―――ズキッっという体の悲鳴がうるさくて、私は目を覚ました。

目を開けるとそこには女の子が一人、こちらを見下ろしながら笑っていた。

えーっと、この子の名前……なんだったっけ?

確か……………………名取ちゃん?

 

「違うよ〜、私名雪だよ〜」

 

あぁ、そうだ……名雪ちゃん名雪ちゃん。

ダメだ、すっかり頭が回ってない―――まるで考えることを放棄したかのようにボーッとしている。

取り合えず現状の確認を……ここはどこだっけ?

 

「カノンだよ、麻衣子ちゃん……大丈夫?」

 

麻衣子……えっと……あっ、そうだ。

―――うわぁ……こりゃ駄目だ、ありえない事まで忘れかけてる。

……麻衣子は自分の名前でしょうが、しっかりしなさい自分。

 

「…………で、今どうなってるんだっけ?」

 

声は掠れて一瞬自分の声ではないように聞こえた。

…………あれ?なんで私こんなにボロボロなんだっけ?

 

「まだ魔物さんと戦争途中、麻衣子ちゃんは途中で気を失ってたんだよ?」

 

あぁ、そういえばそうだった。

少しずつだけど思い出してきた……そういえば私、負けたんだっけ?

でも可笑しいな、草薙がある限りそう簡単には負けるはずがないんだけどな……。

まあでも事実は事実、何で負けたかは思い出せないけど大切なのは理由より結果だ。

そして負けたならこれから精進すればいいだけのこと、今までだって死にかけたのは一度や二度じゃないんだから。

 

「…………あ〜、まだ頭がボーッとする」

「休んでた方がいいよ? もうちょっとかかるから……」

「え? あぁ……回復魔法かけてくれてるの?」

 

……道理で体が徐々に楽になっていくと思った。

しかし名雪ちゃんもやるわね、回復魔法何て凄い魔法使えるなんて……実は凄い魔法使い?

そんな事を冴えない頭で考えている私を後目に名雪ちゃんは見た目からは想像出来ないぐらいにテキパキと魔法をかける。

お陰で段々とそれまで動かなかった手足に感覚が戻ってくる。

―――なるほど、さっきの痛みは痛覚が回復したせいか……戦闘ではいつも草薙で痛覚を麻痺させてるから今回も無茶し過ぎたのかな?

草薙を扱うとまるで自分が純然たる剣の塊になったような印象を受ける。

そのせいで、人間の体は脆いということを忘れて暴走してしまうことが今までも多々あった。

今回もどうやら同じように体を限界まで酷使したのだろう、痛覚が復活した手足が酷く痛む。

 

「―――痛っ、あ〜! でも何か……生きてるって感じがするわ」

「うん、死んじゃったら痛みも感じる事出来なくなるからね〜」

「そうよね、生きてるからの功績とか言うしね〜」

 

私は苦笑しながら動くようになった両手を空に翳すように突き出した。

どうやら両手両足共に健在みたいだ……よかったよかった。

でもこうやって手を翳すと自分の両手の色白さが目立つ、近頃日に当たっていないせいか結構色白になっているようだ。

少し前までは多少肌が小麦色だったのに、どうやら雪国に来たせいかすぐに色が変わってしまったらしい。

でもこんな自分の手も悪くない、まるでお姫様のように色が白い肌だった。

これってやっぱり雪が降っているカノンだからこそこんな風に見えるんだろうか?

こう……真っ暗な空に自分の手を翳すせいで色白に見えるだけかもしれない。

―――そう、こんな真っ黒な空に…………って、あれ!?

 

「な、名雪ちゃん……? もしかしたら私の気のせいかもしれないんだけどさ……」

「何? 麻衣子ちゃん?」

「もしかして……"あの馬鹿"って今絶賛戦闘中?」

「あの馬鹿……あっ、もしかして祐一?」

「…………そう、その祐一」

「うん、頑張ってるよ〜」

 

やっぱり……っと私は頭をかかえるように右手を額に当てる。

えぇ、わかってますよ……こんな異常事態を引き起こせる馬鹿は私は一人しか知らない。

世界を丸ごと"否定"しようだなんて大それた事、あの馬鹿以外に出来たらそれこそ驚きだ。

―――それにしても何でこんな事態になってるんだろう?

確かにカノンに攻め込んできた魔族連中は一筋縄ではいかないかもしれない、でも……ここまでする必要があっただろうか?

だって相手は幻想種にも満たないような吸血鬼達のグループの筈だ、いや私はそのグループに負けたけど。

だったらあの馬鹿がここまで本気を出す必要はまったくないと思うんだけど……何でだろう?

 

「何、もしかして相手が何か幻想種辺りの化け物でも召喚した?」

 

それならばまあ納得できる、正直やりすぎだろうとは思うけど。

そんな私の質問に、祐一の従妹である名雪ちゃんは苦笑しながら首を横に振る。

 

「違うよ、祐一が戦ってるのはね―――」

 

―――っと、名雪ちゃんが答えようとした瞬間……上空に綺麗な火炎の虹が咲いた。

漆黒の空に鮮やかなオレンジ色の炎が舞い上がり、そしてゆっくりと余韻も持たせながら消えていく……。

一体何事よ……私は内心混乱しながら炎がやってきた方へと顔を向ける。

 

 

 

 

………するとそこには信じられない光景が広がっていた。

 

 

 

 

ロードナイツ

 

第三十六話

「神殺しの咎」

 

 

 

 

「あっぶねぇ〜、もう少しで巻き込まれる所だったぜ……」

 

大蛇の首から吐き出された炎の軌跡を見ながら祐一は冷や汗を流す。

―――今の炎、巻き込まれたら多分間違いなく……防御を貫くな。

そう確認して、祐一は炎を吐き出した大蛇へと向き直る。

…………現在大蛇の戦力は残る首、六つ。

二つは何とか切り落としたけど……このまますんなり全部の首を落とせるわけにはいかないか。

苦笑しながら祐一は、手に持つ巨大な漆黒の"剣"を構えて大蛇に向け疾走する。

 

「―――まあ、ようするにあの炎にさえ気をつければ十分勝機はあるって事だろ?」

 

相沢祐一はそう呟き、手に持った漆黒の剣を肩の高さまで持ち上げると―――そのまま大蛇の首に向け……一気に跳躍する。

それを見た大蛇は一つの首を祐一の下へ向かわせ……残る五つの首には祐一に向けて離れた所で口を広げ、待機する。

なるほど……ようするに首の一つを捨てて―――こっちを消滅させに来たか。

祐一は舌打ちしながらも最早避けられぬ大蛇との衝突に向け意識を集中する。

まさかいきなり捨て身でくるとはな……注意不足か、馬鹿だな……俺。

大蛇の首が祐一へと迫る、そして……五つの首が祐一へと狙いを定める。

―――ようするに一対六、しかもそれぞれの首が"起源"持ちだから起源者六人対俺一人って事か……常識的に考えてそれはやばいな。

今更ながら後悔して―――しかし祐一は迫り来る大蛇に向けて巨大な漆黒の剣を半月を描くように体全体で斬りつける。

どうせなら一匹でも多く道連れにして……雄々しく散ってやろうじゃないか。

 

「はあぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」

 

―――剣を振り下ろす、迫る大蛇はそれでも祐一が振り下ろす剣に向かいただ無骨に直進する。

そして、祐一の剣が大蛇の一つの首にぶち当たるようにして……衝突する。

祐一の刃は大蛇の鼻頭に突き刺さり、大蛇の突進は―――その衝撃により祐一の右肩を完全に脱臼させる。

刹那、弾かれるように祐一は剣から手を放し―――直ぐさまその場から離れようと大蛇に突き刺さったままの剣の柄を蹴り、後退する。

だが、後ろに構えていた五つの首は逃がさぬとばかりに祐一に向け五つの炎の火柱を祐一に向け解き放つ。

 

「―――――ちぃ! "―――終焉なる世界(■■■■■)!!!"

 

自らに迫る"死"を悟り……祐一は脱臼した右肩ではなく、怪我の被害が少ない左腕を火柱に向けて叫ぶようにその"言葉"を"詠唱"する。

すると、祐一の左手に漆黒の霧のようなモノが円状に展開される。

まるで身を守る盾のように展開された"それ"は大蛇が吐き散らかす火柱を一瞬塞き止めるように掻き消した。

だが、起源者五人分の"死"は容易には防ぐ事が出来ないのか―――祐一のガードを突き抜けてそのまま左腕を燃やし尽くす。

 

「グガ―――熱っ、この――やりやがったなっ!」

 

自らの"なくなった"左腕を苦々しそうに見つめながら、祐一は地面へと降り立つ。

これで今使えるのは脱臼した右腕と、両足か……幻想神種相手に凄いハンデだな……おい。

 

『―――どうした、我が否定っ! 足が止まっているぞ!!!』

 

間髪入れず、鼻頭に剣を突き刺したままの大蛇が祐一へと迫る。

それを見て祐一は焦ったように脱臼した右腕を地面に突き立て無理矢理戻し、痛むそのままに右腕を大蛇へと向ける。

 

「舐めるな―――馬鹿野郎っ! "―――破滅する運命(カタストロフィ)!!!"

 

―――そして、大蛇の鼻頭に突き刺さった漆黒の剣は爆発した。

……すると剣の爆発を中心に黒き漆黒の球体が大蛇の首を包み込むように広がり、一瞬にしてその空間を"喰らい"尽くす。

その後、残ったモノは……主を失い項垂れるように落下していく頭のない首と、それを苦々しく見つめる残る五つの大蛇の首だった。

先ほどの黒い空間、通称"■■■■■"……もどきというべき全てから"否定"された空間である。

その中に巻き込まれればいくら幻想神種とはいえども、痛みすら感じる前に世界から"否定"されてしまう。

そして、二度と蘇生すら出来ぬ輪廻転生の外へと弾き飛ばされてしまう。

それを知ったのは、大蛇達がまだ首を八つ残していた時……実際に二つの首が巻き込まれた後だった。

……あの絶対無比の攻撃を避けるには―――否定者が持つあの"剣"を喰らわなければいい。

爆発したと思われた剣は、しかし何故かいつのまにか祐一の右手にしっかり握りしめられていた。

恐らくあれは否定の一部、存在しているように存在していないただ"剣"の形をしているだけのまったくの別物。

あれは剣ではない、形状は剣だが―――用途は釘だ、次に否定する場所に突き刺す目印となる"杭"の役割をしている。

用は……否定者の攻撃を全て避け、その上で否定者を攻撃すればいい。

 

『…………はっ、無理を言う』

 

大蛇は鼻で笑う、そんな事……不可能だ。

―――第一どうやって避ければいい?

この身は八つの首を持つ神の獣、大きさで言えば軽く小さな城に匹敵する巨大さだ。

どうやって全ての攻撃を避けきれる動きが出来る、そんな事は物理的に無理だった。

だからこその捨て身、否定者一人を殺すために首が何個落ちようが―――最後に立っていればこちらの勝ちだ。

 

「はっ……段々と終わりが見えてきたな―――蛇野郎」

『ふん、舐めるなよ……否定者』

 

軽くそう交わしあうと、両者共……満身創痍ながらも同時に前へと出る。

祐一は今までそうしたように、漆黒の剣を片手で構えながら。

大蛇はまたも一つの首のみ突進させ、残りの四つの首は火炎を吐く体勢へと移行する。

そして、祐一が地面を蹴り……跳躍する。

それを見た大蛇は追撃せんと祐一に向けて首を伸ばす。

両者の衝突はそのまま―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"―――崩壊する空"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――何て法術によって、祐一、大蛇共に地面へと落下させられてしまった。

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

祐一は跳躍したままの体勢でしかし何故か体は落下していき、

 

『な―――んだとっ!?』

 

大蛇は残る五つの首を全てお辞儀するように地面へと叩きつけられた。

その衝撃により……祐一の右足は曲がってはいけない方向に曲がり、大蛇は吐き出そうとした炎が口の中で暴れていた。

"指定した空に位置する全てのモノを落とす"最上級法術の一つ、「崩壊する空」

全世界でこんな大それた法術が使えるのは……一人しかいなかった。

 

「なーに愉快なバトルしてんのよ、しかも私に黙ってなんてね〜?」

 

祐一が地面に押しつぶされそうになりながらも首だけを何とか持ち上げると……そこにそいつはいた。

紅き髪を靡かせて、嘗て……"世界を滅ぼすだろう"と予言された藤間の御子。

―――秋桜麻衣子はそこにいた。

 

 

 

 

―――そうして、いつしか広場には段々と人が増え始めていた。

戦いに参入するわけでもなく、いや……戦いに参入できる筈もない人々はしかし、それでもその戦いを最後まで見届けようと集まってくる。

戦っているのは見知らぬ少年、それに何の冗談なのか……幻想神種である大蛇。

二人の戦いを、カノンにいる魔法使いという魔法使いがその幻想なる戦いを見ていた。

ある者は頭から血を流し、ある者は片腕を失っていたり……無事でいる者は少ないが―――それでも彼らは治療するわけでもなくただ呆然と眺めている。

理解出来ない戦いを……否、"理解出来ない否定者の戦い"を。

 

 

 

 

「麻衣子……?」

「何よ、あんたそんなボロボロになってまで何遊んでるのよ?」

「遊んでってなぁ……一応これお前のせいなんだが……」

「知らない、カノン巻き込んでの私闘なんて誰が頼んだの? いい迷惑よ」

 

そうズバリと言い切られて、しかし何故か安堵したように俺はため息をついた。

このやりとりが懐かしかった……っというほど時間は経っていないが、まあ―――少し安心したっていうのが本当か。

まさか生きてるとはな、正直助かる確率は五分五分程度かと思ったけど、なんつー回復の早さだ。

 

「―――で? あんたは何やってんの?」

『我が主……か、我らの戦いを邪魔をするな』

「誰に口聞いてんのよ、あんたの所有者は私……つまりあんたは私の子分でしょうが!」

『その契約は解除された、主との契約は「死ぬまで」だった……そして主は一度"死んだ"だろう?』

「あんたがその後すぐに生き返らせたけどね、まあそれは否定しないわ」

 

そういって麻衣子は軽く肩を竦める。

なるほど、麻衣子と大蛇の契約が切れたのはそのせいか。

つまりは大蛇は麻衣子を一度殺し……というか死なせてすぐに蘇生させたって事か?

そうすれば契約は切れ麻衣子も死なない、……なんでそんなに回りくどいことをしたんだ?

俺なら、「麻衣子を殺せばそれでいい」って考えるけど……何か特別な理由でもあったんだろうか?

 

「だから契約切れてさようなら? ざけんじゃないわよ、あんたみたいな便利道具……私がそう簡単に手放すと思ってるの?」

 

うわ、言い切りやがったよ……あいつ。

―――あいつの場合本気で言ってる可能性があるから怖いよな、間違いなく悪女だ。

だが大蛇もそんな麻衣子の言葉を聞き、当たり前のように返す。

 

『ふん、我が消滅したらな草薙は好きにすればいい、能力もそのままに主に譲ろう』

 

だから邪魔するな、大蛇はそう声に出さずに目で語った。

……さて、こっちもいい具合に回復してきたし―――そろそろ再開かな?

あっちの問題も解決したみたいだし、欲を言えば体の完全修復まで時間を稼げればよかったけどまあいい。

たくっ、予想以上の化け物だな……幻想神種ってのは。

正直ここまで粘られると……辛い、不死者同士の戦いっていっても同じ起源持ち―――下手すると消される。

流石は"死"の具現、否定すらも殺そうとするなんて正気じゃねぇな。

 

「話が終わったんならどいてろ、俺はこいつに用があるんでな」

『―――ほう、そのような体でまだ刃向かうつもりか?』

「舐めるなよ蛇野郎、お前の"運命"……完璧に否定してやるさ」

 

漆黒の剣を振りかぶりながら治りかけの右足と傷だらけの左足で立ち上がる。

なるほど……不死者の特権たる"再生"の能力を大蛇は"殺して"やがるのか、道理で回復が遅いわけだ。

これじゃあ焼かれた左腕の再生は絶望的か、めんどくさい。

だけど―――俺は俺であいつの"再生"を"否定"してるし、まあ似たようなもんか。

 

「行くぞ、幻想神種―――死にたくなければ全力できな」

『いいだろう、お前に否定された分……倍返しにしてやる』

 

―――そして、"秋桜麻衣子"は俺の頭をいきなり殴った。

どれだけ力をいれればこれだけの破壊力になるかは知らないが、俺はその衝撃により前のめりに倒れ込む。

 

「な、何すんだ……麻衣子」

「何度も同じ事いわせんな、私闘禁止―――やるなら外でやりなさい」

「んなこと言っても、あっちが納得してくれねーよ」

「はぁ? だったら力ずくで何とかしなさいよ」

 

無茶を言うな、相手は幻想神種だぞ?

俺が本気になったところで相手も神と呼ばれるぐらいの存在、圧勝できるわけがない。

それを……力ずくで何とかしろと言われても無理だ。

 

「あんたもあんたよ、こんな馬鹿げた戦い―――今すぐやめなさい」

『馬鹿げた……だと?』

 

その言葉を聞き、大蛇は目を細めて殺気を漲らせて麻衣子を睨む。

 

『―――馬鹿げた事だと!? ふざけるな、何年待ったと思っている!! 何のために主の下についたと思っている!!! それを……馬鹿げた事だと!?』

 

殺気を撒き散らしながら、幻想神種は感情を激しく滾らせながら叫ぶ。

その様子に、流石の俺も驚き一歩後退する。

……なんつー大声だ、カノン全体に響き渡るぐらいの音量だな。

しかし、そんな大蛇に対し、秋桜麻衣子は馬鹿にしたように大蛇を見下すと一つため息をついて笑う。

 

「……で? それがどうかしたの? 悪いけどさ―――あんた駄々っ子にしか見えないわよ?」

『な―――に!?』

「何年待った、随分待った、あんたは恋人を待つ女か気持ち悪い―――簡単に言ってあげようか? あんたさ……"ヒステリー"なのよ」

『貴様……元、主だからと言って―――』

「主従関係何てどうでもいいでしょ、私はね……"あんた"の事言ってんのよ」

 

そういって、麻衣子は右手を挙げ……天に向けて親指だけを突き出してそのまま親指を逆さに下ろした。

 

「文句あんならかかってきなさい、相手したげるわよ―――ヒステリーのお蛇さん?」

『貴様に―――幻想神種たる我の相手だと……舐めるなっ!!』

「舐めてないわよ、でもね……"神様程度"の力があるだけで自分の主義を押し通すやつを見てると腹立つのよ」

 

なるほど、自分の事か……麻衣子。

近親憎悪ってやつだな、何てどうでもいいことを考えながら俺は静かに"剣"を地面に突き刺した。

どうやら締めは俺になりそうだけど……暫くは後回しになりそうだな。

 

「悪いけどね、"神様"なんてこちとら何回殺してるのかわからないのよ……つまり私は"神殺し"ってわけ」

『ふざけるな、否定者でもなければ肯定者でもない貴様が――神殺し? 増長にもほどがあるわっ!!!』

「増長かどうか確かめてあげるわよ、"神殺しの咎"―――そんなものは存在しないって事も含めてね!」

 

そういって、麻衣子は悠々と歩き出した。

天を駆る聖女、そのような名前で確かに麻衣子は呼ばれていた。

しかし、"天"という言葉にはもう一つの意味が存在する。

それは一つの意味で神、そしてそれを"天を駆る聖女"に当てはめると"神を狩る聖女"……つまりは神殺し。

嘗て人類史上、もっとも大きな戦争の火種となった神殺しの御子……それが"藤間麻衣子"だ。

世界に存在する半分近くもの"起源者"に狙われた聖女、そして……もう半分の"起源者"に守られた聖女。

そして―――死ねない少女、それが"秋桜麻衣子"だった。

 

 

 

「教えてあげるわ、何で私がこいつと一緒にいるのか―――そして、あんたじゃ私は殺せないって事をね!!!」

 

 

 

to be continue……

 

 

 

 

 

 

あとがき

意味深な終わり方、さて、どうしよう。

そろそろ戦争話も扱うかな、めんどくさいけど(´A`)

ちなみに35話から時間が経っているのは麻衣子視点だからです、外伝か次話で補完しようと思ってますのであしからず。

まあ何はともあれ毎日更新再開第一弾、ロード本編更新。

時間足りなかったので勘弁してください……ここまでで三時間かかった文才のなさを呪いながら明日へ備えます(汗)

次回は残念(?)ながら道化師に行こうかと思ってます、だからロードは明後日かな?

さて、後何日続くか……見物ですな(´A`)

 

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