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◆インドFAQ
<南アジアFAQ

Index
【質問】 インドにとっては,中国とパキスタンのどちらが脅威なのですか?
【質問】 アメリカにとって,インドは中国よりも良い戦略パートナーとなりうるか?
【質問】 インドにはイギリス以外の国の租借地等がありましたが,どう対応したのでしょうか?
【質問】 冷戦時,なぜインドは次第にソ連へ接近していったのか?
【質問】 なぜ1990年頃からインドは中国と接近するようになったのか?
【質問】 インド海軍に採用されるMiG-29K艦上戦闘機は,旧ソ連時代の末期にテストされていた「MiG-29K」と同じ機体なのか?
◆◆海軍
【質問】 「アドミラル・ゴルシコフ」がインドに売却されるまでの経緯は?
【質問】 アドミラル・ゴルシコフからヴィクラマーディティヤへの改装の中身は?
【質問】 ヴィクラマーディティヤへの改装工事の遅れの原因は?
【質問】 「アメリカがインドに対し,空母キティーホークの無償譲渡を持ち掛けた」というのは本当?
【質問】 ロシアからインドへの原潜貸与計画について教えられたし.
◆◆核兵器
【質問】 インドとパキスタンは,それぞれ核兵器をどれだけ持っているのですか?
【質問】 インドの核戦力は,抑止力として有効な状態にはなっているのか?
【質問】 「インドの核,軍民分離で米と合意」ということは,6番目の核保有国としてインドを認めるのでしょうか?
【質問】 そういった形で認めてしまうと,インドの真似をして核兵器を持つ国も出てくるのでは?
【質問】 インドに限った話のつもりだったのに,そうはならない可能性が高いのでは?
【質問】 アメリカがインドの核は認めて,イランや北朝鮮の核は認めないというのは矛盾ではないか?
【質問】 米国によるインドの核兵器容認に対し,パキスタンはどう考えているのか?
Bharat Rakshak(インド軍事全般,英語)
Defenceindia(英語)
Indian Navy(英語)
Samachar(インド主要新聞の見出し,英語)
『インドの安全保障』(木村一夫著,教育社新書,1978)
「ワレYouTube発見セリ」:Ex- Indradhanush(インド空軍)
「ワレYouTube発見セリ」:I.A.F. (Indian Air Force)
「ワレYouTube発見セリ」:Indian Air Force- IAF
「ワレYouTube発見セリ」:IAF SU-30MKI(インド空軍)
「ワレYouTube発見セリ」:India ABM Prithvi (プリトビ弾道弾迎撃ミサイル)
「ロシア・ソ連海軍」:"Google Earth"で真上から見たインド空母「ヴィクラマーディティヤ」
「ロシア・ソ連海軍」:空母ヴィクラマーディティヤ近影(2008年2月26日)
【質問】
インド軍ってどのくらいの規模の軍隊?
基本戦略みたいなのも教えてくれると助かります.
【回答】
たぶんここ
http://en.wikipedia.org/wiki/Indian_Armed_Forces
にいろいろ書いてあると思います.
主敵というか最近緩和しつつあるようなことが言われているが,なおも緊張した関係にあるのがパキスタン(インドと同様に核保有国).
そのほか中国とカシミールで戦ったり,かつてはスリランカに平和維持部隊を出したけど撤退したり,とか色々.
装備面では主力兵器はソヴィエト製が多いが,英国艦船の中古を買うことも多いです.
自力開発をも長年進めており,主力戦車アルジュンなどはかなり開発が難航している模様.
ウィキのほうがみやすいとは思うけど,参考までにどうぞ.
http://www.globalsecurity.org/military/world/india/intro.htm
Akash Missile

Arjun Tank

T-72にArjunの砲塔を載っけたもの

【質問】
インドにとっては,中国とパキスタンのどちらが脅威なのですか?
【回答】
インドにある防衛分析研究所のカピル・カク研究員は,同研究所の機関誌「ストラテジック・アナリシス」'98年6月号で,「インドにとって,長期的で主要な脅威は中国であり,中期的でよりレベルの低い脅威はパキスタンである」と述べている.
福好昌治著「くすぶる火薬庫『印パ情勢』危険度調査」 from 『丸』 '02 Sep.号
事実,『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,日本評論社,2005.10.10)を通読してみても,インドの戦略はまず中国を念頭に置いて策定されており,パキスタンは二の次にされている様子が伺える.
【質問】
アメリカにとって,インドは中国よりも良い戦略パートナーとなりうるか?
【回答】
Will India Be a Better Strategic Partner
Than China?
By Dan Blumenthal
Posted: Monday, April 9, 2007
PAPERS AND STUDIES
US Army War College Publication Date: April
9, 2007
によれば,印度との戦略パートナーシップを築くというブッシュ政権の政策は,中国のアジアにおける拡大へのカウンターであり,特に軍事的に見て中国の海上での軍事的影響力の拡大,中央アジアなどへの影響力の拡大に対する有効な手段だとしている.
しかしインドには,アメリカの戦略とは無関係に,インド独自のアジア地域戦略があるので,アメリカは中国の場合のように失敗しない為にも,をれらを良く認識して対処すべきであるという.
例えば,歴史的につながりの深いイランに対して,インドはアメリカと異なる立場を持つ,と警告している.
またインドは,独自に開発してきた核技術にたいするアメリカの干渉を嫌い,NPTへの参加やIAEAの監査といったアメリカの方針には強く反対するだろうという.
【質問】
インドにはイギリス以外の国の租借地等がありましたが,どう対応したのでしょうか?
【回答】
1950年に行った,市議会選挙の結果,シャンデルナゴルではインド帰属派が多数派となり,結局52年にインド政府に行政権を返還して,54年に正式な返還を行っています.
次いで,1954年にヤナオン,ポンディシェリー,カリカル,マエのフランス租借地を武力で併合しました.
ヤナオンは,1948年にインドへの帰属を求めたモハジャン・サバー党のクーデター未遂で一時下火になります.
カリカル,マエでも同年の市議会選挙で残留派が多数を占めました.
しかし,サチャグラハ行進と言うインド民族派の植民地回収運動が盛んになり,各地のフランス租借地は人民の鎖で封鎖されます.
このため,糧秣が底を付き,開城せざるを得ませんでした.
ポンディシェリーは,密貿易の拠点となっていたので,インドの産業にとって脅威でしたのから,まず,フランスは関税権をインドに返還することで拠点の維持を図りますが,1954年に発生した植民地回収運動(サチャグラハ行進)で,各地のフランス租借地が占領されたため,結果的にフランスが折れる形で引き揚げました.
このとき,ポルトガルの租借地である,ダドラ,ナガールアベリーは内陸部にあり,ポルトガルが阻止兵力を派遣出来なかったので,そのまま併合されました.
一方,ダマン,ディウ,ゴアと言った残りのポルトガルの租借地は,1954年の時はポルトガル軍によって鎮圧されましたが,前回の人民のデモを鎮圧したことを教訓にしたインド政府は今度は正規軍を繰り出し,1961年に武力併合しています.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
【質問】
インドの軍事力増強の現況は?
【回答】
報道では
・経済成長に伴い国防予算は拡大している.
・米国との関係改善,軍事協力が急速に進んでいる.
・依然として対インド武器輸出では,ロシアが最大のシェアを占める.
・欧州からの軍事技術吸収も視野に入れている模様.
だとされる.
以下引用.
インドは隣国,パキスタンとの緊張関係が緩和され,中国との国境問題についても解決の方向がみえているものの,経済成長に伴い国防予算は拡大している.
米連邦議会調査局が8月末に発表したリポートによれば,日,米,露,加,豪,ニュージーランドを除くすべての国・地域間で,インドの04年の武器輸入額は57億ドル(約6270億円)で昨年の3位からサウジアラビア,中国を押さえて首位に立った.
冷戦時代に旧ソ連との関係が強く,旧ソ連製の武器を利用するケースが多かったインドだが,老朽化に伴い,事故が相次いだため,現在,装備の近代化に力を入れている.
インドの軍事市場に熱い視線を送っているのは米国だ.
98年の核実験を受け関係が悪化していた米国とは,01年の米印共同宣言発表以降,関係が急速に改善.両国間の軍事演習が活発化しているほか,戦略上のパートナーとしての関係も強化されている.
その一方では,米軍事大手ロッキード・マーチン,航空大手ボーイングが初のインドへの戦闘機納入を推し進めているといわれ,新興市場としてのインドへの進出を強力に進める.
一方,長年の関係を持つロシアも,インドへの武器輸出では最大のシェアを持つ.
04年1月にはイワノフ国防相が訪印し,ロシアの退役空母の売却契約を結んだほか,同12月にはプーチン大統領自らが訪印し,武器の共同開発を含む軍事技術協力について話し合いを行った.
また,インド海軍はフランスの「スコルペン」級潜水艦の同型艦6隻をムンバイで建造する計画を進めているとも伝えられ,将来的には艦艇の建造ノウハウを蓄積し,自国での建造に注力するとみられている.
(黒川信雄 from Fuji Sankei Business i.,2005/9/10)
上記に補足.
ロシアの退役したキエフ級航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ(旧バクー)」は,長年の交渉の末,「フネそのものは無償譲渡,改造費用及び艦載機(MIG-29K)の代金・約15億ドルを支払う」コトで合意.
ただいまロシアのセヴマシュ・プレドプリャーチェ(北方機械建造会社,セーヴェロドヴィンスク造船所)で改造工事の真っ最中.
この改造工事は,甲板上の兵器類を全て撤去して全通飛行甲板にし,艦首にスキージャンプ台を設け,併せて格納庫やエレベータも拡張し,機関も換装するというかなり大規模なモノで,要するに,VSTOL機とヘリコプターしか運用できない「航空巡洋艦」を,通常のCTOL機運用可能な「正規空母」に変身させるという,空母史上に前例の無い改造工事というわけだ.
(ちなみに,CTOL空母をVTOL空母に変身させる改造は,いくつかの例が有る)
2005年3月10日には,(セーヴェロドヴィンスク造船所で)早々とインドに引き渡され,「ヴィクラマーディティヤ」(シヴァ神が地上に降りた神敵アシュラを退治する為,自らも地上に降臨した時の仮の姿)と改名されている.
改造工事の完了は2008年の予定.
この他,インドは空母の国内建造を目指しており,3万トン級の防空艦(空母)「ヴィクラントII」が近いうちに起工される・・・・らしい(既に起工されたという話も有るが)
外見は,現在インド海軍唯一の空母である「ヴィラート(旧英ハーミス)」を拡大したような艦で,「ヴィクラマーディティヤ」と同様に艦首スキージャンプ台が設置される.
艦載機も,今のところ,MIG-29Kになるようだ.
こちらに関しては,ロシアではなく,フランスあたりの協力を仰ぐつもりのようだ.
インドは既に877(キロ)型潜水艦を10隻購入しているが,これに加え,ロシアの造船所において建造途中で工事がストップしている971(アクラ)型原潜2隻(クーグアル,ネルパ)の建造費を援助して完成させ,完成後はインドがリースする話も進んでいる.
インドはもともと,国産原子力潜水艦の建造を目指していたんだが,具体的な建造の目処は立っていないので,「ストップギャップ」として導入するつもりらしいね.
この他,1135(クリヴァク)型をベースにしたフリゲート「タルワー」級3隻がロシアの造船所で建造され,既にインドへ引き渡されている.
同級は6隻調達予定で,残り3隻は,インド国内で建造するつもりのようだ.
陸上兵器では,ロシアのT-72の発展型のT-90を導入するし,空軍は,Su-27の発展型で,推力偏向ノズルを装備して機動性が大幅に向上したSu-30MKIを導入している.
ちなみに,インドと並ぶロシア兵器輸出のお得意先である中国には,戦車は一輌たりとも売却していない.
「中国に戦車を売って中国陸軍が強化されれば,シベリアが脅かされる」
というのがロシアの「本音」らしい.
アメリカのボーイングが「初のインドへの戦闘機納入を推し進めている」のは,F/A-18ホーネット艦上戦闘攻撃機だね.
もしもコレが実現したら,「ヴィクラマーディティヤ」(旧露アドミラル・ゴルシコフ)や「ヴィクラントII」の艦上に,MIG-29KとF/A-18が翼を並べるコトになるが,インドは,外国から戦闘機を購入する一方で,国産戦闘機「テジャス(LCA)」の開発を進めており,将来的には艦上戦闘機型も作りたいようなので,実現するかどうかは微妙なトコロですなァ・・・・
インド陸軍

【質問】
冷戦時,なぜインドは次第にソ連へ接近していったのか?
【回答】
中印戦争での完敗の結果,非同盟政策を放棄
⇒軍事援助競争で,ソ連が西側に勝利
⇒バングラデシュ独立戦争への米中介入を阻止するため,事実上のソ印同盟締結
という流れ.
以下引用.
ソ連は1961年2月にコスイギン第1副首相をインドに派遣し,経済・技術協力協定を締結して対印援助を強化する動きに出ていたが,これを軍事援助に急速に切り替えていったのは,1954年にネルーと周恩来首相の間で確認し合った相互不可侵,平和共存などの「平和5原則」を一片の反古とした1962年10月の中印戦争である.
インドの完敗はインドの非同盟中立政策を大きく転換させることとなった.
中印戦争の惨敗はインドの国際的威信を大きく傷つけ,非同盟中立政策に深刻な打撃を与え,非同盟中立の維持は事実上不可能となった.
インドは中国からの軍事的脅威という死活的問題に対処する必要から,米ソ両大国への接近を摸索せざるをえない立場に追い込まれることとなった.
インドは当初,西側諸国に武器援助を要請し,米国は1962年11月,インドの要請を受けて米印軍事補助協定を締結したが,英国も少し遅れて長期英印軍事協定を結んで要請に応える姿勢を示した.
しかし冷戦構造の下では,インドが最終的にどちらの陣営に属するかの旗色を鮮明にせざるをえなくなるのは当然であった.
ソ連はこの好機に敏速に対応した.
この年の8月,ソ連はインドとジェット戦闘機用エンジン生産に関する協定に調印し,1965年までにミグ21型戦闘機の生産を開始することを合意している.
ソ連は矢継ぎ早に地対空ミサイル,軽戦車,レーダー装置等を提供し,金額的にも米英を大きく上回る軍事援助を約束して,中国に完敗した衝撃に打ちひしがれたインドの軍指導者の信頼を惹きつけることに成功した.
この軍事協力関係を事実上の同盟関係に格上げすることとなったのが,1971年8月,インディラ・ガンディ首相の下で調印されたソ印平和友好協力条約である.
インドとしてはバングラデシュ独立のための戦争を始めるのに先立ち,アメリカ,中国の干渉を牽制し,武力介入を阻止することが至上命令であった.
加えてこの条約には,ソ連から見ても重要な条約が含まれていた.
条約第8条は,印ソ両国が互いに相手国に敵対する軍事同盟に参加せず,相手国に軍事的損害を与える恐れのある第三国に自国領土を使用させないことを約束し,第9条は,他の締約国に武力行使を行う第三国にいかなる援助も与えない義務を課した上で,
「両国のうち一方が攻撃され,あるいは攻撃の脅威を受けた場合に,各締約国はこの脅威を除き,かつ両国の平和と安全を確保するための適切かつ有効な処置をとるため,直ちに協議を開始する」
と定めている.
これはソ連として,インドが中国またはパキスタンと武力衝突を起こした際に,自動的にこれに巻き込まれる危険を排除しつつ,両国に対していかなる援助も与えないことを約束する代わりに,インドに対して米国との軍事同盟に参加しないことを約束させたものである.
さらに第10条では,この条約と相容れない約束や,他の締約国に軍事的損害をもたらす恐れのある約束を,第三国としないことを誓い合っている.
このような駄目押し規定までいれた背景として,この条約調印の1ヵ月前,ニクソン大統領訪中発表のニュースが世界を震撼させ,ソ連とインドがこれに衝撃を受けたことを想起する必要がある.
ソ連はこれに対応すべく,インドを一層確実にソ連陣営に引き込み,対中包囲網の拠点としての戦略的役割の強化を図ったものといえる.
一方インドとしても,ソ連の軍事力の後ろ盾を得ることは,喫緊の課題であった東パキスタンの独立を,米・中の介入を排除して実現し,中国,パキスタンとの将来の武力紛争に備える上でも不可欠であった.
これは当然,インドの非同盟政策の放棄を意味した.
かくしてここに,冷戦構造の中での南アジアにおける印ソ対米中パキスタンと言う対立の構図ができあがったのであった.
ソ連はインドに加えてベトナムとの軍事協力関係を進め,やがてカムラン湾にソ連海軍基地を建設して,対中包囲網を海上からも構築し,ソ連太平洋艦隊は太平洋からインド洋までを行動半径に拡大し,米海軍に対峙してこの地域でのパワー・プロジェクションに務めることとなる.
70年代,モスクワに在勤していた外交官や記者の間では,当時,ソ連がインドにいかに神経を使い,インドからの来訪者や外交官と記者を厚遇していたかが話題になっていた.
例えば,厳格な外国人立ち入り禁止区域だったウラジオストックへも,インドの外交官や武官はしばしば訪問を許されていた.
インド海軍艦艇がウラジオストックの軍港に入ることができたことは,ソ連がインドを同盟国として扱っていることを象徴するものと考えられていた.
兵頭長雄 in 『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,
日本評論社,2005.10.10),p.120-123
英米の政治が自国を邪魔したのかもしれないが,援助合戦でソ連がよく西側に勝てたものだ.アフリカのどこかの国ならいざ知らず,インドのような要地で.
消印所沢
あと,軍事だけじゃなくて政治とか経済とかそっちの流れも見てほしいなぁ.
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/coe21/publish/no2/yoshida.pdf
【質問】
冷戦終結はインド軍にどんな打撃をもたらしたのか?
【回答】
冷戦時代は,兵器輸入の見返りに,ソ連東欧へ消費財を輸出するという貿易構造が成り立っていたが,それが崩壊してしまった.
以下引用.
ソ連軍のアフガニスタンからの撤退完了と,それに続く1991年のソ印平和友好協力条約の失効は,南アジアにおける冷戦構造崩壊の象徴的な過程の一つであった.
この中で,軍の装備の70%以上をソ連製に依存していたインド軍も,手痛い打撃を受けた.
さらに,ソ連・東欧から武器・軍需関連技術を供与し,インドからはこれらの諸国に決定的に不足していた消費財を見返りとして低価格で供与するという貿易構造も一挙に崩壊した.
インドは,これらの物資を他の市場に輸出することも,その低品質ゆえに不可能であった.
兵頭長雄 in 『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,
日本評論社,2005.10.10),p.127-128
教育大国政策がなかったら,今頃インドはどうなっていた事やら.
【質問】
なぜ1990年頃からインドは中国と接近するようになったのか?
【回答】
ハンバーガー頭でアホのクリントンのせい.
こいつが中国にくっついて,インドの核実験に対してアンフェアな批難の仕方をせいで,インドとしては中国に接近するしか選択肢がなくなった.
加えてカルギル紛争が,その背中を押した格好.
以下引用.
〔インドの核実験について,〕米国に関しては,中国が緊密な関係をインドに見せつけた.
パジパイ書簡を報じた5月15日の『人民日報』は,同じ誌面で唐家●外交部長が13日夜,米国側の要請によってオルブライト国務長官と2度目の電話会談を行ったことを報じた.
それによると,双方は国際社会がインドに対して明確で断固たる措置を執るべきことで一致した.
オルブライト長官は米国がインドに対する制裁の実施を決定したことを告げ,米国は中国がインドに対して脅威となるという言い方に全く同意しないと述べた.38
クリントン大統領もインドの核実験後まもなく,1997年10月の江沢民主席訪米の際の合意で設置されたホットラインを初めて使用して江沢民主席に電話をかけ,パキスタンにインドの核実験に追随しないよう説得を依頼した.39
インドにとって最大の打撃となったのは,6月のクリントン大統領の訪中の際に「両国元首の南アジアに関する共同声明40」が発表されたことである.
6月27日付で発表されたこの共同声明は,前文で両国が平和で安定した南アジアと強固な不拡散体制に「共通の利益」を有しており,南アジアにおける核およびミサイル競争の加速を防止し,国際的な不拡散の努力を強化し,インド・パキスタン紛争の平和的解決を促進すべく「密接な協力」をすることを謳っている.
そして,両国はインド,パキスタン双方に全ての核実験を停止し,核実験全面禁止条約に加入し,(核の)兵器化と核兵器の配備をせず,核兵器搭載可能なミサイルの開発をしないよう求めた.
また,両国がインドとパキスタンが核不拡散条約に「なんらの修正を加えず」(非核兵器国として)加入することを「我々の目標」としていることを述べ,インドとパキスタンが最近の実験にも関わらず核不拡散条約の核兵器国の地位を有しないと主張している.
声明には「中米両国の責任」と題した一節があり,両国が,平和で安定し,安全の保障された南アジアをもたらすよう「共同あるいは単独で」貢献することを希望し,国連安保理の常任理事国および南アジア諸国と重要な関係を有する国家として,「我々はこの地域の平和と安定を安全保障の維持に有する責任を認識する」と述べている.
以後の行動を述べた最後の一節も,両国の「密接な強調」を繰り返し述べている.
インドは,この共同声明に強烈に反発した.
インドの立場から受け入れたがったのは,なによりもこの共同声明がパジパイ書簡の拒絶を意味していたことにあるが,具体的内容としては,パキスタンの核兵器開発に関する中国の関与に一切触れていないこと,インドの核兵器国としての地位を明確に否定したこと,カシミール問題への言及が,問題の国際化に反対するインドの立場を真っ向から否定していること,中国と米国が共同で南アジアの問題に関与する意図を表明し,この地域において中国が重要な役割を果たすことを米国が認めているように見えることであった.
特に,最後の点についてインドでの反発は広範かつ強烈で,米国は7月から11月にかけて何度か行われたストローブ・タルボット国務副長官とジャスワント・シン大統領特使の会談を通じて徐々に立場を中立的な方向に修正していった.41
このような展開に直面したインドは,徐々に立場を修正しはじめた.
インド政府は9月頃から他の安保理常任理事国に対して中国に言及することを避けるようになった.
10月末には大統領主席秘書官が中国政策を述べる中で,インドは中国を「敵」とは考えず」は,中国との「軍備競争望まないと述べた.
この発言は,その直前にパジパイ首相がダライ・ラマと会見したことに中国が抗議していたことから,無視されたかに見えた.
しかし,米国がインドに対する立場を徐々に中立化してきたことが明らかになるにつれて,中国もインドの関係改善のシグナルを蒸しできなくなり,1998年12月にジャスワント・シンが外相に任命されると,唐家●外交部長が祝電を送った.
翌99年1月末にナラヤナン大統領が中国大使との会見で,インドと中国の広範な協力を呼びかけ,中国はインドにとっての脅威ではなく,インドは中国の脅威ではないと述べると,中国は同年3月に国境問題合同作業グループの準備会合を実施することで応じた.
合同作業グループの本会議は翌月末に実施され,銭其■副総理と唐家●外交部長がインド側外交団と会見した.42
この控え目な形で始まった中印関係の修復を一挙に進展させたのは,5月から7月にかけてのカルギルにおけるインドとパキスタンの武力衝突であった.
中国にとってはインドとパキスタンが武力衝突に陥った状況下でパキスタン寄りの姿勢を取り続けることは,決して得策ではない.
第1に,どのような調停の努力もインドの反発を招くこととなり,米国の「戦略的パートナー」として南アジアの「平和と安定」をもたらす能力が低下する.
最悪のケースとして,インドとパキスタンが本格的戦争状態に陥った場合には,米国がカルギル事件の責任はパキスタン側にあるとしていることから,中国が単独でパキスタンを支援せざるをえないこととなり,インドと米国の接近が加速する事は不可避となる.
インド側にとっても,中国が中立の立場を明確にすることの重要性は明らかであった.43
1999年7月中旬のジャスワント・シン外相の中国訪問を契機に,両国関係の修復は本格化した.
〔略〕
シン外相の訪中は,コソボ戦争の直後で,米軍機による駐ユーゴ中国大使館誤爆による中国国内の反米感情が高まっている最中に行われたこともあり,インド側は両国間の絆の一つとして,米国の「一極支配」に対する反発の共有を強調した.
シン外相は人民外交学会での演説で,インドと中国が共通に直面している挑戦は,(米国による)「優越と単独行動主義」であり,世界は「多極体制と均衡」に移行すべきであると述べたのである.
ただし,米国に対抗して「冷戦時の陣営(block)を再発明する」ことは問題外であるとし,追求しているのは自由行動の余地の拡大であることも明らかにした.46
このような考え方は中国側も同じであったと思われるが,中国側がシン外相に対して同様な発言をした形跡はない.
中国がインドを多極化推進戦略の対象としないことは,インドが自称核兵器国となっても変わらなかったと思われる.
インド側の報道も着目していたように,両外相の会談で合意されたのはあくまでも「安全保障対話」であって「戦略対話」ではなかったのである.47
(39) Garver, op.cit., pp.873-874
(40) 「中美両国元首関于南亜問題的聯合声明」『人民日報』1998年6月28日
(41) Garver, op.cit., pp.878-879
(42)ibid., pp.879-880
(43) ibid., pp.881
(46) C. Raja Mohan, "Jaswant calls for multipolar world," The Hindu, June 16, 1999
(47) Mohan, "India, China to begin security dialogue, " The Hindu, June 15, 1999.
広瀬崇子 in 『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,
日本評論社,2005.10.10),p.99-103
●=王旋
■=王偏に「探」の右側
それにしても,クリントン夫妻は中国シンパにオルグされているという説があるが,上記の事例を見てもその可能性高し.
【質問】
インドT-90Sの現状は?
【回答】
現在,インドはT-90Sを310輌配備してますが,何やらトンデモ事態に陥ってるようです.
というのもインドの気候のせいでFCSの熱映像装置(TI)がオーバーヒートを起こしまくりなようで,これまで80〜90台がオシャカだそうです,対策検討中.
ただ保障期間中だったので,TIカメラは交換されています.
しかし,このTIカメラは44万4千ドルという高額な代物なんで,早急に対策を考えないといけません.
ロシアから買った砲弾を全部使い尽くした(爆)
新型砲弾もまだ使えず・・・頼みのリフレクス対戦車ミサイルも開発中で,しかも試射失敗でさらに難航中(泣)
さらに自国製弾薬も高温下で危険なまでに信頼性がない.
車内では高温による爆発事故も起こして死者も出た模様(オイオイ
陸軍高官のオッサンによれば
「うちらT-90Sは多くが大幅なオーバーホールが必要なんじゃ.
シミュレーターが少なすぎるので,どうしても実車での訓練が多くなっちまう,
とっととシミュレーターを多く買えやゴルァ!!」
(インド軍にはT-90Sのシミュレーターはたった五台しかない)
あらあらとしか言いようがないなコリャ.
でもインドの気候を考えれば,この問題は予想できたと思うんだがねぇ.
しかも肝心要のFCSがヤバイとなれば戦車戦では致命的だし,砲弾撃ち尽くすってかなりマズイで供給も不安定.
しかも砲弾の信頼性がないって・・・・・・ヤバクネ
プーチンに嵌められたかインド・・・カワイソス
でも,ある意味ロシアらしい商売でもあるし,旨味もある.
それと,ドイツの企業と合同開発したアージュン戦車もズタボロ.
廉価版のヤツもあったが名前は思い出せない(砲塔がアージェンで車体がT-72)
で今回のT-90S問題でインドは大慌て
一方パキスタンは,中国との合同開発したアル・ハーリドが配備中,
こちらは順調の模様.
インドのT-90S



CRS in mixi,2007年03月07日20:45
【質問】
アージュン戦車はどうなったのか?
【回答】
Kojii.net「今週の軍事関連ニュース」 (2007/05/04)
より引用.
今日の報道発表 (Defense-Aerospace.com 2007/5/3)
* インドの国産戦車・Arjun が,プロトタイプ登場から 24 年を経て,初めて演習に参加した.
過去 2 年では最大規模となる演習 "Ashwamedha" の最終フェーズに,数百両の T-90 や T-72 とともに 14 両の Arjun が参加したもので,実弾射撃も実施した.(ddi Indian Government News)
おめでとう!(笑)
しかし一時期は本当に存在が危ぶまれたArjun
生産中止! いや増産だ!!というニュースが溢れており,T90もズタボロという状況の中・・・ついに演習へ登場.
このニュースを聞いた時は感動した(笑)
そういえばT90で問題になった「自国製砲弾の信頼性」は解決したのかな?
(T-72やT-90との共用部品はソ連系,主砲と弾薬は英国,エンジンと履帯,トランスミッション周りはドイツ系,
射撃管制システムとか足回りは国産.
やっぱり各国企業がサポートですけど)
まぁT72も改修が滅茶苦茶遅れていたり,特殊部隊もワケワカメな状況なインド軍ですが,これ機に立ち遅れを挽回できるのかが注目です.
しかしプロトタイプ登場から 24 年かぁ.
過去,兵器史上ここまで時間がかかった戦車って初めてではなかろうか?



CRS in mixi,2007年05月07日22:02
……と喜んだのもつかの間,Kojii.net「今週の軍事関連ニュース」 (2007/06/01) より引用
引用開始--------------------------------
インド陸軍は 6 月に,Arjun 戦車×14 両を Rajasthan 砂漠での演習に持ち込んでテストする.
ただ,まだ完成品とはいいがたく,実任務には不適合とのこと.
1974 年に開発をスタート,T-72 を代替するはずだった Arjun は未だ完成品に至らず,仕方なく T-90 を導入する羽目になった.
また,360 万ドルのはずだった開発費は 8,333 万ドルにまで膨れ上がった.
さらに,鉄道輸送用のフラットカーなど,後方支援用の道具立ても大きく手を加えないといけない.
車輌そのものの不具合については解決に向かっていると国防省は主張,来月の演習で問題を解決できたと確認した場合には,追加発注も可能としている.
しかし陸軍は同意しておらず,射撃統制装置の問題,主砲の精度不足,エアコンのトラブルなど,1 ダース単位で問題があると指摘している.
そのほか,量産時の品質管理に関する問題も指摘されている.
--------------------------------引用終了
もうダメぽ.
ぶっちゃけT-90とシミュレーターを追加購入した方いいかも.
そんなアージュン氏にさらなる不幸が!
「Kojii.net」今週の軍事関連ニュース (2007/08/31)
より引用.
引用開始--------------------------------
今日の報道発表 (Defense-Aerospace.com 2007/8/30)
インドの国産戦車・Arjun は,2005-2006 年にかけて実施したトライアルで油気圧サスペンションのピストン・ロッド,砲手用サイト,砲制御システムといったあたりに不具合が見つかったが,ドイツ・ベルギー・フランスからの専門家による助言を得て,対策が実現したとのこと.
T-90 戦車の方は HVF (Heavy Vehicles Factory) から 181 両をデリバリー,T-72 の初期型では砲身破裂の問題があったが,T-90 では特に問題は出ていない.(Indian MoD)
--------------------------------引用終了
124 両製造するはずが,14-15 両作ったところで頓挫,トラブル対策を施したり演習に出してみたりしているものの,前途は不透明という状況なのです.
Arjun の車体を転用して自走砲をつくる話も,いつの間にやら立ち消え.
ほんと戦車開発は地獄だぜ (ry
これに限らず,インドの DRDO が自主開発に乗り出して炎上したプロジェクトは幾つもあって,DRDO
自体が叩かれたり.
ちなみにJDW (2007/5/16) によると Arjun
のお値段は 350 万ドルなんだそうで,開発に四半世紀かけた上にモノになるかどうかも不明で,でもってこのお値段じゃ…
一方,Arjun の代打になった T-90S はというと,値段は
Arjun よりずっと安いものの,Thales から調達した熱線映像装置が車内の高温のせいでぶっ壊れるというトラブルが
(JDW 2006/6/14).
インドでは酷暑に耐えられなくて壊れましたが,それをロシア軍向けにも売り込んで受注してしまうのが
Thales quality.
ミサイルやレーダー関連では,イスラエルとつるむ話が増えているインドです.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
▼
そしてとうとう,あまりの遅延ぶりについにインド議会がキレた模様です
ただアージュン戦車の死刑宣告ではなく,議会は,30年近く経っているのに殆ど成果を出していない&開発コスト高にはうんざりしており,DRDOに対して開発遅延を取り戻すために民間企業の支援を受けなさい!という勧告です.
しかしこのまま民間企業の支援を受けても改善されない場合は,開発打ち切りという可能性が出てきました.
ソースは軍事研究 2008年5月号のミリタリー・ニュースより
このミリタリー・ニュースはJDW誌の提供でお送りしております.
引用開始――――――
アルジェンMBT いまだスタート地点から動かず
インド議会は,DRDO(防衛技術研究開発機関)に対し,度重なるアルジェン主力戦車(MBT)の開発遅延問題に対応するため,外国企業からの支援を受けるように指示している.
アルジェンMBTの開発は30年にわたり続けられており,その開発費は1974年に1億5500万インドルピー(3500万ドル)であったものが,2005年で20億ルピーにまで達している.
インド議会の防衛議会では
「国防省はアルジェンに対して期限を定めて,民間企業の支援を受けつつ真剣に向き合うべきである」
としている
――――――引用終了
JDW誌の報告によれば様々な試作型や先行生産型を作り,広範囲のトライアルを行った.
その結果を元に,最初の製造バッチは124輌と定められたが,アヴァディMBT製造工廠で完成したのはたった15輌.さらにそのうち5輌程しか装甲を施されていない(!).
一応,インド軍の方でもアージェンの車体を転用した自走砲計画や戦車橋車輌がありますが,これまた計画は全然進行していません.
また,アージェンの砲塔とT-72M1の車体を組み合わせたタンクEXを2002年に発表しましたが,その後の計画の進展は不明です.
モデルアップされてるみたいですが・・・採用するかどうかの話はわかりません
この戦車能力ギャップを埋めるため,インド軍はロシアからT-90Sを購入中で,計画がさらに遅れるとなると追加注文が入り,予想では1000輌近くのT-90Sがインド軍に配備されることになります.
もう2006年には330輌のキットを購入しています.
関連するニュースとしてこちらも.
インド国防相がDRDO(防衛技術研究開発機関)の改善要請
今週の軍事関連ニュース (2008/03/28) より引用.
引用開始――――――
インドの Shri A.K.Antony 国防相は DRDO (Defence Research Development Organization) 関係者に対して.グローバル化した世界の各地で発生している変化に対応するための意識改革を求めた.
他の官民分野と相互に交流して技術情報をやりとりしたり.防衛分野の研究開発における民間企業の役割を増やしたり,といった変化を求めている.
周囲で起きている政治的・経済的な変化から,DRDO が隔絶されてはならないというのが国防相の主張.
また,科学技術の進歩に合わせて組織体制を変えていく必要性も指摘した.Hyderabad にある研究施設を訪問,RCI (Research Centre Imarat),DRDL (Defence Research & Development Laboratory),Defence Electronics Research Laboratory といった研究拠点を視察した後での発言.(Indian MoD)
――――――引用終了
ついに諸悪の根源に監査のメスが!
つうか,もっと早くするべきでなかったのか?
期限は最高10年が限度でしょうか?
それまで結果を出さなければ打ち切りも.
インドが何所まで国産化に拘るのかが鍵になってくるでしょう.
こんな感じのダメダメなプロジェクト.
珍兵器はすっかりお馴染みになりましたから,今度は「世界のダメダメなプロジェクト特集」とか面白そうな気がします(笑)
何故ダメダメなプロジェクトが受理され実行されたのか,を詳しく解説する本を一つ!
CRS@空挺軍 in mixi,2008年04月12日17:01
▲
▼
――――――
Army`s search for future MBT sounds deathknell for Arjun
Army will no more place orders for Arjun beyond 124 that was already contracted. That is because Army is now looking 20 years ahead and wants a futuristic MBT," Lt Gen Dalip Bharadwaj, Army Director General (mechanised infantry), said here.
――――――
とうとうインドはアージュン戦車をモノに出来ず,調達終了.
JSF in mixi,2008年07月10日02:14
▲
▼ インド軍「やっぱT-95だよね! は?アージェン?」
ロシア周辺・旧ソ連圏スレ 3より
引用開始――――――
823 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 21:08:51 ID:???
インド・ロシア戦車共同開発計画について
T-72やT-90を開発しているウラルヴァゴンザヴォード(UVZ)の代表団が,今週,インド陸軍が主催する将来主力戦車(FMBT)に関する国際セミナーに参加するためにインドを訪問する.
Nikolai Malykh UVZ部長は,すでに同社がインドとの間で戦車の共同開発に関する初歩的な議論を開始していることを明らかにした.
Ruslan Pukhov分析技術センター所長は,
「新型戦車は,パキスタン軍のウクライナ製T-80や,中パ共同開発のアル・ハーリドに対する,インド陸軍の優位性を強めるであろう」
「UVZは,T-72やT-90のライセンス生産に協力した長い歴史を有し,新型戦車を開発生産するための最良のパートナーになるであろう」
と述べた.
Moscow Defence Brief magazine誌によると,新型戦車は先進的の強固な装甲を持ち,速度や火力,防御力に優れ,低い車高を特徴とする.
乗員は装甲区画に乗車し,無人砲塔を採用.情報化が進み,新たな油気圧サスペンションで乗り心地も改善される.
同誌は,新型戦車の主砲口径は152mmで,優れたFCSや暗視装置を持つであろうとした.
――――――引用終了
井上@Kojii.net氏からの情報.
>多分,上にあるやつの原文.
JSF氏からの情報
――――――
インド軍スレでも出回っている情報ですだよ.
――――――
799 :名無し三等兵:2008/06/23(月) 23:53:52 ID:???
インド陸軍参謀長,ロシアを訪問
http://rian.ru/defense_safety/20080622/111575603.html
ロシア側は,参謀長に対して次世代戦車の共同開発を持ちかけるとのこと.
記事を見ると,参謀長のロシアを訪問中に,インドとロシアが戦車やツングースカのような対空システム,対戦車システムなどの共同開発に関して議題に上るとしている.
ロシア側は第五世代戦闘機やBrahMosミサイルのように,次世代戦車に関しても共同開発できるとしている.
決定事項というよりも,討議する議題として次世代戦車の共同開発という話を出すようである.
――――――
アージェン亡き後,インドの主力戦車は実質的にT-90となりロシア傘下になりました.
恐らくこのまま会議が順調に進めば,インドはロシア戦車の重要な顧客となるでしょう.
T-72&T-90のアップグレードはもちろんのこと,例のT-95もインドに登場する日は近い?
とは言え,このまま蜜蜂関係は何時まで続くのか?
でもここ最近の印露に関係を見ても,破綻する可能性は少ないし,まぁ気長に見てみますか.
で,また152mm説か・・・・最後までこの情報に振り回されそうだなオイ
――――――
――――――
CRS@空挺軍 in mixi,2008年07月22日21:27
アーたん本格的に終了.
――――――
Indian Army Rejects Competitive Trials of Arjun Main Battle Tank
In a desperate bid to save the main battle tank (MBT) Arjun it has developed, the Defence Research and Development Organisation (DRDO) had suggested a joint assessment of the vehicle with the Indian Army to keep the project alive but this has been summarily rejected by the army.
――――――
インド軍の主張;「気温50度を超えたら動けなくなる戦車なんてイラネ.ここはシベリアじゃないんだよ?」
――――――
These included a deficient engine and fire control system, inaccuracy of its guns, low speeds in tactical areas - principally the desert - and the tank’s inability to operate in temperatures above 50 degrees Celsius.
――――――
JSF in mixi,2008年07月23日22:08
▲
「うちは世界一不幸な戦車や……」

【関連動画】
「ワレYouTube発見セリ」:Arjun Tank Trials
【質問】
LCAは、10年にわたって開発がストップしているのに、ほんとにモノになるんでしょうか?
MIG1,44の方がまだ現実的な気も……。
【回答】
インドHALのLCAのことであれば、2001年に初飛行、2003年までにプロトが5機製作.2004年一月までには140回の試験飛行がなされており、2003年8月には試作機1号が、11月には2号がそれぞれ超音速を出しています。
今後,2004〜2013年の間に合計104機が製作される予定.
この機は中国のFC-1(J-17)と比較されるサイズだが、静的安定性が低く、完全なデジタルFBWを採用していてはっきり世代が違う。
エンジンはグリペン用のF404のバリエーションに、F/A-18E/F用F414のフルデジタル制御システムを導入。
もっとも、ペイロードは4トン足らず。サイズと共にむしろグリペンと比較すべきか。
重量の半分近くは複合材。
今後、ロシアから赤外探索追尾装置とか、スラストベクターとか、ヘルメットマウントサイトとか導入していくと、けっこうな軽戦闘機になりそう。
ただインドの生産システムの優柔不断と非効率性は有名だから、今からでもいくらでもダメになりそうだが。
LCA

【質問】
インド軍がアメリカ製航空機を導入する可能性は?
【回答】
比較的高いようです.
2006/12/16の段階でロッキード・マーティン社の関係者は,インド空軍がロッキード・マーティン社製の輸送機「C-130J」の購買情報を求めたことを明らかにしました.
情報はすでに,在ニューデリーの米国大使館に提供されているそうで,インドは6機購入する計画とのことです.
⇒C-130J(ハーキュリー)は,整備されていない滑走路からでも短い距離で離発着ができる輸送機で,システムによっては1機あたり7000万ドルします.
販売に当たっては米議会の承認が必要です.
ブッシュ政権はシナへの押さえとしてインドとの軍事協力関係を進めようとしており,今回の武器取引が第一号になりそうです.
ブッシュ政権は他にも,インド空軍の戦闘機採用計画に対し,F-16とF/A-18スーパーホーネットを提示しています.
インド海軍が米海軍のヘリ「H-3シーキング」を6機購入するとの話もあります.
【質問】
インド海軍に採用されるMiG-29K艦上戦闘機は,旧ソ連時代の末期にテストされていた「MiG-29K」と同じ機体なのか?
【回答】
同じ機体ではありません.
旧ソ連時代のMiG-29Kは,設計番号9-31と呼ばれるタイプであり,空軍用のMiG-29M(9-15,1987年初飛行)の艦載機型でした.
これに対し,インド海軍に採用される「MiG-29K」は,設計番号9-41と呼ばれるタイプで,基本的には,1990年代末に開発されたMiG-29SMT(9-17,1998年初飛行)の艦載機型です.
9-41は,
通常離艦重量18,550kg
最大離艦重量22,400kg.
エンジンは,今のところクリモフRD-33-3M×2基の双発の予定.
推力は通常で5,035kg,
アフターバーナー使用時8,300kg,
緊急時最大8,700kg
エンジン寿命4,000時間
オーバーホール間隔は1,000時間.
さらに改良されたRD-33-10M(最大推力10,500kg)に変更される可能性も有り.
最大速度は高空で2,400km/h,海面で1,240km/h
海面上昇率17,760m/分,実用上昇限度17,500m
機内最大燃料搭載量5,240kg
戦闘行動半径は機内燃料のみで850km,増槽付きで1300km(空対空ミッション時)
機首レーダーは「ジュークME」
外部兵装搭載量は最大4,500kg
固定武装はGSh-301 (TKB-687/9A4071K) 30mm機関砲1門
運用可能な武器は,以下の通りです.
・R-73RDM2赤外線誘導空対空ミサイル
・R-27RE1/TE1セミアクティブレーダー誘導空対空ミサイル
・R-77RVV-AEアクティブレーダー誘導空対空ミサイル
・Kh-35空対艦ミサイル
・Kh-29空対地ミサイル
・Kh-31A2/P2対レーダーミサイル
・KAB-250KR誘導爆弾
・FAB-250自由落下爆弾
・FAB-500自由落下爆弾
この他,イスラエル製のエルタEL/L-8222ECMポッドを装備.
ただ,その後も改良が続けられているので,これらの数値は変わる可能性が有ります.



Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/3/29(木) 午後 8:26
【質問】
「ブラモス」巡航ミサイルとは?
【回答】
2008年6月20日付,「ノーボスチ」によれば BrahMos は,「ブラモス航空宇宙合弁事業」によって開発された超音速巡航ミサイル.
同社は1998年,ロシアとインドが超音速巡航ミサイルを設計,開発,生産し,かつ売却する為に設立されたもの.
「ブラモス」の名は,インドのブラマープートラ川およびロシアのモスクワ川にちなむ.
660ポンド以内の通常弾頭を搭載し,180海里(290km)の射程を有するという.
10メートル(30フィート)の低高度を,マッハ2.8――トマホーク巡航ミサイルよりも約3倍速い――で飛翔し,地上と海上の目標を攻撃可能.
海上発射型および陸上配備型はテストに成功し,すでにインド陸軍および海軍にて配備中.
インド海軍用にロシアで建造される3隻のプロジェクト11356(クリヴァクIV型)フリゲートにも,「ブラモス」超音速対艦巡航ミサイル・システムが搭載される予定だという.
また,サンクト・ペテルブルクの造船所で建造中のロシア海軍向け新型フリゲート,プロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」にも,「ブラモス」巡航ミサイルが装備されるかもしれないという.
詳しくは,「ロシア・ソ連海軍」,2008/6/21付を参照されたし.

【質問】
インド軍にはカースト制度の影響はないのか?
【回答】
軍事的合理性により,部隊は民族,宗教,カースト毎に編成されているという.
また,戦場には僧兵が同行し,銃に祝福を与えているという.
以下はカルギル紛争における例.
ベルが鳴りオイルランプがともる中,テントを張ったヒンドゥー教の寺院では,祈りながら入って行き,礼を述べながら出てくる兵士達の列が絶えることなく続いた.
迷彩服を身につけた僧兵達は,仲間の兵士達の手首に聖なる紐を結び,銃に祝福を与えるために,銃身にティッカと呼ばれる赤い粉をつけた.
彼らは自分達をクルクシェートラの戦いのときのアルジュナ〔叙事詩『マハーバーラタ』に登場する武将〕の化身と考えていた.
戦いの前夜,クリシュナの神は,非好戦的な戦士に,一族の敵と戦うという道徳上の義務について助言を与えた.
山の上にいる敵のムスリム達と違って,インドの兵士達は様々な宗教を信仰しており,テント村には,ヒンドゥー教の寺院マンディールの他に,シーク教の寺院ガードワラ,キリスト教徒のための礼拝堂,それにゾロアスター教徒のための寺院もあった.
インドでは,今だ衰えを見せることなく,根強い階層制度が残っていた.
言語が違い,同じコップを使って飲む事ができない以上,マラータ族とジャート族を同じ部隊に入れることは無意味であり,部隊は民族や宗教,さらにはカースト毎に編成され,それぞれが相手に引けを取らないよう競い合っていた.
漠然として統制がとれないながらも,宗教を越えた民主的な憲法にのっとったインドは,あたかも多くの文化を持つ象のようにどっかりと腰を据え,イスラムの新たなサラディン達が熱烈に求める統一化への道を阻んでいた.
〔略〕
ムスリムを解放すると聞いていたパキスタン兵達は,インドのイスラム兵が彼らを殺そうと立ち向かってきたときには,唖然としたに違いない.
ある夜,カルバールの近くの峰を占領していた侵略軍は,
「アッラーフ・アクバル」
と唱える声を聞いて応援部隊がやってきたと思い,峰まで登るのを手助けしようと陣地から駆け出していったという.
彼らが,「神は偉大なり」と唱えていたのはインドのイスラム集団であるグレナディア近衛歩兵第20連隊だと気づいたときには,既に遅すぎた.★20
インドの「ヴィジェイ作戦」は増強され,侵略軍と食料や料理用燃料,弾薬の主な供給源とを結ぶ補給ラインは崩壊し始めていた.
そして飲料水を作るための雪は,爆発兵器から出た火薬で汚染されていた.
★20 'Muslim Grenadiers surprise enemy' by Gaurav C. Sawant, The Indian Express, 10 July 1999
C. Kremmer著「『私を忘れないで』とムスリムの友は言った」
(東洋書林,2006/8/10),p.393
インド軍騎兵隊

【質問】
インドのエネルギー開発状況は?
【回答】
インドは世界各地で石油開発を加速させています.
開発・計画中の油田やガス田は以下のとおりです.
【生産中】
ロシア(サハリン1),ベトナム,シリア,スーダン
【鉱区取得済み,もしくは探鉱・開発中】
ブラジル,ミャンマー,イラン,オマーン,イエメン,リビア,ナイジェリア,エジプト,イラク,コートジボアール,UAE,クウェート
【計画中】
ベネズエラ,キューバ,ロシア(サハリン),バングラデシュ,カザフスタン,ロシア(数箇所),北海,シリア,バーレーン,ガボン
【質問】
インドの核燃料問題とは?
【回答】
インドが核燃料をどう調達するのかという問題.
オーストラリアはウラン供給を拒否.
ロシアとの交渉でも2008年現在,燃料確保までは言及されていない.
ロシアの対印民生用原子力協定が実現するには,オーストラリアと同じように,インドが国際原子力機関(IAEA)と査察協定を締結した上で,原子力供給国グループ(NSG)による承認が必要となるという.
詳しくはメール・マガジン,[ 日刊アジアの開発問題
No.271 2008/02/14]を参照されたし.
◆◆海軍関連
【質問】
インドの海上戦略の変遷について教えて下さい.
60から80年代にかけては,反米路線を取っていた時期もありましたし,何よりソ中冷戦の中にあって,パキスタン海軍とも対峙しなければなりませんでした.
現在では若干,外交関係の改善が行われていますが,中国海軍がミャンマー,パキスタンを使ったインド洋進出を図り,またアメリカ海軍もディエゴガルシアを基点に,中東戦略の一環としてインド洋を重視し始めています.
果たしてインド海軍は過去から未来に向かってどう変わろうとしているのでしょうか?
【回答】
一言でいえば,「より外洋を目指した海洋海軍の建設」ということになると思います.
インド海軍は1950年代から艦艇の整備を行ってきましたが,独自で艦艇を建造する能力に乏しく,旧宗主国であるイギリスから購入した艦艇で小規模な艦隊を編成していました.
インド海軍が本格的な整備の途についたのは第2次印パ戦争(65〜66年)以降のことです.
特に第3次印パ戦争(71年)において機動艦隊による海上優勢と航空優勢の確保に成功したことで,空母を中心とした機動艦隊を整備することを強く意識するようになり,イギリスとソ連から購入した艦艇で小規模ながら艦隊を整備し,維持してきました.
しかし,空母の維持には非常にコストがかかりますが,経済規模が小さかったインドでは慢性的な経済難から近年まで海軍には十分な予算が回されませんでした.
原子力潜水艦のリースなどソ連との関係を強めていたインド海軍ですが,ソ連崩壊後ヨーロッパ諸国からも協力を仰ぐことになっていきます.
近年の経済規模の拡大に伴い停滞していた海軍力整備にようやく力を入れられるようになり,ロシアからの空母「ゴルシコフ」の購入,イタリアの会社の設計によるADSと呼ばれる空母の建造など,海洋海軍の建設をより強く志向するようになってきました.
インド海軍は,これらの艦艇によりインド洋における制海権を確保することで,パキスタンを押さえ込み,また南シナ海に進出著しい中国海軍を牽制することが十分可能になります.
ペースはやや遅いものの,空母機動艦隊を中心とした強化されつつある海軍力でインド洋をコントロールすることが,今後の至上命題になるでしょう.
名無し軍曹◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
スレーシュ・メーフタ提督について教えられたし.
【回答】
インド海軍参謀総長スレーシュ・メーフタ大将は1947年8月18日生まれ.
〔略〕
前ロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督と同年同月生まれです.
国防軍士官学校(NDA)卒業後,1967年7月に海軍へ任官.
空母ヴィクラントのシーホーク艦上戦闘機のパイロットとなりました.
空母艦載機パイロット(アヴィエイター)出身の提督です.
2006年10月31日,インド海軍参謀総長に任命されました.

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/12/5(水) 午後 5:05
【質問】
インドの空母は何の為にあるのですか?
ハリアーを運用する空母と,ロシア製の正規空母にミグ29のせると聞きましたが,あの国にそんなたいそうなものがいるのでしょうか?
【回答】
インドが空母保有にこだわるのは,印パ戦争の戦訓によるものです.
1971年12月に生起した第三次インド・パキスタン戦争において,インド海軍は保有していた空母ヴィクラントをベンガル湾に派遣し,パキスタン空軍が保有していた東パキスタンでジェット機が唯一発進出来たチッタゴン飛行場を空襲して制空権を確保しました.
この結果,インド海軍はパキスタンの海上封鎖に成功しています.
また,この戦争ではインド側の動きをけん制するため,アメリカは空母エンタープライズを中心とする機動部隊をインド洋に派遣しており,これもまたインドに空母保有の重要性を認識させることになっています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
「アドミラル・ゴルシコフ」がインドに売却されるまでの経緯は?
【回答】
1995年7月に現役を去ったアドミラル・ゴルシコフは,他の同型艦のようにスクラップとして売られる事は無かった.
1990年代前半に修理していた事もあって状態は良好であり,艦齢も比較的若かったため,ロシアは本艦をインドに売却する事を望み,何度もインドと交渉を行った.
むろん,このままの状態では有効な戦力にならないので,キエフ級の特徴である甲板上に有るミサイル等の兵装を全て撤去し,全通甲板を持つ「正規空母」への改造が提案された.
1998年には,
「艦そのものは無償でインドに譲渡し,全通甲板空母への改造費用と搭載機MIG-29K改等の代金だけ支払う」
という内容で仮契約に漕ぎ付けたのだが,この改造費用を幾らにするかで両国の溝は埋まらず,以後もたびたび交渉が行われた.
21世紀初頭になっても交渉は妥結せず,痺れを切らしたロシア海軍高官が
「インドが買わないのなら,ロシア海軍用に改造する」
などと発言した事も有ったが,これはインドに対するハッタリであった.
インドは,独自に西側の協力を得て国産空母(ADS)を建造する計画を立てていたが,計画は遅延に遅延を重ね,インド唯一の現役空母ヴィラートの退役までに就航する見込みは極めて薄くなった.
そうなると,呑気にダラダラと交渉している余裕も無くなり,インドは,「ストップギャップ」としてゴルシコフの購入を決断せざるを得なくなった.
2004年1月,改造費用及び艦載機の代金の合計は約15億ドルにする事で両国が合意(というか妥協)し,デリーでインド・ロシア両国防相が本契約に調印した.
これを受け,既にセヴェロドヴィンスク市に回航されていた旧ゴルシコフは,同市のセヴマシュ・プレドプリャーチェ(北方機械建造会社)において改造工事が始められた.
まだ工事中の2005年3月10日,インドへの引渡し式が行われ,同艦はインド軍艦ヴィクラマーディティヤ(INS
Vikramaditya)となった.
改造工事は2009年に完了予定とされている.
なお,本艦の引渡しの時期ですが,当ブログでも取り上げているように,当初は2010年まで延びたと報じられましたが,数日後,インド海軍当局によって否定されました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/18310509.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/18582204.html
ちなみに,ヴィクラマーディティヤ(Vikramaditya)の由来は,
http://www.pandaemonium.net/rdb/menu/file/2794.html
によれば,
「ヴィクラマーディティヤの名は,グプタ王朝チャンドラグプタ二世(註1)をはじめとする諸王が号し,伝説が,彼ら諸王の実際の業績と混同されるようにさえなった.
伝説では,調伏されたはずのアスラ(註2)が蛮族として地上に再生したおり,神々の要請によってシヴァ神(註3)が,ウッジャイニー王マヘーントラーディティヤの息子として降臨したのがヴィクラマーディティヤであるとされる.」
註1:グプタ朝王第三代の王.在位376〜414年頃.領土を広げて最盛期を迎えた.中国文献は「超日王」と記した.
註2:インド神話における神敵
註3:インド神話における破壊と癒しの神
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/14(月) 午後 7:35
ただし,
Indian Carrier Costs Threaten Russian Arms
Sales
(ストラテジー・ページ)インド海軍の,ロシアの中古空母購入計画に問題発生
October 12, 2007
という記事によれば,予算が大きく超過する問題が発生しているという.
以下引用.
インド海軍は2004年にロシアと契約を結んで,ロシアが1987年に配備して1996年に財政的理由で退役にした空母,Admiral Gorshkovを改修して購入する契約を結んだ.
この契約は$1.5B(1700億円)にのぼり,空母の補修改善($700M)と航空機や弾薬,機材などの購入($800M)をあわせたものである.空母の引渡しは2008年が予定されていた.
しかしSevmash造船所での改修工事は当初のプロジェクト予算を大きくオーバーしていて,昨年時点では$1.1B以上(157%)とされ,最近では$2B(285%)といっていて,当初の見積もりに誤りのあったことが指摘されている.
インドは年間$10B規模のロシア製軍備を購入する顧客であるので,ロシアに善処を求めている.
インドとの契約を交渉した当時のボスは解雇され,犯罪捜査が行なわれている.
造船所はこの問題の為に新規プロジェクト(オフショア・リグなどの新規分野)に着手できず困難に陥っている.
【質問】
アドミラル・ゴルシコフからヴィクラマーディティヤへの改装の中身は?
【回答】
キエフ級4番艦アドミラル・ゴルシコフの正規空母への改造は,ロシアでは「プロジェクト11430」と呼ばれている.
アドミラル・ゴルシコフ(旧バクー)は,甲板上に各種のミサイルや兵装が並べられていたが,11430改造により,これらの兵装は全て撤去され,全通飛行甲板を持つ「正規空母」に変身する.
艦首には,ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフのような14度のスキージャンプ勾配が設けられ,発着艦もクズネツォフ同様のSTOBAR(Short
Take Off, But Arrested Recovery)方式を採用する.
旧バクー時代に装備されていた艦橋のフェイズド・アレイ・レーダー「マルス・パッサート」及び艦首ソナー「ポリノム」も撤去される.
代わって艦橋上には,大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」(フラットスクリーン)が装備され,補助用としてフレガートMA(トッププレート)が搭載される.
大型レーダー「ポドベレゾヴィク」は,ロシア海軍黒海艦隊所属の大型対潜艦「ケルチ」でテストされたもので,実用型はヴィクラマーディティヤが最初の搭載艦となる.
改造後の兵装は,近接防御用複合体「カシュターン」(CADS-N-1)6基のみとなるようである.
(当初は,この他に,オーニクス超音速対艦ミサイルのインド版「ブラモス」を搭載すると言われていた)
プロジェクト11430の機関は,旧バクー時代と同様の蒸気タービンだが,ボイラーは,サンクトペテルブルク市のバルチースキィ・ザヴォートで製造された新型に換装される.
この新型ボイラーはKVG-ZD(KVG-2M-GM)と呼ばれ,軽油を使えるのが最大の特徴である.
以前のボイラーは重油専焼であり,ガスタービン艦やディーゼル艦とは違う燃料を用意する必要が有ったが,軽油を使えるようにする事で,ガスタービン艦及びディーゼル艦と燃料を共用出来るメリットが有る.
艦載機は,バクー/アドミラル・ゴルシコフ時代には,Yak-38M艦上VSTOL襲撃機,Ka-27対潜ヘリコプターなどを搭載していたが,11430改造により,MIG-29K(9-41)艦上戦闘機,Ka-28対潜ヘリコプター,Ka-31早期警戒ヘリコプター等を合計36機搭載する.
この他にも,現在,インド海軍で運用されているシーハリアー(FRS
Mk.51)や,インドが開発中の国産軽戦闘機LCAテジャスの艦載機型などが搭載されるかもしれない.


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/5/23(水) 午後 7:35
▼インド海軍参謀総長は,ロシアでMiG-29Kの組立作業を視察する
モスクワ,3月13日(RIAノーボスチ)
>改装を終えた後,ゴルシコフは30年間の耐航性を有すると予想される.
というわけで,この記事によると,〔略〕 改装終了後のヴィクラマーディティヤは,30年間の寿命を有するようです.
つまり,2040年頃まで使えるという事です.
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/3/14(金) 午前 11:35
▲
【質問】
ヴィクラマーディティヤへの改装工事の遅れの原因は?
【回答】
イタル・タス通信報道によれば,新しく敷設されるケーブルの量をロシア側が過小評価していたため,工事が遅れているとか,共同作業の困難のせいで遅れているとか言われている.
まあ,計画の遅延や狂いは兵器にはつきもの.
遅れを否定する情報もあって,その辺はまだ不明確.
セヴマシュ・プレドプリャーチェは,空母ヴィクラマーディティヤの乾ドックからの進水を,年末に予定する
モスクワ,2007年8月3日(イタル・タス)
「セヴマシュ・プレドプリャーチェは,航空母艦ヴィクラマーディティヤの乾ドックからの進水を,年末に予定している」
現在,インド航空母艦となる航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフの改造工事を続けているセヴマシュは,タス通信にそう伝えた.
現在,乾ドックでは,設計に従って,船体への攻撃に対処するため,艦の水中構造の増強工事が行なわれている.
なお,航空母艦の船体工事完了および進水後,その他の装備の取付けが行なわれる.
以前,同艦は2008年初頭のインド引渡しが計画されていた.
但し,近代化工事の遅れから見て,実現はもっと後になるだろう.
ある情報によると,顧客への航空母艦の引渡しは,2年間以上延期されると言われている.
インド側の情報源に従えば,艦の工事の遅れは,新しく敷設されるケーブルの量をロシア側が過小評価していた為によるものである.
但し,何人かの専門家は,航空母艦のような重量級大型軍艦を建造する力を持つロシア企業の協同作業の難しさが,工事の遅れの実質的理由であると見ている.
〔略〕
Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/8/5(日) 午後 2:06
(青文字は加筆部分)


【質問】
「アメリカがインドに対し,空母キティーホークの無償譲渡を持ち掛けた」というのは本当?
【回答】
全くのガセ.
ロシアは,5月からインドへMiG-29K戦闘機の引渡しを始める
モスクワ,3月14日(RIAノーボスチ)
という記事によれば,インド海軍参謀総長・スレーシュ・メータ大将は,記者会見の席上,その報道について以下のように回答している.
――――――
「これらの噂は,メディアによって作成された単なる悪戯です.
私が知る限り,我が国はそのような提示を受けた事がありません」
――――――
詳しくは,「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」,2008/3/15(土) 午後 8:24付を参照されたし.
【質問】
ロシアからインドへの原潜貸与計画について教えられたし.
【回答】
2008年7月4日付,ノーボスチ記事,
ロシアは2009年にインドへ「完全な」原子力攻撃潜水艦を貸与する
によれば,アクラII型核動力攻撃型潜水艦が2009年後半から10年間,インド海軍に貸与される予定.
該当の原潜はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で建造されており,INSチャクラ(Chakra)としてインド海軍に就役するという.
インドは現在,極秘の先進技術艦(ATV)プログラムの下,国内で3隻の原子力潜水艦の建造を計画しているが,この貸与は,インド海軍が国産潜水艦の開発に先立ち,原子力潜水艦の操作,展開および整備の経験を得る目的だという.
なお,ミサイル技術拡散に関する国際的な規制により,同原潜には長距離巡航ミサイルを装備しないという.
詳しくは同記事を参照されたし.
***
インド海軍原潜・INSチャクラとして就役するのは,K-152「ネルパ」です.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21855314.html
本文記事の末尾で,旧ソ連時代にリースされたチャーリーI型原潜の事に触れられていますが,この時の艦(K-43)も,インド海軍ではチャクラと命名されています.
本文中の「ミサイル技術拡散に関する国際的な規制」というのは,MTCR
(Missile Technology Control Regime)の事でしょう.
この国際規制では,最大射程が300kmを越えるミサイルの輸出は禁止されております.
MTCRには,ロシアも参加しています.
アクラ型原潜は,地上攻撃用巡航ミサイル「グラナート」(最大射程3,000km)を運用出来ますが,インド海軍がリースするK-152「ネルパ」には,当然,「グラナート」は搭載されないでしょう.
ただ,インド海軍に就役後,インドが,自国で開発・生産した「最大射程が300kmを越えるミサイル」を「ネルパ」に装備するのは「自由」です.
MTCRは,そこまでは規制していない.
また,
http://www.bharat-rakshak.com/NEWS/newsrf.php?newsid=10145
によると,インド海軍将兵が訓練を受けているのは,サンクト・ペテルブルク近郊のソスノヴイ・ボルSosnovy
Borです.
ロシア海軍原潜アクラ級の現況
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/32862853.html
ソスノヴイ・ボル

ソスノヴイ・ボルの訓練センター

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/7/5(土) 午後 7:54
※一部改修
◆◆核兵器関連
【質問】
インドとパキスタンは,それぞれ核兵器をどれだけ持っているのですか?
【回答】
両国共に,核弾頭保有数は公表していないが,アメリカの核問題専門誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスト」によれば,2002年現在,以下の通りと推定されています.
| 保有核弾頭数(推定) | 運搬手段 | |
| インド | 30〜35 | ・MiG-27攻撃機×165 ・ジャギュア攻撃機×131 ・ミラージュ2000D(購入交渉中) ・短距離弾道ミサイル「プリトビT」(射程150km)×3〜5 ・中距離弾道ミサイル「アグニT」(1500km):開発中 ・同「アグニU」(2000km):開発中 ・SLBM「サガリカ」:開発中 ・海上発射型弾道ミサイル「ダヌシュ」:開発中 |
| パキスタン | 24 or 48 (他に,30〜52発分相当の核分裂性物質を保有) |
・F-16A/B戦闘機×32 ・短距離弾道ミサイル「シャヒーン1」(700km) ・同「シャヒーン2」(2500km):開発中 ・中距離弾道ミサイル「ガウリ1」(1100km)×12 ・同「ガウリ2」(2000〜2300km):開発中 ・同「ガウリ3」(2500〜3000km):開発中 |
(福好昌治「くすぶる火薬庫『印パ情勢』危険度調査」 from 「丸」 '02 Sep.)
「ガウリ2」ミサイル

【質問】
印パ核戦争が起こる可能性は?
【回答】
福好昌治によれば,どちらが先制使用しても,どちらの側にも被害を及ぼすため,その可能性は低いという.
以下引用.
通常戦力で優位にあるインド軍が,パキスタンに対して先に核兵器を使用することは,まず考えられない.
先に核兵器を使うとしたらパキスタン側だ.通常戦で劣勢になったときに,一挙に戦況を逆転しようとして使うわけだ.
だが,第一撃でインド軍を壊滅しない限り,報復核攻撃を受ける.
現実的には,インドのほうが比較的縦深が深い(東西南北の距離が長い)ため,核部隊を全土に分散することで,パキスタン側の先制核攻撃に生き残ることができる.
これに対し,パキスタン側は比較的縦深が浅い(東西の距離が短い)ため,核攻撃にも大規模な通常戦力による攻撃にも脆弱である(逃げ場がない).
このように考えると,パキスタンが核兵器を先制使用する可能性も低いと言えよう.
加えて,「隣接する印パ両国には,大自然の抑止力がある」と,アジア経済研究所の深町宏樹・研究主幹は指摘する.
「インドがパキスタンに核爆弾を撃ち込めば,死の灰が偏西風に乗って逆流してくる.
また,パキスタンのインダス川からアラビア海に流れこんだ死の灰は,インド西海岸の漁業を壊滅させる.
パキスタンがインドに核爆弾を撃ち込めば,インドにあるインダス支流が死の灰をパキスタン川に流し込む.
ガンジス川も死の灰を流し,インド国内およびバングラデシュのムスリムをも苦しめる」(『世界週報』2002年6月25日号)
国家存続の危機に陥ったときに,パキスタンがインド国内やバングラデシュのムスリムのことまで考えるかどうかは分からないが,国境を接する中規模国家同志の核戦争が想定しにくいことは確かだ.
ただし,これは第三者的立場で見た場合の話であって,当事者は,敵が核兵器を使うかもしれないという,最悪の事態を想定するだろう.
となると,核戦争に発展する恐れがあるため,大規模な通常戦争が勃発する可能性も少ないだろう.カシミール地方での武力衝突は今後も頻発するが,それが第4次印パ戦争に発展する恐れは少ないということだ.
(福好昌治「くすぶる火薬庫『印パ情勢』危険度調査」 from 「丸」 '02 Sep.)
ただし,パキスタン軍部では過激原理主義者が主流派である(アジア経済研究所)ため,狂信的情熱が現実的判断を放棄させる可能性はあるでしょう.
【質問】
インドの核開発の歴史は?
【回答】
インドは元来,平和利用路線に立った原子力開発に熱心であり,独立から9年目の1956年には研究炉の運転を始めた.これは日本や中国よりも早い,アジア初の原子炉だった.
65年には,プルトニウムを取り出すための再処理工場を完成している.
98年のインドの核実験に驚いた日本人が少なくなかったが,独立以来のインドの核研究の蓄積を考えれば,能力的には殆ど意外性がない.
ソースは浅井信雄著「アジア情勢を読む地図」(新潮文庫,2001/12/1),P.215より.
【質問】
インドは1998年,なぜ核実験を断行したのか?
【回答】
「ヒンドゥ国家インドの栄光の実現」のためだという.
以下引用.
事の始まりは1998年.
この年初めの総選挙で,アタル・ビハーリ・バジパイ(1924年生まれ)のBJP(インド人民党)が第一党となった.
バジパイは首相となり,19の政党による連立内閣を発足させる.
第1次連立に加わった各党の共通政策綱領に,
「国際社会でインドの規模と国力に見合った地位と役割を獲得するよう努力する」
「核政策を見直し,核兵器を導入する選択肢を行使する」
とあった.
この2項目は,インド政界の一致した認識を裏付けるもので,極めて重要である.
この2番目の公約が直ちに実行され,5月に2度の核実験が行われる.
国民は熱狂的に喜んだが,国を挙げての歓迎ぶりは,日本人の多くに理解し難いようだった.
その背景は,1番目の公約が雄弁に説明している.
「国際社会でインドの規模と国力に見合った地位と役割」が与えられていないとの不満が,この公約には表明されている.
核保有国となることにより,その欲求不満を解消し,「国力に見合った地位」を回復しつつあると,国民は受け取っているに違いない.
政策綱領に流れる,煮え滾(たぎ)るようなこの情念は,BJPのものである.
BJPは,1925年に組織されたRSS「民族義勇奉仕団」を基盤とする.
RSSの最高目標は「ヒンドゥ国家インドの栄光の実現」である.
それに関連し,30年も前,ニューデリーで私(浅井)が目撃した異様な光景を思い出すのだ.
首都の玄関口,デリー門脇の公園で,総長から集合した制帽・制服姿の青年達が,
「ヒンドゥ主義は至高なり!」
「ヒンドゥ国家,永遠に!」
と叫びながら,軍隊式の激しい訓練をし,講話を受けていたのである.
これこそ,無気味な存在として,インドの新聞にも書き立てられたRSS団員だが,既に「世界40カ国以上に常駐団員がおり,日本にもいる」
と聞いた.
その集団が80年にBJPを結成する.
そして98年,遂に政権を獲得し,核実験で「インドの栄光」を実現したとの熱狂的歓迎に包まれているのである.
栄光の再生は,インドの英語式地名を,植民地化以前の地名に戻す動きにも現れている.
2001年から,カルカッタはコルカタに改名された.既にボンベイがムンバイに,マドラスがチェンナイに変わっているのと同じ流れである.
コルカタの地は,英国がインドを植民地化するときの最初の拠点だったが,英国人に発音し易いように英国式呼称に変えられていた.
外国人旅行者は戸惑うかもしれないが,インド国民には民族的満足を与えるものだろう.
(浅井信雄「アジア情勢を読む地図」,新潮文庫,2001/12/1,p.176-179,抜粋要約)
【質問】
インドの核戦力は,抑止力として有効な状態にはなっているのか?
【回答】
2005年現在,そのような状態にはなっていないと考えられる.
核兵器を抑止力として有効ならしめるためにはまず,相手国の先制攻撃があった場合,相手国に対して,第2撃に使用しうる核兵器システムが確実に生き残る必要がある.
例えば,インドが仮に中国の核脅威を受けた場合,インドの核戦力が第2撃報復戦力として生き残るためには,核システムを分散配備し,防護性の高い施設・サイトに保管するか,もしくは,原子力潜水艦あるいは空中警戒待機する爆撃機に搭載して生き残りを図り,いつでも報復できる状態に維持しなければならない.
相手側による核攻撃か,もしくは通常兵力の精密誘導システムによる先制攻撃によって核戦力が全滅する状態にあるのでは抑止力としての効果は全くない.15
インドの核戦力がそのような抑止力として機能する状態に現実としてあるかといえば,いまだそのような状態にはないであろう.
すなわち,インドがその核脅威に対抗するための最小限抑止力を構築しようと考えているのであれば,まず,高精度の攻撃型核戦力を最小限抑止力としてのレベルまで近代化して配備しておく必要があり,さらに,中国のありうべき核攻撃に対してインドの核戦力が生き残るための実効性のある防御措置をとる必要が生じてくる.16
以上の点に鑑みれば中国は現在,ICBM30基以上,MRBM100基以上を保有しているが,インドはこれに対する最小抑止力としての核戦力を数的には十分保有していると思われる.
しかし問題は,核兵器のプラットフォームの多様化と近代化である.
インド国家安全保障諮問委員会が2001年に核兵器の運搬手段としてミサイル,潜水艦,航空機の3本柱を保有すべきであると提言したのは,インドが抑止力と生き残り性を重視した核戦力運用計画を勧めようとしていることを示唆するものである.
インド政府は,この提言はまだ政策となっていないとしているが,核戦力を整備する場合には当然行き着く結論である.
このままインドの核戦力が近代化されると,今世紀中頃までにはトータルな核戦力としては中国を追い抜くことも予想され,中国がこれに刺激されて核の三本柱を充実させた開発計画を進める可能性がある.
このことは,アジアにおける核軍備競争が再燃する可能性を示唆するものである.
森本敏 in 『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,
日本評論社,2005.10.10),p.204-205
まあ,フランスでも50年かかったんだし.
【質問】
インドが核保有に執念を燃やす理由は?
【回答】
中国の核脅威に対応する抑止力として.
また,南アジアの大国としての指導力を確保するため.
森本敏は,この論理を以下のように批判的に述べている.
その論理は一貫しており,核開発の最大の理由は,中国の核脅威に対応する抑止力としての核保有であり,同時に,南アジアの大国としての指導力を確保するという覇権主義に他ならない.24
インドの核開発は,したがって,第一義的にはあくまで中国を念頭に置いたものであり,パキスタンに対応するためというのは第二義的な理由である.25
他方,インドはグローバルな大国としての強い自負を有しており,そもそも核保有に遅れたため,大国でありながら5核保有国の仲間入りができなかったことに不満を持っていると思われる.
したがってインドは,全ての核保有国が核廃絶を実現するか,そうでなければ自らが核保有国となる以外にはないという結論に至ったのであろう.
インドが従来より,核は究極的に廃絶されるべきであり,核保有国は核全廃のタイム・テーブルを提示して全廃に向けた努力をすべきであると主張してきたことは,以上の結論を裏付けるものである.26
すなわち,核不拡散には主旨として賛成できるし,核実験は禁止されるべきであるが,核保有国は核全廃のタイム・テーブルを明示せず,核全廃に向けた努力をしないどころか,その核兵器・技術を他国に供与するような国,例えば中国の対応は許し難いものであり,核保有国のみによる核独占を認知した不平等条約という性格を持つNPTは受け入れられないというものである.
CTBTについても核保有国以外の国にのみ法的義務を負わせるものであり,受け入れられないという論理である.27
もっともインド内で,CTBTは結局,核保有国にも核実験禁止を義務付けるものであり,インドが追求している核開発の阻止,核軍縮の進展に寄与するものであるから,反対するのはおかしいという意見がないわけではない.
しかしながらインドは,一方でNPTを核保有国による核独占体制と決め付け,核全廃を目指しつつも,それが実現できないという現実の中で自らがNPTの趣旨に反する核開発の途を選択したのであり,これはインドの現実主義をよく表している.28
しかるに,インドはNPT体制が不平等条約であると主張しつつ,他方において,中国に対する最小限度の核抑止力を保有するという理屈をつけているが,これ自体が論理的に矛盾している.
さらに,中国の核開発に対する最小限抑止力として核開発を進めるという論理自体が覇権主義的であり,核戦力に対応するのに核開発によって抑止力を構築するという選択を冷戦後に行ったところに,インドの時代錯誤的発想がある.
また,インドによるこのような核戦略の見方は,例えば,日本が米国の核抑止の傘の下にあって国家の安全保障を確保しているのは,日本が核を装備しているのと事実上変わらず,したがって,他国の核開発に異論を唱える立場にはないという意見をとるインド人が多いことに示されている.
このことは,核の脅威に対しては核による対応しか存在しないという伝統的な冷戦期のパワー・バランス理論以外で核抑止を考えることのできない思考であり,かかる思考自体が論理的に破産しているといわざるを得ない.
(24) Jasjit Singh, Nuclear India, Institute for Defence Studies and Analyses, New Delhi, 1998.
(25) Neil Joeck, "Access Asia Review: Nuclear Developments in India and Pakistan, "The National Bureau of Asian Research (NBR), July 1999.
(26) George Perkovich, "India's Nuclear Weapons Debate : Unlocking the Door to the CTBT," Arms Control Today, May/June 1996.
(27) A. Z. Hilali, India's Strategic Thinking and Its National Security Policy," Asian Survey, Vol.XLI, No.5, September/October 2001, pp.737-764 および Walter Andersen, "Recent Trends in Indian Foreign Policy," Asian Survey, Vol.XLI, No.5, September/October 2001, pp.765-776.
(28) Deepa M. Ollapally, "Mixed Motives in India's Search for Nuclear Status," Asian Survey, Vol.XLI, No.6, Nobember/December 2001, pp.925-942.
森本敏 in 『南アジアの安全保障』(日本国際問題研究所編,
日本評論社,2005.10.10),p.207-209
もっとも,中国の核戦力に対応するのに,他の方法があるか,となると…….
【質問】
インドの核,軍民分離で米と合意…核保有,国際認知へ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060302i114.htm
という記事が出たのですが,これは6番目の核保有国としてインドを認める,ということでしょうか?
>合意は,インドが民生用核施設に対する保障措置を受け入れる代わりに,
>米国を始め国際社会が事実上,インドの核計画を承認することを意味し,
なぜインドが核関連施設を軍事用と民生用を分離すると,国際社会が事実上,インドの核計画を承認することになるのでしょうか?
軍事用は軍事用で核放棄するよう圧力をかければいいのでは?
【回答】
圧力じゃ埒が明かんということでこうなったわけでしょ.
既にインドが核技術と核兵器を保有していることを無視して,
「何が何でも核保有は認めん!」
と言っていても仕方がない.
むしろそう言いつづけることで,かえってインドが勝手に核技術や核兵器を自分たちの判断で勝手に運用してしまう危険がある(というか既にそうなりかかっている)
それならば,既にインドが核武装し核技術を持っていることを容認した上で,最低でも民生用核技術を監視,管理する枠組に組み込もう,ということ.
100%野放しよりは1%でも監視,管理できる方がマシでしょ.
軍事板
核拡散防止条約(NPT)にインドが加盟しているいない,ばかりが取り上げられている本件です.
しかしその本質は,米が打ち出した「インドとのきわめて高度で現実的な戦略関係の構築」であり,原子力は「ツール」(だし)に過ぎません.
したがって本件とイラン問題は次元が全く違う話で,同列で論じてはいけない性質ですね.
なお,いろいろかしましい核兵器保有に関する議論については,現実的には「95年の「NPT無期限延長」以前に核兵器を取得していたか否か」がすべてのカギを握っているようです.
わが国と本件に関して,EEE会議の金子さんは3月26日,以下のような見解を示しておられます.
「・・・
インドを「別格」として国際政治上の大国たる責任を持たせたほうが,核拡散防止にも国際平和の維持にもプラスになるというポジティヴな発想に切り替えることこそ重要だと思います.
とくに日本の場合,対中戦略の一環として「インド・カード」を重視する必要があります.
日米同盟に加えて,日印がスクラムを組んで中国を牽制(必ずしも敵対ではない)することが肝心で,そのための原子力協力を進めるべきです.
さらに言えば,インドの原子力発電を支援することは地球温暖化防止にもプラスです(この点は対中原子力協力も同じ).
このようにできるだけ多角的,総合的に日印関係を見るべきで,核・原子力という狭い視点だけで論ずるのはむしろ危険だと思います.
ブッシュ政権は極めて戦略的にインド問題を考えているわけで,この点は日本も見習わないといけません.
5.最後にただ1つ,日本特有の難しい問題点があるとすれば,言うまでもなく,日本は世界で唯一の被爆国であり,反核(非核)感情が根強く,曲がりなりにも核軍縮(第6条)を謳うNPTを是とし,これを堅持しようとする気持ちが強いことです.
小生は,日本人のNPTに執着する気持ちは,あたかも憲法第9条にしがみつく気持ちに似ていると考えています.現実主義より理想主義を良しとする心理です.
しかし,言うまでもなくNPTは決して万能ではなく,これを金科玉条視すべきではありません.出来るだけ早期にNPT至上主義を改め,事なかれ主義の硬直した日本の核・原子力外交を大きく転換すべき時です.
とりわけインドをNPT非加盟,核兵器保有というだけで色目で見,疎外するのは不適当かつ不得策です.
このことを政治家や役人,一般国民に理解し,納得してもらう必要があります.そのためにはもっとインド問題に関心を持ってもらわねばなりませんが,そうするには現在の日本のマスコミのインド問題に関する報道や論評はあまりにも低調すぎます.
ここをどう打開するかが当面最大のポイントであると考えます.
・・・」
(3/26 EEE会議)
【質問】
ということは,アメリカは6番目の核保有国としてインドを正式に認めたわけですね.
でも,そういった形で認めてしまうと,インドが核保有国として国際社会に認められるに至った軌跡を辿りさえすれば,いかなる国でも,技術さえあれば核兵器を持つことが可能になるのでは?
だって,組み立てて実施テストまで持って行ってゴネればいいわけでしょう?
【回答】
インド・パキスタンは核拡散防止条約に最初から加盟していません.
国際慣習法には「一貫した拒否」とか「一貫した反対国」とかいうものがあって,ある決まりごとが(明文化されていようといまいと)始まったその当時からずっと反対し続けている国に対しては,その決まりごとを強要できないというものがあります.
つまりインド・パキスタン,それに核拡散防止条約に加盟していないイスラエルやキューバに対して,
「核兵器を持つな」
という決まりを押し付ける国際法上の根拠が無いのです.
インドが「辿った道」というのは「NPTに加盟しなかった」ということで,この道を辿ることができるのはほんの数カ国しかないのです.NPTの加盟国は181カ国もあるわけですから.
イラクや北朝鮮は,NPTに加盟していながら核武装を図ったので,とりわけ問題視されたと言えます.
「辿りさえすればいいわけでしょう?」
と一言で言っても,そうできるかできないかは国によって置かれた状況が異なるし,当然「辿る」過程で他国は圧力を掛けて計画を潰そうとするでしょうね.
それにインドって,あれだけの人口を抱えながら,食糧も資源もそのほとんどを自給自足しているという,かなり特異な国なんですよ.
だから,核保有を理由に経済制裁を科しても効果が薄い.
インドが核保有を認められた背景には,インドが世界有数の大国だという他に,そうした理由もある.
はっきり言って,そんな国はインドの他にはないと言っていいので,他の国がインドの真似をしても,インドのように核保有がなし崩し的に認められる,ということは考えにくいかと.
また,現実問題として核兵器というものは,「技術と原料さえあれば作れてしまう」もの.
それを防ぐ事は現実問題として不可能だ,ということ.
「現実に可能だし,抜け道もある」もので,「結局核兵器を保有するかしないかは,その国が持とうと思うかどうか」(まぁ現実には資金の問題とかが関わってきて,”どんなに保有の意志があっても持てない”国もあるだろうが)でしかないとする.
ならば,
「核兵器を持っていいのはオレとオレが認めた国だけだ! それ以外の奴が持つことなんか絶対に認めねぇ!」
と叫んだところで,何も意味がないわけだ.
そこで
「オレは絶対に認めない.もし持つっていうならぶっ殺す」
という手段は,既にIT関連を筆頭として経済的関係の深いインドにはもう取れない,とアメリカは考えたのだろう.
現実を無視して理念を追い求めても,結局特にならないばかりか損になる.
であれば現状を少しでも自分に有利な形で追認するしかない.
全知全能の神ならぬ国家の選択肢としては合理的決断だろう.
要するに,今回の件は「インドに限った話」.
【質問】
インドに限った話のつもりだったのに,そうにはならない可能性が高いのでは?と思ってるんですが.
【回答】
可能性は高い.
しかし潜在的に核武装が可能な能力があるのなら,やる時にはやってしまうということ.
今,アメリカがインドの核武装を願として認めないー認めようが認めまいが,既に核武装しているわけだがーという態度を厳守しようが,その点は変わらない.
「これをきっかけに世界中のヤバイ国が我も我もと核武装し始めたらどうするんだよ!」
という危惧はもっともだが,インドに関して言えば,既に核武装してるんだからそういうことを言ったところで無意味,というか関係ない.
むしろ,
「核武装したければ,アメリカが提唱する,このような手続きを踏まえなければならない」
という前例が作れたということで,今回の件は有意義であるといえる.
繰り返すが100%野放しよりは1%でも監視,管理できる方がマシ.
厳しい決まりを作ってる筈なのに抜け道だらけ,核武装してることは暗黙の了解なのに,公式には「持ってない」ことになっている・・・という現状よりは,ずっとよい.
また,NPTに加盟していない国が核武装するのを見過ごすのと,NPTに加盟している国が核武装するのを見過ごすのとでは,意味が違います.
後者はNPT体制の崩壊を意味しますから,アメリカを始めとする核保有国はきわめて強力に妨害してくることは明白です.
【質問】
米印原子力協定で,インドはどんな得をするのか?
【回答】
今回の合意で米国からのウラン燃料の供給が得られることになり,インド側は大助かり.
また,原子炉8基は「軍事用」で査察の対象外となるので,自由に核兵器用のプルトニウム製造ができ,計算上は年間で50発の核弾頭の製造が可能となるという.
以下引用.
インドは今回の米印合意で,22基の原子炉のうちの14基を「民生用」として2014年までに国際核査察下におくことを約束しましたが,ということは,他の8基は「軍事用」で査察の対象外となるので自由に核兵器用のプルトニウム製造ができ,計算上は年間で50発の核弾頭の製造が可能となるということのようです.
米国側は,当初年間6〜10発の製造能力に抑えようとしたものの,インド側の抵抗がつよく,交渉が難航し,ブッシュ大統領自身が訪印直前に決断を下したものだということです.(ちなみに,もし年間50発のペースで製造し続ければインドは10年以内に中国の核戦力に拮抗できる計算で,新たな中印核軍拡競争も懸念されるでしょう.)
インドは元々天然ウランの埋蔵量が少ないので,国産のウランはすべて核兵器製造に廻し,発電用の原子炉には,海外からウラン燃料を輸入するのが得策と考えられ,今回の米印合意によりまさにそれが可能になるわけです.
とくに1960年代に運転開始したタラプール原発は,米国製軽水炉(BWR)で,1974年の核実験以来米国からの取替え燃料の供給が全面禁止されていましたが(一時フランスが肩代わり),今回の合意で米国からのウラン燃料の供給が得られることになり,インド側は大助かり.
おそらくタラプール原発の使用済み燃料の再処理も,今回の合意に含まれているはずで,1977年の東海再処理工場の運転問題を巡る日米交渉で日本側が獲得したものをほぼ30年目にしてついに獲得したわけです.
そういう点も含めて,今回の米印合意は,インド側の「粘り勝ち」と言ってよいでしょう.
(後略)
【質問】
アメリカがインドの核は認めて,イランや北朝鮮の核は認めないというのは矛盾ではないか?
【回答】
米印原子力協定ですが,
・インドは22箇所の核関連施設のうち,14箇所でIAEAの査察を受け入れる
・インドが建設する民生用核施設はすべて査察対象とする
・インドとIAEAは恒久的な査察体制の協議に入る
・米国はインドに原子力技術や核燃料を提供する
・協定発効には米議会のほか,原子力供給国グループ(わが国を含む)の合意
が必要
というもので,各国の各レベルで協議が行なわれています.
核拡散防止条約(NPT)にインドが加盟しているいない,ばかりが取り上げら
れている本件です.
しかしその本質は,米が打ち出した「インドとのきわめて高度で現実的な戦略関係の構築」であり,原子力は「ツール」(だし)に過ぎません.
したがって本件とイラン問題は次元が全く違う話で,同列で論じてはいけない
性質ですね.
なお,いろいろかしましい核兵器保有に関する議論については,現実的には
「95年の「NPT無期限延長」以前に核兵器を取得していたか否か」がすべての
カギを握っているようです.
わが国と本件に関して,EEE会議の金子さんは3月26日,以下のような見解を 示しておられます.
・・・ インドを「別格」として国際政治上の大国たる責任を持たせたほうが,核拡散 防止にも国際平和の維持にもプラスになるというポジティヴな発想に切り替えることこそ重要だと思います.
とくに日本の場合,対中戦略の一環として「イ ンド・カード」を重視する必要があります.
日米同盟に加えて,日印がスクラムを組んで中国を牽制(必ずしも敵対ではない)することが肝心で,そのため の原子力協力を進めるべきです.
さらに言えば,インドの原子力発電を支援することは地球温暖化防止にもプラスです(この点は対中原子力協力も同じ).
このようにできるだけ多角的,総合的に日印関係を見るべきで,核・原子力と いう狭い視点だけで論ずるのはむしろ危険だと思います.
ブッシュ政権は極め て戦略的にインド問題を考えているわけで,この点は日本も見習わないといけ ません.
5.最後にただ1つ,日本特有の難しい問題点があるとすれば,言うまでもな く,日本は世界で唯一の被爆国であり,反核(非核)感情が根強く,曲がりな りにも核軍縮(第6条)を謳うNPTを是とし,これを堅持しようとする気持ちが 強いことです.
小生は,日本人のNPTに執着する気持ちは,あたかも憲法第9 条にしがみつく気持ちに似ていると考えています.現実主義より理想主義を良 しとする心理です.
しかし,言うまでもなくNPTは決して万能ではなく,これを金科玉条視すべきではありません.出来るだけ早期にNPT至上主義を改め, 事なかれ主義の硬直した日本の核・原子力外交を大きく転換すべき時です.
とりわけインドをNPT非加盟,核兵器保有というだけで色目で見,疎外するの は不適当かつ不得策です.
このことを政治家や役人,一般国民に理解し,納得 してもらう必要があります.
そのためにはもっとインド問題に関心を持っても らわねばなりませんが,そうするには現在の日本のマスコミのインド問題に関 する報道や論評はあまりにも低調すぎます.
ここをどう打開するかが当面最大 のポイントであると考えます.
ただし,
「民生用の平和利用なら・・・」
という主張はイランも北朝鮮もしており,
「なぜインドに認めてわれわれには認めないのか?」
との反発は当然予想されます.
(余談)
米がインドに核技術を移転する根拠としているのは「民主主義国家だから」ということのようです.まことに勝手な言い草です.
しかし,いつもお伝えしていますが,国際社会というのは弱肉強食のヤクザの世界です.強いものの言い分が通る理不尽な社会です.
その中で各国は生きてゆかなければいけません.
国際舞台に立つ人は,国際法の本よりも「山口組三代目」や「仁義なき戦い」を熟読したほうがずっとためになるかもしれません.(笑)
(余談終わり)
【質問】
米国によるインドの核兵器容認に対し,パキスタンはどう考えているのか?
【回答】
大変に不満に思っているが,アメリカがパキスタンを完全に切り捨ててしまわぬよう,対テロ協力をいっそう進めたいと考えている模様.
隣国パキスタンは「核に関して米は自分達と違う扱いをしている」ことを大変不満に受け止めています.
パキスタンのマスード退役陸軍中将は,2006/3/2のパキスタン紙「DAWN」論説の中で,米国が南アジアに関与する要因として,
・民主国家インドの経済,軍事面での台頭
・対テロ戦争でパキスタンがもつ中核的役割
・南アジア地域の核問題
・パキスタンの地政学的位置とイスラーム諸国に対してもつ影響力
を根本的な要因,
・先行き不透明なイランの核危機
・イスラーム産油国での政情不安拡大
・アジアにおける中共の経済・軍事面での台頭
を付随的な要因とし,付随的要因については
「米がアフガンやイラクに侵攻したために浴びた『死の灰』」
と表現しています.
米がインドの核利用を認めた背景にあるのは中共への抑えですが,パキスタンは,これに伴ってインドが地域の覇権を握ることを懸念しています.核の均衡が事実上破れたわけですから.
パキスタンは当面,米印の戦略関係構築を
「パキスタンを切り捨てるゼロサムゲーム※」にならないようにしなければいけない,と考えているようです.
(※両者と並行した関係を結ぶのではなく,いずれか一方を切り捨てること.
例:中共と国交を結んだ米国やわが国は,それとともに,台灣との国交を断絶しました)
それにあたってパキスタンは,対テロ戦争での米との協力が極めて重要と見ているようです.
米軍プレゼンスをパキスタンからなくさないため,パキスタン-アフガンの関係をより密着させ,現在米が最優先にしている「対テロ戦争」への軍事協力という面で米パ関係を確固たるものにしておきたいようです.
同時に,イスラーム世界と米国をつなぐ存在として,その存在感を高めてゆこうとの方針も持っているようです.
最終的に核の平和利用を実現し,経済的な協力関係を深化させるためにも,米との関係をより広く構築しておくことが重要.というのがパキスタンの指針なのでしょう.
ブッシュ米大統領は南西アジア歴訪最初の訪問先として,1日にアフガンを電撃訪問していますが,これはパキスタンの姿勢に配慮したものと見られます.
マスード退役中将は論説の中で,
・パキスタンを核取引の世界から除外したいのなら,イランからのガスパイプライン建設がパキスタンにとって死活的に重要となること
・米はF16をパキスタンに売るとしているが,パキスタンはそれとともに最新鋭戦闘機(FA22のことでしょうか)もあわせて適切な価格で提供してもらいたいと考えていること
・米パ首脳会談でムシャラフ大統領は,この2点をテーブルに上げる必要がある,
とも述べています.
2月28日に「中共がパキスタンに原発2基の供与で合意」というニュースが流れましたが,この合意が履行された場合,04年に中共が加盟した,核関連物質・技術輸出を規制する原子力供給国グループ(NSG)の指針に抵触する可能性があります.
この報道はパキスタンがリークしています.米に対するメッセージと受け止められなくもありません.
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