがあると思われます.)
以上より,今後の動きがどうなるか予断を許さないところではあり,中国側が今回の締結にあたって,日本側を意識したのは多かれ少なかれある,とも考えられますが,
>上記覚え書きの締結は,9月の安倍新首相の中共訪問によって
>大いに改善された日中関係を戦略的レベルで固める,という
>中共当局の強い決意の表れ
という結論に達するには,まだ時期尚早と考えます.
以上,ご参考まで.
へぼ担当 by mail
【質問】
日本が水資源問題でピンチになる可能性はあるか?
【回答】
以下の記事によれば,その可能性は決して低くないとしている.
日本は世界最大の「水」輸入国
〔略〕
日本は,世界でも稀有なほど四季折々に水に恵まれているから,水危機に関心を持つ人は少ない.
だが現実には,日本人は1人あたり1日320リットルの水を使用しており,先進国中で第4位の水使用国であるだけでなく,雨が多い割には真水の貯水量は世界で82番目であるという「真水希少国」である上,「仮想水」(バーチャルウォーター)という形での世界最大の水輸入国である事実が,多くの国民には理解されていない.
「仮想水」とは農畜産物などの生産に必要な水を指すのだが,
「日本は今,食料自給率はカロリーベースで40%.つまり小麦,大豆,牛肉など食料となる農畜産物の大半を輸入に頼っている.
これらの農畜産物を育てるために使われる水の量を考え,東大・沖大幹助教授が試算したところ,年間約640億立方メートルとなる.
日本人1人あたり,毎日,1460リットルずつ水を輸入して消費しているのと同じ結果となる」(「東京新聞」06.5.11)のだ.
〔略〕
水木遼 in 「財界展望」2006.8号,p.80
上記情報のクロス・チェックを行うには材料不足中.

◆◆◆不正規戦関連
【質問】
奄美沖の不審船事件で海保は実戦を経験したわけですが,これは自衛隊を差し置いて戦後初の事でしょうか?
【回答】
確かに実戦という言葉の意味合い次第ですが...
空自のアラートは常時「実戦」です.旧ソ連機に発砲もしてます.
双方に損害が出た撃ち合いでは,奄美の事件が初めてのようです.怪しげな噂ならいくつかありますが(陸自がヴェトナムに派遣されたとか,事故で墜落したことになっている空自機は旧ソ連機に撃墜されたとか)……
なお,海保の実戦参加ということでしたら,まだ自衛隊発足前,朝鮮戦争に海保の掃海艇が投入されており,韓国周辺の掃海に当たっています.この時は触雷による戦死者1名を出しています.
また,「李ライン」を巡る衝突でも海保は出動しています.
昭和27年(1952年),韓国大統領,李承晩は,韓国領海に接する広い範囲の水域の外側に,「平和線」と称する境界線,通称「李ライン」ないし「李承晩ライン」を一方的に設定し,境界内では外国の漁船の操業を認めないと宣言しました.
この境界内には,対馬海峡や玄界灘の一部が含まれていたため,日本の漁民や水産関係者は激しく反発し,宣言を無視して境界内での操業を続けましたが,韓国の武装した警備艇に次々に拿捕され,乗組員は身柄を拘束されました.
事態を重く見た日本政府は,「李ライン」内での操業を自粛するよう漁民に呼び掛けましたが,長年親しんだ漁場を簡単に捨てられるはずもなく,危険を承知で境界内で操業して拿捕される漁船が後を絶ちませんでした.
ここにいたって日本政府は,海上保安庁に対して,李ライン内に日本漁船が立ち入らないよう取り締まるとともに,境界外で日本漁船が拿捕されることのないように保護することを命じました.
ただし,韓国警備艇に対する発砲は,禁じられていました.
このときから数年間,第7管区海上保安本部に属する各巡視船の乗組員は,「同胞を守る」ために文字通り命がけで奮闘しました.
発砲を禁じられた巡視船が,韓国警備艇に追跡されている漁船を保護するためには,危険を承知で両者の間に割って入るしかなかったのです.
割り込まれた韓国警備艇の乗組員が,カービン銃で巡視船を射撃することもあったそうです.
そんなとき巡視船の乗組員は,甲板に伏せてひたすら耐えながら,必死の速度で逃げている漁船に巡視船が追いつくのを待ち続け,接舷した瞬間に舷側を乗り越えて漁船に飛び降り,抱き付いてくる漁船の乗組員を投げ上げるようにして巡視船に乗り移らせ,漁船のマストに庁旗を掲げて,船腹,乗組員ともに日本の当局が管理下に置いたことを示したといいます.
なお,李承晩ラインは,昭和40年(1965年)に撤廃されました.

【質問】
空や海の基地に,武装したゲリラや工作員が侵入してきた場合,自力で対処できるのですか?
【回答】
十中八九,自力での撃退は無理。警察に通報して助けてくれるのを待つ.
そもそも,侵入者を撃退する為の訓練を受けていない。
そのような事態を想定しているのかも疑問、少なくとも末端の隊員まで浸透していない。
弾薬は鍵付き金庫の中、法整備も済んでない。
これで撃退できたら奇跡だな。
警備強化中の久留米駐屯地に、気違いが軽自動車で営門突破しても、通勤途中の陸曹がひき殺されるくらいだからなぁ・・・
普通の軍隊なら,突破してきた車を蜂の巣にするよな?
これが、現実でふ。
ただし,久留米駐屯地の事件の後,2004年10月4日福岡・空自春日基地で,武装した侵入者(どの程度の武装かは不明)に対する公開訓練を行った、とのこと.
また,航空自衛隊は2004年8月に基地を警備する専従部隊として、「基地防衛教導隊」(仮称)を平成20年度までに新設する方針を固めている。
基地防衛教導隊は約200名規模の部隊で、一つの基地に隊司令部とともに配置され、平時には各基地の警備隊員を訓練し、教育する。また装備品や、近接戦闘の技術を研究する。
有事では襲撃を受ける可能性の有る基地に先に展開し、警備を強化したり、輸送機やヘリコプターなどで攻撃を受けている基地に急行し、敵に対処することを想定している。
(Strike And Tactical マガジン Vol.6)
しかし,法整備などの話は依然,聞こえてこない.
なお,自衛隊板によれば,
最近の情報は職務上の影響が出ますので、 テレビや新聞などマスコミで報道された以外は、 回答は難しいです。
詳しい事が知りたければ広報の方に問い合わせを。
一応参考までに。
「テロ発生」正門突破許さぬ 空自小松基地 不審車対策に特殊防護柵
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20041230002.htm
とのこと.
【質問】
もし自衛隊の敷地内に不審者が侵入し銃乱射した場合,まず警察に通報するんですか?
自衛隊が威嚇射撃で応戦したり拘束する権限はあるのですか?
【回答】
自衛隊が武器の使用を認められるのは
1 出動を命ぜられた場合(任務遂行に必要な範囲内に限る)
2 正当防衛,緊急避難(警察官食味執行法に準ずる)
3 武器,装備品等防護のため(射殺は不可.銃を向けて,「止まれ!」と命ずるのも「武器の使用」にあたる)
(軍事板)
「武器の使用」については,「平時」と「命令による出動時」に状況を分けたほうがわかりやすいと思います.
平時の場合は,自衛隊法95条の規定によって,施設や設備あるいは武器又は人を防護するために必要な場合は,その事態に応じて武器を使用することができます.基本的には威嚇でしか武器の使用は出来ませんが,正当防衛や緊急避難の場合は人に危害を与えることも許されます.
それで平時の場合でもかなり事態が逼迫している(たとえば,侵入者が銃を乱射して警備の隊員を死傷させながら,武器庫に向かっているとか)と判断されれば,相手に武器を向ける威嚇や威嚇射撃だけにとどまらず,危害射撃もありえます.
また,現行犯であれば自衛官に限らず誰でも犯人を逮捕できます.
その意味では乱射侵入犯を自衛隊が一時拘束することは可能でしょう(ただし警察に引き渡すまで).
なお平時には自衛隊に警察官職務執行法権限はありません.
治安出動時の場合,警職法7条の準用としての武器の使用と,暴動や武装工作員などに対しての武器の使用が認められています.
後者の場合は,正当防衛には縛られない合理的な判断での武器の使用が出来ますし,この場合は危害射撃も許されています.
それで治安出動時には,上記の武器使用権限内で乱射侵入犯に対処することになります.
この場合,相手の攻撃力が強い場合には,かなり早い段階でいきなり射殺と言うこともありえるかもしれません.
【お詫び】
上記記述内において,「警察官食味執行法」という味っ子テイストな記述がありましたが,「警察官職務執行法」の誤りでした.
謹んでお詫びいたします.
【質問】
自衛隊のインターネットに忍び込んで、実在しない軍用機をあたかも東京に向かってるように見せる事は可能ですか?
劇場版「パトレーバー2」では,自衛隊のインターネットが何者かに進入され,実際に飛行してないF15をレーダーに映し出してましたが.
その侵入した何者か、っていうのは自衛隊の中の人。
バッジシステムに侵入して存在しない未確認機を作りだし、その後,スクランブルに上がった機の存在をシステムから消し,撃墜されたかのように見せた、っつーのが劇中での流れです。
【回答】
漫画やアニメ等、娯楽用フィクションを現実だと思わないでください。
米国映画では高校生が、核戦争を誘発したりしてます(笑).
自衛隊の情報システムはクローズド(インターネットとは接続していない)であるので、基本的にはインターネットからのクラッキングは無理。
しかし、その情報システムに設計上のミスがあれば(普通無い)、クラッキングする事もできるやも知れない。
例えば、自衛隊内の情報システムが完全に外部と切り離されていず、ゲートウェイと物理的に繋がっている等。
だがそれよりも、隊内にクラッカーがいて破壊工作ってな事の方が現実的だろう。
「どのくらい現実的か?」
と問われれば、
「???」
ではあるが。
(剣恒光 ◆yl213OWCWU他)
【質問】
どっかの国が日本に侵攻したら自分も義勇兵になって戦う!って言う人が保守派には少なくないみたいですが,ただの人がいきなり義勇兵になったりゲリラに参加したりしても役に立つもんなんですか?
【回答】
現在の日本で自衛隊が想定するような戦争の場合は役に立たないといっていいのではないでしょうか.
それどころか味方からは邪魔者扱い,敵からは戦争犯罪人扱いしかしてもらえません.
そもそも,銃の構え方もしらない素人が,何かの役に立つ,という考え方からして現実をナメてると言えるでしょう.
それよりも,予備自衛官に登録して有事の際は後方任務に励むか,有事にむやみに騒ぐことなく冷静になって,家屋や物資の接収に素直に協力したり,自衛隊などの避難指示に粛々と従い,極力,自衛隊の邪魔にならないようにすることが最も有力な貢献かと思われます.
参考までに,スペイン内戦の時に集った義勇兵達は,兵役経験者も多かったにもかかわらず,内ゲバまで始める始末で,共和国軍の混乱を加速させた,という意見すらあります.
はっきり言って役に立つ可能性は低いと言わざるをません.
まして,高度な専門知識や能力を必要とする現代戦に於いては素人の義勇兵なんて邪魔以外の何者でもありません.
ハイテク兵器花盛りの現代の戦場でやることはたいして無いというのもありますし,「上の命令に忠実に従って遂行する」訓練を受けていないのは痛すぎます.
自爆テロ要員ぐらいには使えるかもしれませんが.それはもうゲリラ戦ですらありません.
【質問】
もし日本に他国が侵略してきて、一般市民が他国の銃を奪い,参戦した場合、どのような罪で処罰をされるのですか?
それとも自己防衛として許される?
【回答】
銃刀法とか過剰防衛とか,なんかいろいろな法令に引っかかりそうですが.
少なくともハーグ陸戦条約で保護されませんので,まぁ,覚悟してください.
敵の手先となった地元警察署にとっつかまって,街頭処刑されたりします.
捕まりそうになったら自決した方が楽かもしれません.

そして先月,出雲に取材に行った帰り,出雲から岡山まで「特急スーパーやくも号」で中国山地を縦断したのだが,3時間,殆どが山,また山!
こんなにも日本って山岳国家だったのか!と,感動してしまった.
「わし,将来,中国から侵略・占領されたら,わしに共鳴する者を集めて,武装組織を作ろうと思う」
「そして侵略者に協力する者達は,たとえ日本人であろうとテロで葬って,この山の中に隠れるんだ」
「絶対,見つかりそうにないですね」〔秘書〕
「そういう最終局面で,この国を守る戦士を育てるのがわしの役目だ.
わしについてくる奴がどれだけ育つかだね」
「みなも,ついて行く!」〔秘書〕
(小林よしのり from SAPIO 2004/1/21-2/4号,p.77)
【ツッコミ】
夢想に過ぎません.
ゲリラ戦をやるには外国や地域住民の支援,および安全な後背地が大切です.
しかし,日本という島国には「ゲリラの聖域」になりえる場所がありません.地理的または政治的に軍隊が入ることが難しいという地域は現在存在しませんし,占領後もそうなるでしょう.
仮にそんな地域が確保できたとしても,残る二つも難題です.
ナチス占領下のフランスでも,住民の9割はレジスタンスに加わっていません.
ましてや,日本人を勝手に裏切り者断定してテロで葬るような組織を応援したがる日本人は多くないでしょう.
さらに,小林は自主防衛を唱えておりますので,外国の支援も自ら断る(そうでなければ自己矛盾する)でしょう.
そうなればますますジリ貧です.
半年もてばいいほうではないでしょうか.
せめて冗談ぽい絵の中で描いていれば,まだギャグと解釈することもできますが,全然そうは見えません.
無責任な煽動はやめていただきたいものです.
ちなみに,日本の山中でゲリラ戦という発想には先達者がおります.
連合赤軍がそうです.
彼らの末路がリンチ事件およびあさま山荘事件に終わったことを見ても,小林ゲリラ隊がどんな末路を迎えることになるか,容易に予想がつくというものです.
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