『おい、餓鬼……聞こえてんのか?』

「…………」

『こら、起きろよてめぇ』

「…………」

『おーいおーいおーい』

「………うるさいわね、少し休ませなさいよ」

『お? やっと起きたか?』

「………何よ、もう寝かせてよ」

『はっ、何言ってんだよ餓鬼……俺様の所有者が簡単に死ねると思ってんのか?』

「………それじゃあ私まだ生きてるの?」

『当たり前だ、つかさっさと起きやがれっ! 傷塞いでやってるんだから誰かに治癒頼め』

「本当に口の悪い相棒だこと……、で? 後何分持つの?」

『大体30分程度だな……っておいおい、まさかお前』

「………当たり前でしょうが、負けっぱなしで終われるか」

『本気で死ぬぜ?』

「はっ、あんただって負け犬の相棒に今までついて来たわけじゃないでしょうが」

『…………』

「どうなのよ? ―――応えろ、草薙」

『くっくっく、そりゃそうだよな……了解だ、我が相棒』

「なら……さっさと行くわよ、気合入れて傷塞いどいてよね」

『はーはっはっはーっ! 最高だぜ……我が主人、我が担い手っ!!』

「うっさい、黙ってろ―――戦闘狂」

 

そして―――戦鬼は起き上がった。

手には一振りの魔を討つ聖なる剣、―――その名も"天の叢雲の剣"

天を裂き地を裂き海を割る、伝説の天駆ける大蛇の剣。

ただ魔を斬る事にだけ特化した"全ての魔を切り裂く剣"の称号を持つ最強の一振りの一つ。

それがこの草薙の剣と呼ばれた究極の戦闘狂を表す伝説である。

 

「何よ、意外に動けるじゃない」

『あたりめぇだっ! 俺様をちゃんと解放すればこのぐらいの魔法行使……楽勝だぜ』

「なるほど……これって魔法だったんだ、いつもなんか体が軽くなると思ってた」

『だが相手は吸血鬼、油断してたら負けるぜ?』

 

 

「―――あぁ、それなら心配ないわよ……それよりもっと心配なのは獲物を先に誰かに取られる事だけよ」

『はっ! 心強いぜ、天を狩る聖女さんよ』

「………その名前はもう棄てたわよ、あんたを手にした時からね」

 

 

 

 

ロードナイツ

 

第十六話

「出撃、カノン学園」

 

 

 

 

「ティンクル学園長、ご決断を……」

「……生徒を戦場にですって? 王国もふざけるのはいい加減にして欲しいわね」

「し、しかし、これは水瀬秋子様からの勅命で……」

「わかっています……、あの"次元使い"に頼まれたら王様だって了承してしまいますよ」

 

次元使い、とある限定下でしか発動できない伝説の魔法を使う事が出来るらしい魔法使い。

らしい……っというのは誰も見たことがないわけで、実際に使えるのかどうかはわからない。

しかし、魔法界で認定されているのが動かぬ証拠……水瀬秋子は"それ"を使える。

だから誰も不思議に思わない、誰もが水瀬秋子の力を信じ敬っていた。

だが……その水瀬秋子が私の学園の生徒に戦争に参加させる命令を出すとは思わなかった。

……そこまでカノンが追い込まれているということですかね?

 

「まったく、王国の兵士は何をやってるんですか……」

「消耗が激しく王国の警備がやっとなのでしょう」

 

やはりそうなのか、まさかカノンがここまで脆いとは……。

守りに長けているといざという時応戦できないいい教訓ですね、これは。

 

「―――わかりました、アーレン先生……今学園内に残っている序列生徒を集めてください」

「了解しました……、直ちに調べさせます」

 

アーレン先生はそういって学園長室から退室した……。

ふぅ、しかし今日は休日……序列生徒といえどもどれだけ残っているか。

しかし、まともに戦争で戦える者達は序列生徒以外にはいないというのも事実。

―――そういえば相沢祐一はどうしたんでしょう?

まああの相沢祐一ならば……放っておいても大丈夫でしょう、カノン騎士団よりは働いてくれるでしょうから。

 

 

 

 

「学園長、校内に残っていた序列生徒を連れてきました」

「お疲れ様です、アーレン先生」

 

数分後、アーレン先生が連れてきた魔法生徒が学園長室に入ってきた。

………全部で8人ですか、かなりの数が残っていたようですね。

何れも一度は見た事がある顔ぶれ、やはり他の生徒とは一味違う雰囲気が漂ってますね。

 

「1年生の序列生徒が3人、2年生が4人、3年生が1人でした」

「そうですか、それでは一人一人名を名乗ってください」

 

私がそういうとアーレン先生は頷き生徒を促す。

すると1年生達がまず先に一歩前へ歩み出て次々に名乗り出す。

 

「1年、序列1位……倉田一弥(くらたかずや)です」

「えっと……、序列5位の美坂栞です」

「1年の3位、光守司(こうがみつかさ)」

 

倉田家の長男に美坂家次女、それに光守家次男ですか……。

何れも有名な貴族ですね、普段は戦争などに参加する身分ではないはずですが……王国の命令なら仕方ありません。

この子達にも戦闘に参加してもらいましょう。

そして、1年生が名乗り終わると次に2年生達が前に歩み出る。

 

「2年生の序列2位、久瀬英貴です」

「2年の序列7位、美坂香里です」

「2年、序列8位の斉藤健二(さいとうけんじ)」

「同じく2年の序列9位……槇村剛毅(まきむらごうき)」

 

こちらもまた……凄い組み合わせですね。

久瀬家長男に美坂家長女……まったく、これも何かの陰謀でしょうか?

もし貴族連中にこの事が知られたら一斉に抗議に来るかもしれませんね。

そして2年生が名乗り終わり、最後に1人腕を組んで静かに自分の番を待っていた男子生徒がゆっくり歩み出る。

 

「3年の序列3位―――築地玲二(つきじれいじ)だ」

 

築地玲二……あぁ、あの魔法剣士ですか。

川澄舞には及ばないまでもその剣戟は中々のものと聞きます、これは拾い物ですね。

 

「それでは今ここにいる8人で編成を組みたいと思います」

 

そうですね、丁度偶数ですし半分に分けましょうか。

パワーバランスを考えて……そうですね、こうしましょう。

 

「まずA班は倉田一弥、久瀬英貴、美坂香里、そして槇村剛毅」

「―――なっ、が、学園長!?」

 

すると美坂香里が急に顔を上げてこちらを睨む。

………仮にも学園長になんて態度ですか、まったく……教育をする必要がありますね。

まあ気持ちはわかりますがここでは私に決定権があります。

 

「何ですか? 美坂香里さん?」

「えっと、ですから……私は……」

「妹が心配……とでも言うつもりですか?」

「………いえ、何でもありません」

 

美坂香里はそういって一歩後ろに下がりました。

………頭は悪くないようですね、自分の現在の身分を弁えましたか。

そういう生徒は嫌いではありません、今私達が必要としていうのは優秀な駒ですから。

 

「ならば続けます、続いてB班は美坂栞、光守司、斉藤健二、築地玲二とします」

 

これが今考えられるベストメンバー、しかし今ひとつ不安が拭えませんね。

やはり生徒達には戦争などまだ早い……、悔しいですがこれはれっきとした事実です。

しかし……これ以上の戦力増加は望めないみたいですし……。

川澄舞、倉田佐祐理、北川潤がいればまだ安心できたのですが……仕方ないですね。

 

「それでは学園長、いくら序列生徒とはいえ教師の引率は必要でしょう?」

 

私のそんな思案を読み取ったようにアーレン先生が一歩前にでてそういった。

………なるほど、引率という名目ならば問題ないですね。

王国から出た指示は「カノン学生の戦闘参加要請」だけです、教師の引率については何も触れてない。

ならば……これでもう決定ですね。

 

「当然です、アーレン先生はA班の引率をお願いします」

「それならばB班はどうしましょうか? アレグリガ先生にでも頼みますか?」

「その心配はありません……B班の引率は学園長である私が直々に行います」

 

―――瞬間、学園長室に「えぇーーーっ!?」っという叫び声が木霊した。

……そんな可笑しな事を私言いましたでしょうか?

 

 

to be continue……

 

 

 

 

 

 

あとがき

第十六話いかがでしたでしょうか?

麻衣子復活〜?(ノ´∀`)ノ

「学園長、発進しまーす!」それってどんなガンダム?

多分管理人萌えランキングTOP10には入る学園長先生です!

……え?まだそんなに女の子キャラ出てないって?

―――そんなこという人嫌いです(つAT)

用語辞典そろそろちゃんと作った方がいいかな?

 

 

 

 

―――第十六話★用語辞典―――

 

製作中

Ads by TOK2