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<第二次世界大戦FAQ


 【link】


 【質問】
 アメリカでは何故フランクリン・デラノ・ルーズベルトが人気あるんだ?

 【回答】
 戦争に勝った将軍なり為政者はどれも人気者だろがよ.
 なんかねぇ,外見がパパっぽいのと,第二次世界大戦という,アメリカにとっては「偉大な正義の戦争」を勝利に持っていったというののおかげで,不滅のパパみたいになってるんだよね.
 おかげで,ニューディール政策の失敗とかもなんか成功であったかのように考えられるようになったし.

 ついでに,戦争末期に死んだのも大きい.
 死んだら失政を犯さなくなるわけだし,英雄のまま死ねたことになるし.

 歴代大統領から比べると,そんな格別優秀なわけでもなかったと思う.

 ちなみに現在の評価はこんなところ.

------------
5 20世紀:ローズベルトは人間の屑だった

 フランクリン・ローズベルトが人間の屑に等しい下劣で無能な政治家であったことは,以前にも(コラム#597~599,及び1202で)申し上げたところですが,この見方は次第に米国で市民権を得つつあります.
「<ローズベルトについての本を書いたアトラー(JonathanAlter)いわく,ローズベルトは,>「大統領に就任するにあたって劇的な効果を高めるために意図的に<大恐慌下の米国>経済を更に落ち込ませたという印象を免れない」.
 これは手厳しすぎるように聞こえるかもしれないが,就任後何年にもわたって彼が大恐慌を終わらせることに完全に失敗し,むしろ彼のとった対策が状況を更に悪化させたことは事実だ.
 もし第二次世界大戦がなかったら,ローズベルトは取るに足らない大統領として記憶されることになっただろう.」(注3)
Washington Post.5月7日アクセス)
 (注3)ローズベルトは,しかし過ぎたる女房を持っていた.
 あのガルブレイスが,エレノア・ローズベルト(Eleanor Roosevelt)について,
「もし彼女がもっと後で生まれていて,しかも男性だったら,自分自身の力で大統領になっていただろう」
と評している(LA Times,5月1日アクセス).
------------太田述正コラム#1226(2006.5.10)

「週刊オブイェクト」●軍事評論家
の,太田述正に関するエントリを見ても分かるように,自己検証能力欠如という点において,太田個人の信頼性には問題があるようだが,これは元ソースが明確であり,その限りにおいては一定の信頼性があると思われる.

世界史板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ルーズベルトのソ連観はどんなものだったのですか?

 【回答】
 甘かったからチャーチルに馬鹿にされてた.

 ヤルタ会談前の三者の発言によれば,

------------
 ルーズベルト;
「世界の支配なんて簡単だ.
 極東は蒋介石にやれば,アメリカの援助で中国を支配していくだろう.
 太平洋? それは我がアメリカが頂く.
 アフリカはインド・ルートの関係からイギリスにいく.
 スターリンが欲しがっているのは,ソ連の安全保障だけだ.
 もし私が彼に何でも与えて,その代償を求めずにおけば,スターリンだって阿漕なことはしないはずだ」

 チャーチル;
「大掃除をするにはもう少しの時間がかかるが,ドイツはもはや負けだ.
 これからの問題はソ連だ.
 口を酸っぱくして説明をしても,アメリカ人にはこのことが分かってもらえないのだ」

 スターリン;
「イギリスの同盟国となったからといって,イギリスの本質やチャーチルがどんな奴かを忘れてしまってはならない.
 チャーチルというのは目を離したが最後,懐から1カペイカでも盗み取る男だ.
 では,ルーズベルトはどうか.ルーズベルトはそんな男ではない」
------------

軍事板,2006/04/26(水)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/26 (szerda)

青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész

▼ なぜ,そんなことになったのか?
 ポール・ジョンソンによれば,ソ連を「平和を愛する人民民主主義国であり,世界中の働く民衆の生活を改善しようと熱心に願っている」と信じるのは,当時の知識人にありがちな風潮だったという.

 例えば実業家ジョゼフ・E・デイヴィスは,FDRの選挙運動の功労人事で駐ソ大使となったが,彼は見当違いの助言ばかり送ってきた.
 ジョンソンに言わせれば,
>その報告は何ともめずらしい読み物となっている

 彼の目に映るスターリンは,慈悲深い民主主義者で,「憲法の自由主義化を強く主張」し,「無記名投票による普通選挙を計画していた」.
 当時でも,スターリンが自国民3000万人に死をもたらしたことはかなり知られていたというのに,デイヴィスはスターリンを,「実に賢明でやさしい……子供なら膝の上に乗りたくなるし,犬ならば擦り寄りたくなる」人物と評した.(170)

 ジョンソンによれば,FDRはデイヴィスの言うことには半信半疑だったが,「ニューヨーク・タイムズ」には信頼を置いていた.
 ところが,ハロルド・デニーとウォルター・デュランティのモスクワ発の記事は,人を誤らせること甚だしく,特にデュランティのものは奇怪なほどスターリン主義に彩られていたという.
 デュランティの決め言葉;「私はスターリンに賭ける」(171)
 ……誰かが賭け金を回収してくるべきだな.

(170)
 Paul Hollander: Political Pilgrims: Travels of Western Intellectuals to the Soviet Union, China and Cuba, 1928-78(Oxford 1981)

(171)
 Malcolm Muggeridge: Chronicles of Wasted Time (London 1960), 254-5;
 デュランティ自身がものしたものは The Kremlin and the People (New York 1941).

 詳しくはポール・ジョンソン著『アメリカ人の歴史』第3巻(共同通信社,2002.7),p.234-237を参照されたし.▲


 【質問】
 仮にですが,1942年のテヘラン会議直前にルーズベルトとトルーマンが事故死したら,大統領は誰になっていたのでしょうか?

▼ 【回答】
 以下のような継承順位があります.
http://www2s.biglobe.ne.jp/~univ/kyoyo/oboeyo/juni.htm

米大統領職務継承順位

1.副大統領(上院議長は副大統領が兼務)
2.下院議長
3.上院議長代行
4.国務長官
5.財務長官
6.国防長官
7.司法長官
8.内務長官
9.農務長官
10.商務長官
11.労働長官
12.厚生長官
13.住宅都市開発長官
14.運輸長官
15.エネルギー長官
16.教育長官
17.復員軍人長官

 ただし,そのリストのメンバーであっても,アメリカ生まれでないものは,憲法の規定により大統領になれないので飛ばされ,リストの次の順位の者が大統領に昇格します.

 また,このリストは,肩書きを見れば判ると思いますが,現在のものです.
 完璧を期すためには,1942年当時の規則を調べる必要があると思います.

 1941年に任命された下院議長は,Henry Agard Wallaceです.
 もし,その当時にRooseveltが死んだら,この人が昇格したでしょう.
 彼はソ連融和派ですから,戦後政策と原爆開発に関しては,かなりの影響が出た可能性があります.

眠い人 ◆gQikaJHtf2他

 1942年時点での規則について調べたところ(まぁwikipedia辿っただけですが),1942年時点では上記の規則は適用されていないということが判明しました.
 結論から先に言ってしまうと.FDRと副大統領(42年時点ではH.A.Wallace,45年以降H.S.Truman) が両名とも天に召された場合,大統領職は下院議長(S.Rayburnであろう)ではなく上院仮議長が継承します.
 1942年時点ではC.Glassになりますね.
http://en.wikipedia.org/wiki/Carter_Glass

 なお,この人物が就任すると,英語版wikipediaをざっとながめたところでは,アメリカの外交はともかく法律史に禍根が残りそうな…という気はします.

 大統領継承順位.
 以下,英語部分は
http://en.wikipedia.org/wiki/United_States_presidential_line_of_succession
より引用.訳は勝手につけました.

以下引用-------------------------------------------------------------
1 Vice President and President of the Senate Joe Biden
(1.副大統領・上院議長 Joe Biden)
2 Speaker of the House of Representatives Nancy Pelosi
(2.下院議長 Nancy Pelosi)
3 President pro tempore of the Senate Robert Byrd
(3.上院仮議長 Robert Byrd)
4 Secretary of State Hillary Rodham Clinton
(4.国務長官 Hillary Rodham Clinton)
5 Secretary of the Treasury Timothy Geithner
(5.財務長官 Timothy Geithner)
6 Secretary of Defense Robert Gates
(6.国防長官 Robert Gates)
7 Attorney General Eric Holder
(7.司法長官 Eric Holder)
8 Secretary of the Interior Ken Salazar
(8.内務長官 Ken Salazar)
9 Secretary of Agriculture Tom Vilsack
Secretary of Commerce Gary Locke - To Be Confirmed
(9.農務長官Tom Vilsack/商務長官 Gary Locke(未承認))
10 Secretary of Labor Hilda Solis
Secretary of Health and Human Services Vacant
(10.労働長官 Hilda Solis/保健福祉長官 空席)
11 Secretary of Housing and Urban Development Shaun Donovan
(11.住宅都市開発長官 Shaun Donovan)
12 Secretary of Transportation Ray LaHood
(12.運輸長官 Ray LaHood)
13 Secretary of Energy Steven Chu
(13.エネルギー長官 Steven Chu)
14 Secretary of Education Arne Duncan
(14.教育長官 Arne Duncan)
15 Secretary of Veterans Affairs Eric Shinseki
(15.復員軍人長官 Eric Shinseki)
16 Secretary of Homeland Security Janet Napolitano
(16.国土安全保障長官 Janet Napolitano)
引用終了-------------------------------------------------------------

 なお国土安全保障長官は,前任者の時に設立されたポストですね.

 アメリカの上院の議長まわりについてですが,
議長:副大統領(名目上の議長.たまにキャスティングボートを握るが,普段投票権はない)
仮議長:上院の大物(事実上の議長.名ばかり議長とも言う)
仮議長代行:平上院議員(実際の議長.こいつが議事を進行する)
というのが定訳だと思われ,仮議長は普通議長代行とは言わないと思われます.

 で,その根拠ですが
http://www.presidency.ucsb.edu/ws/index.php?pid=12201
にあります.
 これによると,上述の順列はそもそもTrumanによって制定されたもんらしいのです.
(その後G.W.Bushが国土安全保障長官を追加する修正を行っています)
 FDRが存命中は,この順列ではなかったものと思われます.
 Trumanが加えた修正というのは下院議長の取り扱いについてでして,修正以前は2.の下院議長は飛ばした順列だったっぽいのです.
 以下,部分的に訳しましたのでご覧ください.

以下,原文をhttp://www.presidency.ucsb.edu/ws/index.php?pid=12201に拠る抄訳
---------------------------------------------------------------------

合衆国議会宛
 今,私は議会が大統領継承順位について考え直すべき機会が訪れていると思います.
 というのも,ほとんど4年に亘り,おそらく副大統領というのが選出されないことが分かっているので,この問題はきわめて大きな重要性を有するようになったからです.
 1886年,大統領の地位の継承を管轄する現行法が定められました.
 その下では,選挙により選ばれた大統領ならびに副大統領がともに死去した場合には,次いで内閣のメンバーが地位を継承することになっています.
 どの内閣のメンバーも大統領により指名され,上院の助言と承認を得ています.
 実際,前大統領の悲しむべき死もありましたから.
 なので現在,私の後を継ぐ直近の継承権者を,もしも,私が死んでしまったり,あるいは職務を遂行できなくなったときのために指名する権力は私の元にあります.

 民主主義国家において,この権力を大統領に委ねておくのは好ましくないと私は考えます.
 可能な限り,ホワイトハウスは選挙によって選出された人物に率いられるべきです.
 現在の我々の行政府には,大統領と副大統領を除いて,わが国の国民が選出した人物はいません.
 下院議長というのは,まず彼の選挙区から選出されているのですが,それに加えてわが国の全下院議員の投票によって現在の地位に選出されています.
 それゆえ,私は下院議長は連邦政府において,大統領,そして副大統領に次ぐ,最も国民に信任されている人間であろうと考えます.
 1792年の法令の元で,上院仮議長は継承順位において副大統領に継ぐようになりました.
 上院仮議長は各州から上院議員として選ばれ,そして上院において仮議長として選出されています.

 しかしながら上院議員というのは,下院議員とは違って密接に選挙プロセスとつながっている,というわけではありません.
 下院は二年ごとに全面改選され,その時必ず大統領と副大統領も審判をうけます.
 通例,彼らは大統領と政治協定を結んでいます.
 一方で同じときに上院は三分の一ずつしか改選されません.
 そのため上院は大統領の反対党が多数派であることもよくあり,国民の大部分の同意が無い人物が大統領になることも考えられます.
抄訳終了-------------------------------------------------------------

 下院議長が民主主義的正統性の点で上位にきたのだと思われますが,こういうところどころ民主主義じゃなかったりするのも昔のアメリカ臭がして何だかなぁ…
 懐かしいような,そうでないような,という気分がしますね.
 なお,訳文の正確性はまるで保証しませんのであしからず.

C.Hinayama in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 キング提督が,他の米軍首脳陣をクソミソに貶していた台詞があったと記憶していたのですが,どのようなものだったのでしょうか?

 【回答】
 覚えている限りだと,

ニミッツは「部下の才能を買いかぶり,事を荒立てないことばかり考えている官僚主義者」
ハルゼーは「救いようの無い馬鹿」
タワーズは「部下を集めて閥を作る事しか能の無い奴」
リーヒは「物の本質を見極めようとせず,足して二で割る事のもみ消し屋」
マーシャルは「出来る男かも知れないが,愚鈍」
アーノルドは「マーシャルのイエスマン.自分が何を喋っているか判っていない」
マッカーサーは「海軍戦争の原理を全く理解していない愚か者」

 口は悪いが,彼らの本質を突いた発言である.



 【質問】
 上記のキングの人物解説の意味がイマイチ分かりません.
 教えてください.
 「ハルゼー=馬鹿」はなんとなく分かるんですが.

 【回答】
 いや,読んだ通りって言うか,書いてある通り.

 例えば,タワーズは米海軍のパイロットの親のような存在で,空母機動部隊の指揮はパイロット出身者が取るべきであるとの持論の持ち主.
 特に戦艦出身者のスプルーアンスを嫌い,彼を解任してその位置に自分が座るように,陰日向に運動を続けていました.
 タワーズの周囲にはパイロット資格持ちの人間が集まっていたため,キングはそれを嫌い,皮肉って「部下を集めて閥を作る事しか能の無い奴」 といったのでしょう.
 結局,タワーズは太平洋戦争中に実戦部隊の指揮を執ることなく,キングの退役1ヶ月前にスプルーアンスの後任として第5艦隊司令官,キングの退役後に,これまたスプルーアンスの後任として,太平洋艦隊司令長官になってます.

 ただ,キング自身が「ニトログリセリン」「ドライアイスの剣」と呼ばれた問題人物で,
「こいつの能力を褒める奴はいても人格を褒める奴はいない」
「喋らなければ有能.喋ってるだけなら無能」
と言われたほど,人望の全くない人でしたので,完全に「正しい評価」と言っていいのかは微妙なところ.

軍事板,2009/04/15(水)
青文字:加筆改修部分

 上記回答に補足します.

 何人かの「悪口」は,フィリピンへの上陸が決定するまでの過程に関わってますね.
 もともと,キングはあの時期にフィリピンではなく,台湾占領~日本のシーレーンの遮断と,大陸との接続を目指す作戦を採用したがっていました.
 ただまあ,マッカーサーや大統領と丁々発止の議論のうちに,フィリピン戦がきまるわけですが……

 もちろん,キングにしてみれば,「テメエの"王国"であるフィリピンへの復帰戦を言い立ててるだけだろ」なマッカーサーは,
「海軍戦争の原理を全く理解していない愚か者」
になって当然.

 で,前線視察の際に意見を求められ,スプルーアンスと共にマリアナの次はフィリピンがいいと言ったタワーズは,
「部下を集めて閥を作る事しか能の無い奴」

 さらに,大統領が出席して意見聴取を行ったハワイ会談で,適当に参加者の融和を図るだけだったリーヒ陸海軍参謀長会議議長は,
「物の本質を見極めようとせず,足して二で割る事のもみ消し屋」

 で,この間,あからさまにフィリピン作戦案に賛同を示してしまったハルゼーは,
「救いようの無い馬鹿」

 そして,台湾上陸作戦に理解を示していたものの,陸軍の協力がなければやばいと理解していて,最後は必ずしも台湾上陸に固執しないという態度を取り,なおかつハルゼーやタワーズたちの意見を,台湾上陸にまとめなかったニミッツに対しては,
「部下の才能を買いかぶり,事を荒立てないことばかり考えている官僚主義者」

 太平洋戦争はキングの「プライベートウォー」とも言われますが……
 要するにいくつかは,プライベートウォーで立ち行かなくなったそのときに,大爆発してしまった人物評というわけです.

 ただし,上に関しての文献などの明示的なソースはありません.

 自分の脳内の知識としてある,フィリピン戦の意思決定過程と,それぞれの人物との関連を結びつけると,ピッタリとキングの発言に合うな…という意見です(苦笑)

ソフトヒッター99 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年11月13日
青文字:加筆改修部分

 なお,上記の作戦決定に関しては,別項も参照されたし.


 【質問】
 米軍機のノーズアートにミッキーマウスを描いたものがありますが,ディズニーからクレームがつかなかったのですか?

 【回答】
 ディズニー自身がかなりの戦争協力者であったため,問題視するどころか「どしどし使ってくれ」状態でした.
 あまつさえ,部隊マークのデザインを無償で引き受けたりもしています.

 ディズニー自身は猛烈な反日主義者で,死後公開された日記には
「ミッキーやドナルドが汚らわしいジャップを叩きつぶす」
とかの記述がありした.
 更に強烈な反共主義者でもあり,戦後も,レッドパージの時に,FBIに社員のリスト売ったり,気に食わないヤツはみんな「アカ」ってことにして追放したりしています.

 戦後は,あまりに軍に肩入れした態度から「好戦的作家」とみなされ,問題になっています.

 余談ですが,戦時中B-29がばらまいた宣伝ビラには「のらくろ」が使われていました.
 そのため,原作者の田河水泡氏は戦後になってから,駐日大使あてに著作権料を請求しています.

軍事板

 余談ですが,戦争中の合衆国でもアニメーションによる戦争宣伝はかなり活発でした.
 そういうのを集めた資料もありますよ.

▼ だいたい,今でもベイリー軍曹が新聞に毎日連載されてるようなお国柄なんですから,推して知るべし.
 だいたい,今でも『ビートル・ベイリー』が新聞に毎日連載されてるようなお国柄なんですから,推して知るべし.▲

軍事板


 【質問】
 SF作家のロバート・ハインラインは,従軍経験あるの?

 【回答】
 ハインラインは海軍で訓練は受けたけど,結核検査に引っかかって戦場には行っていません.
(これが『宇宙の戦士』を書いた理由の一つだと言われています.
 最近のSF短編で,タイムマシンでハインラインにマイコマイシンを打ったら……てのがありましたっけ.
 で,現代に還ってみると,ハインライン大将肝煎りの火星探査やら月面基地やら太陽光反射衛星とかが実用化してる,と)

 なぜか架空戦記で良く士官として登場するんですが,実際には大戦中はアシモフと同じ職場にいました.
 そこでは彼は海戦ゲームやって,戦艦の議論していたようです.

 そして戦後,アメリカは1950年代より防弾チョッキやパワードスーツの研究を始めていました.
 ハインラインは除隊するまでは,その方面の軍の研究機関にいたようです.
 昔CBSでやってた記憶があります.


 このエクソ・スケルトンスーツ(強化外骨格服)は結局,動力源の問題と費用対効果でお蔵入りしましたが,ハインラインは,このパワード・スーツを登場させるSF小説を書きました.
 それが『宇宙の戦士』です.

 この小説に登場する蜘蛛型生命体は,女王蜘蛛に絶対の忠誠を誓い(社会構造,精神構造的に個の意思がない),支配蜘蛛(士官)の命令には逆らわず,トンネル戦が得意で犠牲を厭わない……といった,日本人を代表としたアジア・太平洋での戦闘を彷彿とさせるものです.
 また,主人公の母国語はタガログ語であり,ラモン=マグサイサイを尊敬していることから,フィリピン系ではないか,と考えられます.

 しかし,硫黄島戦や沖縄戦,そして朝鮮戦争時の全体主義的な敵(クモのような無個性の)との対決がこの本を書かせた原動力であり,特定の人種とか民族を念頭に置いたものではないでしょう.
 50年代アメリカが民主主義の守護者を標榜したように,ハインラインもその理想(個人の自由と権利)を信じていましたから.
 初期の名作『銀河市民』も,奴隷制国家に地球連邦が何をするべきか問い掛けていますしね.

 『宇宙の戦士』ではまた,ブエノスアイレスが奇襲で壊滅しますが,これも時代を反映しています.
 戦後はアレゼンチンが,戦争特需で一流国になると思われていたからです.
 米軍食料の牛肉の供給源も,アルゼンチンでした.
 主人公がブエノスアイレスの実業家の息子という設定になった
のも,そのせいでしょう.

 余談ながら,この小説は日本では30数年前,「ボーイズライフ」の翻訳連載小説としての登場が最初でした.
 翻訳は矢野徹さん,イラストは中西立太先生で,最初のタイトルは「宇宙の特攻兵」でした.

自営業(青文字)他 in 軍事板


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