Have the sword of victory

Even if blood is lost

Even if tears wither and are exhausted

I do not give it up

Brandish magic and the sword

Victory is the near future

Now raise the standard of revolt

 

―――Introductory chapter of counteroffensive―――

 

 

 

 

ロードナイツ

 

第三十一話

「反撃の序章」

 

 

 

 

「うぐぅ………このままじゃまずいよね」

 

呟きは、とある一室から。

薄暗い部屋に一人、まだ年端もいかないような少女が光り輝く球体の前に座っていた。

その少女が見ていた光る球体の中には二人の魔族が映っている。

 

「未だに防壁は第7まで修復不可能だし、天使さんは劣勢だし……」

 

少女はもう一言「うぐぅ……」と呟くと、いったん眼を閉じて両手を球体の前に掲げる。

すると球体に映っていた映像は切り替わり次に城内が映し出された。

 

「秋子さんはまだ……他に魔族に対抗出来る人はいないし……うぐぅ」

 

どうにも状態が面白くない、このままでは反撃の機会さえ失う。

城内の戦闘においては絶対的な優位を獲得していた神埼でさえ数分ももたなかった。

………これじゃあ天使さんと秋子さんのみで敵を撃退するしかないのだろうか?

絶対的に盤上の駒が足りない、しかも残っている駒はキングとクイーンのみ。

このままでは簡単にチェックメイトにされてしまう、さて……この状況でお前はどう動く?

 

「うぐぅ〜、難しい事はわからないよ〜」

 

―――だろうな。

 

 

 

 

「―――いくぜっ!?」

 

吸血鬼は駆けながら天使を睨みつける。

―――魅了の魔眼、吸血鬼が必ず持ち合わせている先天的な魔法の瞳。

相手を従属させる為に精神効果を付属させた視線を交差させる事により相手を支配する魔法。

しかし、対する天使にはまるで効果は現れていない。

……この魔眼は相手の対魔力が自分より強ければ意味がないし、その上同じ程度でも抵抗が出来るという使えない付属品だ。

牙紗の魔力は強くない、牙紗自体が魔法に頼るタイプの吸血鬼ではないからだ。

 

『―――――っ!!!』

 

天使は言葉にならない何かを発するが自らの誓約を解除した吸血鬼の体には軽く傷をつける程度で終わってしまう。

それを見て、吸血鬼は笑う―――自らの勝利を確信して―――!!!

 

「おらぁっ!!!」

 

吸血鬼は爪を剣のように伸ばしながら振り下ろす。

その一撃は確実に天使の体を切り裂きそのまま体を両断する。

―――だがまるで蜃気楼のように天使の体が揺らめくとそのまま元の形に戻ってしまう。

 

「ちぃ―――っ!!!」

 

吸血鬼は一つ舌打ちすると振り下ろした手を捻りもう一度天使を切り裂く。

だが天使の体はやはり元に戻る、まるで空気を相手にしているような感覚。

しかし天使はそこに存在する、ならば―――この天使は本当に本物かという事だ。

 

「おい魔法使い、本体を見つけられるか!?」

「待て……、探知の魔法でも使えればいいんだが今の状態では―――」

「ならいい、―――引きずり出してやるさ」

 

―――天使に向かい吸血鬼は右腕を突き出した。

だがやはり天使の体には手ごたえがなく、簡単に天使の体を突き抜けてしまう。

しかし、吸血鬼はニヤリと笑い……そのまま腕をさらに突き進ませる。

吸血鬼に次元を移動する力はないが……繋がりを見つける事ぐらいは出来る。

まるで砂の中に紛れた一滴の大きさの変わらぬ石を探すような作業だが、吸血鬼は一発で探り当てた。

 

「―――見つけたぜ? 天使の本体さんよ?」

「……何処だ、俺が行ってくる」

「この奥だ、おれっちはその間こいつの相手をしてる」

「わかった……、適度に戦ったら退いて構わん」

 

魔法使いはそういうと駆け出し天使と吸血鬼の横を通り過ぎる。

天使はそんな魔法使いの行動を見て、顔を向けようとするが――吸血鬼に邪魔される。

 

「お前の相手は―――おれっちだろう?」

 

 

 

 

「起源者……根元たる人間と言ったところですか、次元使い」

「やはり起源については魔族の方が詳しいみたいですね、その通り……私は"その"起源者です」

 

起源者、人間の根元になる力と呼んでいいのかさえわからない人間本来の力。

古代人達が魔法という科学を知らず、その上剣などの武器を装備していなかった頃に魔族と対抗していた純粋なる力。

詳しくは未だにわかっていないが、その力は生という中にある誰もが持ち合わせている当たり前の力だ。

しかし、起源に至る者は少なく……それ故に幻とされた絶滅魔法にカテゴリーされている原初の魔法。

つまり起源とは生きとし生けるモノなら魔族だろうが人間だろうが共通して持っている絶大なる"生"の力。

輪廻転生さえ利用するその力は生の極限に位置する規格外の象徴であった。

 

「つまり、あなたはその化け物だと……そういうわけですか」

「……残念ながらそれは古代人の話です、現在の起源者はそこまでの力はない」

 

そう、それは古代人の話。

絶大なる力を発揮した古代人とは違い、今の起源者達の力は劣っている。

だが、それでも強力な力なのだが。

 

「魔法使いや剣士の極限が私達、起源者―――つまり越えし者……"ロードナイツ"」

「ロードナイツ……まさしく人類最強の兵器達という事ですか」

「そう、それが二つ名という規格外を現した識別名称なのですよ」

 

そして過ぎた力を発現した者、人間にとって害にしかならない者達を指す侮蔑名でもある。

だが、多くの魔法使いや剣士達はそれを目指す。

起源に至ろうとする、起源という力に惹かれる。

 

「つまりあなたは―――」

「そうですよ、あなたは先ほど人間じゃないといいましたけど……私は確実に人間です」

 

ちょっと特殊なね……っといって次元使いは笑う。

その笑みはまるで、死神のようでまた女神のように暖かく冷たい笑みだった。

 

 

 

 

「―――カノンは未だ劣勢、でも大分持ち直してるみたいだね」

 

呟きは――雪降る町の空に融けるように消えていく。

銀髪の少年は、とある住宅の屋上からカノン全体を見下ろすように立っていた。

その右腕には色々な色の血痕に染め上げられた短剣が一振り握られていた。

しかしそんな事を気にしていないように少年はただ微笑を浮かべながらある一点を見つめる。

その視線の先には、胸を貫かれた一人の少年が映し出されていた。

 

「傍観者……か、これは見物だ」

 

そう呟き、少年は目を細める。

―――しかし、倉田佐祐理の実力は予想外だった。

カノン学園三年の部で第二位という位置にいた為一応は警戒していたが……まさかあれほどの実力者とは。

ついつい川澄舞にのみ眼が行きがちだったが、とんだ伏兵がいたものだ。

空間転移……ですか、まさかそんな"面倒くさい魔法"を使うなんてね。

まったく、本当の専門はどんな魔法系列なんだか……どうせなら瞬間移動魔法を扱えばいいのに。

まあそんな魔法を使えるならカノン学園なんて在籍してませんか。

……いや、扱えるからこそ在籍しているという場合もあるんでしょうけどね。

 

「まあその二人でも、流石に幻想種レベルには梃子摺ったようですね」

 

それも当たり前……か。

いくら川澄舞がカノン学園最強といってもそれは純粋な力でしかない。

実戦ともなればその力でも本来以上の力を出す事は出来ないんでしょう。

それに……あの力は使ってないみたいですしね、やっぱり"アレ"には未だ抵抗はありますか。

まあどちらにしても、負けは負け……完璧なる敗北ですね。

 

「さて、カノン代表たる川澄舞にも倒せない幻想神種にどう立ち向かいますか?」

 

 

 

 

さて―――これはどういう状況だ?

 

取りあえず見たままを考えよう、俺の体に剣を突き刺しているのは麻衣子っぽい誰か。

多分こいつは剣を振り下ろした体勢で止まってるから俺の登場は予想外の事だったと……。

そしてそんな俺達を取り巻くように何人かがこちらを見て仰天してる。

う〜ん、怪しいといえば一人だけ全てを解ってるようにニコニコしてるあの女の子か。

……それにしても何でいきなりこうなるんだ?

こんなに一方的に殺されたんでは納得いかないぞ、まったく。

 

「で? 誰が何の用で俺をここに呼び出したんだ?」

「あ、移転させたのは私です」

 

俺の質問に間髪いれず答えたのはやはり笑っていた女の子だった。

……あれ? この女の子何処かでみたような……?

―――あ、思い出した……さっき廊下で俺の事尾行してた子じゃないか。

 

「取りあえず理由を聞こうか……」

「別に大した事じゃないですよ〜、ただ佐祐理は"最強の盾"を使ったまでです」

「……はぁ、いい度胸だなあんた」

 

あまりに普通そうにそういうのでこちらの気が抜けた。

最強の盾……ね、そういう使い方は出来れば本人に了承を取ってから行ってくれ。

まあ絶対に許可はしないけどな、痛いの嫌いだし。

それにしても……俺の事を正しく理解してるって事か、よほどの情報通か秋子さん繋がりか。

どちらにしてもこれは厄介だな、さて……どう出るか。

 

「―――相沢祐一っ!」

「あ? あぁ、そういえばまだ貫かれたままじゃん俺」

 

すっかり忘れてた、痛みなんてもう既に通り越してるからな。

"死"に関しては随分と鈍感になってるからなぁ、これじゃ俺は弱体化する一方だな。

まったく……って今はそんな事考えてる場合じゃないだろ、俺。

そして、俺の体を突き刺したままの秋桜麻衣子へと振り返った。

 

「我が否定よっ! よくぞ我が眼前に現れ―――」

「うるさい……少し黙れ」

 

秋桜麻衣子の顔をした誰かに対して俺は思いっきり蹴りを打ち込む。

すると呆気なく秋桜麻衣子似はそのまま吹き飛ばされる。

俺はそれを見届けると一つ、ため息をつく。

―――何だ、あいつ?

麻衣子ならこの程度は軽く受け流すか反撃ぐらいはしてくるのにな。

せめて反応ぐらいはしろよ……、それじゃああいつが怒るぞ?

「弱いくせに私の真似をするなんていい度胸してるじゃない」とか何とかいって。

 

「さて……っと、佐祐理さんだっけ?」

「………ふぁ〜、一撃ですか」

「はい? あぁ、あれはちょっと蹴っただけですよ……それより俺はあなたに話があるんですけどね」

 

どうにもペースがズレるお人だな、この人は。

それに誤解とはいえ俺の体を突き刺したんだ、このぐらいの仕返しは許されるだろ。

 

「で? 一体どうして俺の事を知ったんですか?」

「あはは〜、秋子さんからの情報ですよ〜」

「―――そうですか、まったく……秋子さんも無用心というか何と言うか……」

 

俺は頭を抱えながらため息をついた。

まったく秋子さん、あなたはここを常に戦場にしたいんですか。

俺なんて異分子の情報を一般の人間に流したら、どの国が攻めてくるかわからないっていうのに。

……まあ多分その対策もとってるんだろうけど、やっぱり少し軽率だ。

 

「大体ですね、何の許可もなく俺を―――おっと!」

「相沢―――祐一」

「………またか、一体俺に何の恨みがあるんだ」

 

俺は不意に攻撃してきた秋桜麻衣子の一刀をかわすと軽く睨みつける。

何者かは知らないが……随分と殺気を込めて俺に向かってきやがる。

―――ドッペルか、はたまたあいつ本人か。

虚像っていう場合もあるけど……蹴った感触は人間ぽかったよな。

 

「はっ、我が否定――相沢祐一よ」

「誰がお前のだ、気色悪いんだよ……」

「ようやくようやくようやく! 我の目の前に否定が現れたっ!!」

 

……なんだこいつ?

麻衣子の顔しながらムカつく顔しやがって……何なんだこいつは。

 

「さあ……否定よ、幻想神種である我が力―――貴様に否定し尽せるか試してみろ!!」

「―――はぃ? 幻想神種っ!?」

「いかにも、我は幻想神種が一……識別名称は蛇だ」

 

ちょっと……待てよ。

……幻想神種? 何の冗談だそれは?

そんな化け物がなんで俺を知ってるのかは知らんがどうしてこんな所に?

まさかカノンを潰しに……って事だったらもう終わりだな、逃げ出した方が賢明だ。

―――だけどちょっと待てよ? 何で幻想神種が麻衣子の姿をしてるんだ?

 

「お前は……誰だ?」

「我が名は大蛇、草薙に封じ込められた幻想神種の思念なり」

「………草薙、そうか……麻衣子とはそう繋がるわけか」

 

つまり、こいつは……麻衣子そのものって事かよ。

草薙の解放って所か、面倒な事してくれるな……あいつも。

しっかし幻想神種の思念が封じ込められていたとはな、こいつは俺達が持ち込んだ厄災か。

はぁ……トラブルメイカーの称号に磨きがかかるな、こりゃ。

 

「さあさあさあっ!!! そんな空蝉は脱ぎ捨て我の前に姿を現せ人間っ!!!!!!」

「………………」

「知っている知っている知っているぞ! 我が否定―――お前の本性を!!」

 

なら、こいつは俺が麻衣子に代わって処理しないといけないって事だな。

見物人が多いが、ここでやるしかないか……。

まったく……幻想神種なんて化け物と戦うなんて悪夢だ、普段の俺なら即逃げだぞ。

まあ自分が災いの種だった場合は仕方ないな、こりゃ俺の責任でもある。

なら―――早く終わらせないとな。

 

「ちぃ、覚悟しろよ蛇野郎……お前が望んだ事だからな」

 

 

to be continue……

 

 

 

 

 

 

あとがき

コミケ、時間間に合わなかったら俺は殺される……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

誰にとはいわん、多分自分に殺される;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

つーわけで微妙に手抜きなのは許しt(死

………書き直しするのかなぁ、これ?

 

 

 

 

―――第二十五話★用語辞典―――

 

製作中

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